今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライコードⅤbのメンテナンスの巻

2020年09月21日 01時00分00秒 | ブログ

二眼レフを少し続けます。ローライフレックスⅤbはローライコードの最終型ですね。それだけに、そんなに古くはないカメラなので状態は悪くはないです。まず多い不具合は、巻上げが重いというもの。シャッターユニットの取付けネジ部にチャージレバーが嵌っているわけですが、潤滑が無いので噛み込み気味となって重いわけです。

ユニットを点検すると、絞りレバーが曲がっています。このモデルはLV仕様ですが、レバーを無理に動かそうと力を掛けたものかも知れません。

 

絞りレバーを分離して曲がりを修正しておきました。

 

 

コンパーシャッターは低速不調になっている個体が多いです。シャッター羽根と絞り羽根が近いため油が廻っていますので全体の洗浄をして組みます。

 

後玉の清掃をしてシャッターユニットに取り付けます。

 

 

前玉もレンズを分離して清掃します。

 

 

ミラーを清掃して取り付けます。

 

 

フィルムカウンター12はユニットで取り外せるようになっていますね。24枚用のユニットもあったようです。現在は使えませんが・・

 

裏蓋のガタツキはストラップホルダーの留めネジが緩んでいるものが多いです。ここはネジロックを塗布しておきます。

 

 

本来、チャージレバーを右に倒すとシャッターが切れますが、このボディーレリーズを取付けた方がシャッターを切り易いですね。

 

1台目は終了。

 

 

次のⅤbはM接点がありますのでタイプ1ですね。シボ革接着の糊がはみ出しているので過去に分解を受けています。

 

周り止めのネジが無くなっているので分解されています。

 

 

このシャッターは低速不調だけではなく、高速側のスピードも上がりません。

 

 

ミラーなどを清掃します。古いモデルのようにミラーはネジ留めではないので分解が簡単です。フードも簡単に分離が出来て改良されて使いやすくなっていますね。

 

ミラースプリングの板厚はなんと0.1mmとペラペラです。

 

 

フォーカシングスクリーンは樹脂製のスプリット付きです。二眼レフはピント合わせに苦労しますから、これは有りがたい改良です。洗浄をして取り付けます。

 

この個体は上部左右に調整ワッシャーが入っていましたので忘れずに取付けておきます。ビューレンズの固定はネジ式となっています。この方がやり易いです。

 

シボ革の接着剤は非常に強固な接着剤で、古い接着剤を残してその上に貼ってしまうときれいに仕上がらないですから完全に清掃をしてから接着をします。

 

はい、これで終了です。次はローライコードⅣ型です。シャッターは完全に動きません。

 

 

修理項目で多いのが平らなところに置いてもギッタンバッコンになってしまう個体の修正。

 

 

定盤の上に置いてみると・・あっ、ここだ。の足部が強い力を受けて陥没しています。これを修正して行きます。

 

Ⅳ型までは見慣れたシャッターユニットです。さて、なんで動かないのか・・

 

 

前群2枚の中間が曇りがあるので分解清掃をします。

 

 

フォーカシングダイヤルのフタの塗装剥離が目立ちますね。塗っておきましょうかね。

 

 

このモデルはシボ革が本革ですが、ポツポツと盛り上がっている部分がありますね。これは真鍮ネジの頭が本革の湿気から腐食をして緑青が吹いているものです。

 

シボ革をめくってみると・・

 

 

緑青を取り除くと真鍮ネジが現れます。

 

 

画像を撮ってみて左下角が残っているのに気が付きましたが、このようにきれいに戻りました。本革のホールディングの良さや高級感は分かりますが、湿気による劣化や修理のために分離する場合を考えると合皮の方が始末が良いと思ったりします。

 

フォーカシングダイヤルのフタを焼付塗装で塗っておきました。

 

 

シボ革が本革の場合、剥離時のアルコールなどによって寸法が伸び気味になったり、素材の柔軟性が落ちたりするので貼り込みには注意が必要です。合皮よりも厚い革ですね。

 

Ⅳ型とⅤb型ではずいぶんと設計が違いますね。それまでの改良型がⅣ型でⅤb型は異なった設計でより使いやすくなっているように感じます。但し、フォーカスダイヤルが右側でライトバリュー組み込みが好きではない方はⅣ型を選ぶのでしょうね。

 

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