評価 (3点/5点満点)
突き抜けた成果を残す人と一般に優秀だと言われるレベルでとどまる人の違いは何か?を整理してまとめた『伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い』(2012年刊)をマンガ化したものです。
優秀な新人という枠に収まるのではなく、誰もが想像すらできなかった、やがて語り継がれるような活躍をしはじめる新人が現れることがあります。同期の中で誰がすごかったかというレベルではなく、数年間のスパンの中で「あの世代ではあいつが突き抜けているよね」と言われるような存在です。その活躍は伝説的に語られるようになります。
<チャンスのつかみ方>
・「今はできなくていい」という状態は今後の長いビジネス人生の中では実は新人時代に限られた特権。言い換えれば、新人時代は失敗が許容されている。
・経験も実績も能力もない新人がどのようにして最初のチャンスをつかむのか。その最も簡単で有効な手段は自分から手を挙げること。任せてもらえなかったとしても手を挙げた行動は評価される。
・たった1%でも依頼者の潜在的な期待値を超えることができれば相手に強い印象を残せる。逆に1%でも下回ればその1%のマイナスが目立ってしまい依頼者はもう一度仕事を頼もうとは思わなくなる。
<当事者意識>
・出社時間を思い切って早めてみる。始業時間ギリギリに来てそこから今日やるべき作業を考えはじめる人とでは圧倒的な違いが出るのは当然。
・相手の期待値を推し量れる当事者意識の高さが求められる。伝説の新人と呼ばれるレベルになるためには責任者の問題意識を100%共有しその上で責任者でさえ考えられなかったことを考え行動に移す圧倒的な当事者意識が必要。
・自分で何とかして解決策を見つけようという習慣を身につけて20代を過ごした人と言われたことをしっかりやるだけで20代を過ごしてしまった人とでは後で取り返しのつかないような大きな差が生まれる。「どうしたらできるのだろう」というできる方法を探す問いかけをするように習慣を変えていかなければならない。
<時間の使い方>
・時間を効率的に使い人の何倍もの生産性で活動していく人は第2領域の活動(重要だが緊急ではない活動)のための時間を日々の生活の中で明確にとっている。
・あなたがチームの一人一人に対し相手が喜ぶことをし続けていれば自然にあなたの仲間は増えていき自分一人では動けないときはその一人一人の力が結集されあなたを助けてくれるようになる。
<伝え方>
・伝えようと思っているからダメ。伝わるかどうかを考える。伝えるは自分が中心の考え方。一方伝わるとは相手を基準に判断している考え方。
<解釈力>
・解釈力の高い人とは99%不可能ということは1%可能なのだと捉えさらにそこから1万人いれば100人も成功するのだと考えるような人を指す。
・解釈力を高めるためには自分と違う視界を持つ他社の考え方を大量にインプットすることが有効。多くの本を読んだり人に会って話を聞く。同じように苦しんでいる同期の仲間に悩みを打ち明けても慰め合いになりがち。
以上のように、突き抜ける人に共通する法則は極めてシンプルです。しかし、この法則を理解した上で、実行できるかどうかは話が別です。社会に出て3年で、良い習慣を身につけることが絶対に大切なのです。
ビジネスは価値と価値の交換であり、相手が価値を感じたときにはじめて価値の交換が行われます。この本で伝えようとしているのは、ビジネスで突き抜けるための原理原則ですので、30代からでも40代からでも有効です。しかし、早く身につければ早いほどその後の人生にレバレッジが効くでしょう。