筋について 効果的なリハビリテーション | 進撃の理学療法士

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ネットより引用。わかりやすい。特に反回抑制のコンセプトは有用なんじゃないでしょうか?


関節可動域制限の原因として、筋攣縮(spasm)なのか、短縮(shortening)なのかを分ける必要がある。


筋攣縮(筋スパズム)は、その筋組織を押した時の痛み(圧痛)がみられ、筋肉を緩めた状態(筋の起始と停止を近づけた)であっても緊張が高いままである。

筋短縮(ショートニング)では、圧痛はなく、筋の起始と停止を近づけた時には、筋の緊張は低く、ダルンダルン状態になる。

両者とも限界まで伸張すると痛みを伴う(伸張痛+)。なので、これでは鑑別できない。しかし、治療結果としての評価の指標には利用できる。

この両者をわける目的は、治療方針が異なるからで、スパズムであれば、シナプス抑制機構を活用しどう“リラックス”されるかがポイントとなり、短縮であれば、“ストレッチ”を活用し、どう伸ばしていけるかがポイントになる。

■シナプス抑制機構について
 Ia抑制:緊張している筋肉の反対の筋肉(拮抗筋)を十分に収縮させると緊張している筋が弛緩する。(抑制の介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑制)
 例:上腕三頭筋(肘伸展筋)の筋スパズムがあれば、上腕二頭筋(肘屈曲筋)の十分が収縮を促す。

 Ib抑制:ゴルジ腱器官は張力によって、主動作筋のα運動ニューロンを抑制介在ニューロンを介して抑制される。ゴルジ腱器官は、筋腱移行部に多く、筋と直列である。そのため、筋の起始と停止を動かさずに筋肉を収縮させる(等尺性収縮)ことで腱は伸びずに筋腹が縮み、同時に筋腱移行部が伸張される。
※直接ストレッチしてもいいが、筋腱移行部の正確な解剖学的位置の知識が必要である。
また、ゴルジ腱器官は機能的には張力の受容器であり、外力で筋の伸張したときの閾値は5~200gであるが、筋収縮による張力発生では0.3~3gにも応じるとされる。
つまり、外力によって伸張されるよりも筋収縮を利用した(等尺性)伸張のほうが簡単にこの抑制機構を利用できるのかもしれない。
 例:上腕二頭筋が緊張していれば、肘を曲げないように止めた位置で肘を曲げる方向に力を入れてもらう。

 反回抑制:脊髄運動神経細胞で見られるフィードバック型抑制のこと。運動ニューロンの反回側枝を介して、興奮性の入力が脊髄にある介在ニューロン(レンショウ細胞)に入る。レンショウ細胞は運動ニューロンに投射し、抑制性のシナプスをつくることによって、2シナプス性に運動ニューロンの抑制が起こる。反回抑制の主な働きは、運動ニューロンの出力の利得を調節することである。
 例:上腕二頭筋が緊張している場合、なるべく大きく(全可動域が理想)肘を屈曲伸展運動を対象者の協力のもと繰り返す(代償運動が入りやすい場合などは最初は協力しないように指示することもある)。

□ストレッチについて
 腱板構成筋のサルコメア(筋節)長の特徴として、筋の短縮はサルコメアの数に依存し、サルコメアの長さは変わらないという報告がある。つまり、サルコメアの数を増やしてあげる必要がある。フィラメントは筋腱移行部ですべて作っているため、サルコメア再生には筋腱移行部のストレッチ刺激が重要になる。

ちなみに短縮筋の血管形態の変化として、対象となる関節を固定して約一ヶ月筋肉が伸張できない状態でも血管形態に変化はないが、それ以上では血管形態にも変化がでてくる。つまり、その筋肉がいつ頃から伸びなくなったのか?などの情報収集も重要になってくるし、それが2ヶ月経過しているとすれば、伸張されるためには血管にも影響を及ぼしながら変化していくことが想像できるため、回復には時間がかかるのかもしれない。

今回はスパズムか短縮かで2つにわけたが、実際は混合していることが多い。しかし、この内容を理解していれば、圧痛の確認は何のためにしているか?、何を狙ってストレッチしているのか?、単純に伸ばすだけでいいのか?、自主トレは種類は何にするか?普段何気なく考えずに処方している内容もすべて意味がある。

また、その組織を限局したり、起始と停止を正確に近づけたり、話したりのコントロールには解剖学・運動学の知識はもちろん、触診技術が必ず必要であることを改めに認識する機会となった。
実際に上記のようなことを意識して介入すると、今まで結果がでていなかったものがすぐに結果につながったりする機会も増えた。

筋について 効果的なリハビリテーション②