新型コロナウィルス感染拡大における3つのトランスミッションとは? ~ 最後の段階を早く迎えるために

公開日 : 2020年04月09日
最終更新 :

今日読んだ在ニューヨーク日本国総領事館のお知らせの中に、ニューヨーク市のデブラシオ市長のメッセージが記されていました。

「これから先は3つの段階がある。(1)広く感染が拡大する段階(Widespread Transmission)、(2)感染が少なくなる段階(Low-Level Transmission)、そして(3)感染がなくなる段階(No Transmission)である。現在は広く感染が拡大する段階で、最後の段階に至るのは数か月先であろう。(引用)」という内容です。

数か月と聞くだけで気が遠くなるような月日のように感じてしまいますが、なんとか出来るだけ早く最後の段階を迎えることができるよう、これからも「ステイ・アット・ホーム(自宅滞在)」「ソーシャル・ディスタンシング(周囲の人と6フィート/約1.8mの社会的距離をとる)」「マスク(外出時に鼻と口を覆う)」などの基本的なマナーを忘れずに、また、クオモ知事が推進するとしている「NY Loves」政策などをよく読み、自分にも出来ることがあればどうにかして支援していきたいと痛感しました。

Social Distancing.jpg

以下、4月9日付の「新型コロナウィルス関連情報(4月9日)」の全文を引用しますので、皆様にもどうか一読いただけたらと思います。

* * *

【領事窓口の業務日及び受付時間の変更について】

◎在ニューヨーク日本国総領事館では,3月31日(火)より当面の間,以下のとおり領事窓口の業務日及び受付時間を更に短縮しています。

なお,4月10日(金)は休館日となっておりますのでご注意ください。

1 領事窓口の業務日

月曜日,水曜日,金曜日 (除,休館日)

2 受付時間

10:30-13:00(査証申請受付:12:00-13:00)

3 電話受付

月曜日-金曜日(申請中の案件や既に対応中の案件は業務日(月,水,金)にお掛けください。)(除,休館日)

詳細はこちらよりご確認ください。

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

 御不明な点がありましたら当館まで御連絡をいただけますようお願いします。(電話:212-371-8222)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。NY市以外にお住まいの方も含め,これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。

ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

◎NY市の呼びかけ:Face Coverings(外出時に鼻と口を覆うこと)について

ニューヨーク市は,従来から病気の方に対して外出する際にマスクを着用することを勧めていましたが,今般,新型コロナウイルスに感染していても自覚症状がないというような人が感染を広げている可能性もあるとして,感染予防の観点から,ニューヨーク市民に対して,健康な人であっても外出時には紙や布で鼻と口を覆い,他者とは一定の距離(約2m)を保つよう呼びかけています。

 鼻と口を覆うものは,マスクだけに限らず,紙,スカーフやバンダナでも良いとしており,洗えるものは毎日洗濯をし,乾いたものを使用することを案内しています。なお,医療関係者が使用する医療用マスクについては医療資材が不足していることから,使用を控えるよう協力を呼びかけています。

【お知らせ】

明10日(金)午前7時から放送予定のFCIによる在米邦人向けの朝のニュース番組「FCI News Catch!」において、山野内総領事が出演予定です。コロナウイルスの感染が拡大する中で,在留邦人の皆様も不安を抱えて生活されていることと思います。番組内では、山野内総領事から在留邦人の皆様へのメッセージ等をお伝えする予定です。

【州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等については,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(各州)医療物資等の寄付の募集

 NY州をはじめとして当館管轄州では不足する医療物資等について広く寄付を募っています。

工場・オフィス等で備蓄しているマスクやサニタイザーなど,提供可能な医療物資等がございましたら各州政府の特設サイトよりお申し込み下さい。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ

・本4月9日にクオモNY州知事が発信したメッセージの一部は以下の通りです。

[ポイント]

昨日の入院者数(200人)は、3月19日以降最低を記録した。感染率は平坦化しつつありよい傾向であるが、死者数は過去最大の779人を記録した。引き続き、自宅待機や他者との一定の距離を保つことなどの感染拡大防止措置を継続し責任ある行動を取ってほしい。

[メッセージ]

