金井利之『自治体議会の取扱説明書―住民の代表として議会に向き合うために―』を読了。

 

　まさに金井節。「そこか！」と思う切り口から、現在の自治体議会に内在する課題に鋭く切り込んでいく。人によっては、少々皮肉が効き過ぎと思うところもあるとは思うが、実際の金井先生の講演などを聞けば、さして気になるレベルではない。むしろ、書籍用に若干の抑制を利かせていると思う。いわゆる通説みたいなものからはかなりかけ離れた議論も随所に見られるが、それも十分に根拠のあるものとして裏付けのある議論なので、なかなかに強力である。
　「自治体議会を知るためにこの一冊」というような性格のものではないが、何かの折には再確認したくなるような味わい深い本である。