今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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もっと初期型のPEN-FTの巻

2019年11月25日 18時10分00秒 | ブログ

このPEN-FTは#1084XXと1966年11月の製造ですから前回のFVより初期の個体です。一応作動はしていて露出計も動きますが、なぜかオーバー気味になっています。セルフタイマーレバーのお辞儀が深いですが、この角度は経験的に調整範囲を超えますので、たぶん付け替えでしょう。

 

ハーフミラーはきれいなので交換不要とのことでしたが、このミラーは初期型に使われていたミラーではありません。20万台頃ですね。見にくい腐食はありませんので再使用は可能ですが、私なら交換しますね。セルフタイマーレバーは調整してみましたが、案の定水平にはなりません。まぁ、許容範囲かな?

 

イヤな感じは油のにじみです。これはスプロケット軸に水油を点けられているようです。

 

 

スプロケットの表面にも染み出しています。

 

 

巻上げ機構にも大量の油が・・

 

 

下側にも点けられています。

 

 

取り合えず分解洗浄で脱脂をしてから組み立てます。

 

 

 シャッター幕にも油が回っており、回転抵抗が非常に大きいです。洗浄脱脂をします。

 

 

油でドロドロのシャッターユニットも分解洗浄をします。

 

 

シャッターユニット本体の組立。古い初期型としては摩耗は少なく特に問題はありません。洗浄をした改良前のスローガバナー。このタイプはギヤの摩耗による不具合が起きがちですが、この個体は良好です。

 

巻上げのフィーリングもだいぶ改善されました。今日は身内の検査で病院まで送り迎えをしたので、ここまでです。

 

 

 接眼枠は欠損していますので新品と交換しました。留めネジは初期は専用の頭の大きなネジです。中期以降は標準ネジに簡略化されたために、取付穴にネジ頭が埋没するようになって、それが原因で取付部が破損している個体が多くあります。

 

セルフタイマーユニットの取付ネジ部に接着されている調整ワッシャーが片方無くなっています。このまま取り付けるとユニットが斜めに取り付いてしまい作動不良となります。

 

ハーフミラーは交換しました。11万台付近まで基板の調整抵抗は半固定抵抗が使われています。これで組立完成。

 

 

付属の40mmも問題ありそうです。絞りリングの回転が固着気味です。

 

 

 過去に分解を受けていて、すでにスリ割りは大きな力が掛かっています。試しに緩めようと力を掛けてみましたが固着していて簡単には緩みません。絞りリング部の潤滑が全く無く摩耗しています。

 

ヘリコイドグリスが抜けていますので清掃と追加をして洗浄をした絞りユニットを組み立てます。

 

 

絞り部に若干の歪があるようで、ガイド№側では良好ですが、絞り値側では終端で少し重いです。先端部を「ゴチン」と当てている個体に多い不具合です。

 

 

カメラとレンズ共、過去の分解でおかしなことになっていた個体ですが、カメラ本体は初期型としては状態は悪くはありませんでした。コンディションの良い初期型の個体はもめっきり少なくなって来ましたので貴重な個体です。

 

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