今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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元箱付きのきれいなPEN-Sの巻

2019年12月05日 09時00分00秒 | ブログ

PEN-Sの発売は1962年6月とのことですが、この個体#2430XXは1962年2月コパルシャッター完成、本体は翌月3月の完成個体です。PEN-Sは長く生産されたので20万台でも初期型に属します。元箱付きというと「遅れて来たペンマニア」さんが十八番ですが、この個体は別のオーナーさんです。残念ながら保証書、取説などの書類は失われているのが惜しいですね。

元箱底部にはB,NOの記載個所があり、鉛筆書きで同じ番号が書かれているのでセットの箱に間違いはないでしょうね。本体は殆ど未使用のような状態で保存状態も大変良いです。但し、シャッターやヘリコイドなどは不調となっているのは製造からの年月を考慮すれば仕方のないところです。

 

殆ど未使用でもお約束の駒数ガラスにクラック入り。カニ目ネジを見ると分解されているような? モルトが交換されているので開けられている可能性もあります。

 

 

殆ど新品を組むようなものですので特筆すべきことも無いでしょうから簡単にしますね。シャッターの羽根の開閉は緩慢です。

 

 

洗浄をして組んで行きますが、シャッターバネは流石に張力が落ち気味のようです。初期のシャッターと中期以降のシャッターの違いは初期はのネジがスリ割りで、中期以降は逆にスリ割り付きナットタイプになります。その方が組立易いからでしょう。レリーズレバーの形状も変わります。初期の方が凝った形状(先端部)によって、巻上げ完了時の「カチッ」という音が違います。かなりマニアックな違いなので気が付く人はいませんけどね。

ストロボターミナル接点の半田はまず外れてしまいます。画像は半田をやり直したもの。しかし、この個体ではすでにネジによる組立式となっていますが、もっと初期は直接の半田付けです。

 

レンズもほぼ満点でしょう。一応清掃をしてヘリコンドグリス塗布で組み立てます。

 

 

距離やシャッターリングのメッキ腐食やアルマイト剥げも全くありません。分解清掃をしたファインダーのリンクル塗装も完璧です。巻き戻し軸部は設計変更を受けますが、この個体は変更前のタイプで、工場での組立時、ダイヤルガタを無くすシム調整に工数が掛かるので変更されたのでしょう。

 

工場で新品を組んでいるような感じです。経過した時間を考えると驚異的。

 

 

多分、フィルムは1~2本程度しか通していないでしょう。なんで購入したんですかね。この個体は資料的価値が高いですから使用せず保管して欲しいです。オリンパスの瑞古洞さんに提示して欲しい。

次の更新は少しお時間を頂くかも知れません。厄介なのをやらないと・・

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