- 本日で、NY PAUSEが施行されてから18日目、NY州で最初の感染者が確認されてから39日目、米国で最初の感染者が確認されてから80日目となった。この80日間で社会が激変した。

- また、ニューヨーク市以外の地域にも徐々に感染が拡大している。その中でも、ロックランド郡、ナッソー郡、サフォーク郡の事態を特に注視している。

- 昨日の入院者数(200人)は、3月19日以降最低を記録した。感染率は平坦化しつつありよい傾向であるが、死者数は過去最大の779人を記録した。引き続き、自宅待機や他者との一定の距離を保つことなどの感染拡大防止措置を継続し責任ある行動を取ってほしい。

- 残念なことに、今日までに7067名の方々が亡くなった。これは、9.11でなくなった2753名の方よりも多い。しかも、このウイルスには爆発はなくサイレントキラーであり、社会を蝕んでいる。

- さらに、1918年のスペイン風邪が第3波まであったことを認識する必要もある。武漢やシンガポールなどで第2波が発生しつつあるというLA Timesの報道もあり、私たちもこの第2波に準備する必要があることも覚えておかなければならない。

- そこで、私たちは「NY Loves」という政策を推進する。州務長官等を中心に、市・政府と連携して、基金・慈善家・チャリティー・寄付などを繋げて、必要なものを必要な人に提供していく。また、なぜこのウイルスがアフリカ系やヒスパニック系の方々に大きな影響を与えているかなどの研究も行う。

- 今まで必要となるベッド数についていくつかのモデルを紹介してきた。(1)コロンビア大学のモデル(3月29日時点)ではNY市だけで13万6千床、(2)マッキンゼーのモデルではNY州で5万5千から11万床、(3)ゲイツ財団助成のIHMEのモデル(4月1日)では州全体で7万3千床必要とされていた。

- 当初、州全体で5万3千床、州南部に3万6千床しかなったため、これら3つのモデルのどれをとってもNY州にとって厳しい予想であった。しかし、その後増床を進めて本日時点では9万床に増加させたとともに、ヘルスケアワーカーの頑張りのおかげで本日時点の入院患者は1万8279人とモデルよりも少ない数字で推移している。ベッドの数については、大学の寮の活用などにより11万床の確保を目指す。

- メンタルヘルスが大きな問題になっていることも承知している。何かあれば1-844-863-9314まで連絡をしてほしい。(https://omh.ny.gov/)

◎(NY市)デブラシオ市長のメッセージ

・本4月9日にデブラシオNY市長が発信したメッセージの一部は以下の通りです。

- 状況は少しずつだが改善をしている。しかし、他者と一定の距離を取ることなどの措置は続けなくてはいけない。もしも適切に距離を取っていない人を見かけた場合は311まで連絡をしてほしい。

- 長期的な視点では、感染の再拡大を避けるためにヘルスケアシステムを守るとともにウイルスに弱い市民を守るといったことなどが重要となる。そのためには柔軟に規制を変えていく。こういった措置は少なくも4月と5月の大半までは続く。

- これから先は3つの段階がある。(1)広く感染が拡大する段階(Widespread Transmission)、(2)感染が少なくなる段階(Low-Level Transmission)、そして(3)感染がなくなる段階(No Transmission)である。現在は広く感染が拡大する段階で、最後の段階に至るのは数か月先であろう。

- 次の段階に移行するために、連邦による支援、特に検査への支援が必要である。また、ホテルを、陽性患者が自宅隔離できない場合の隔離施設として活用するなどの措置も必要となってくる。

- 来週4月13日(月)より毎日3種類の情報を提供する。それらは(1)陽性と判断された患者数、(2)入院患者数、(3)救急治療室で医療を受けている患者数である。これらの数値を見ていただければ皆さんの協力がどれほど効果的かよくわかると思う。

◎ (NJ州)マーフィー州知事のメッセージ

・本4月9日にマーフィーNJ州知事が発信したメッセージの一部は以下の通りです。

- 感染者数のピークはまだ見えないが、他者と一定の距離を保つこと(social distancing)は一定の効果を出している。ウイルスとの戦いにおける最大の武器は他者と一定の距離を保つことであるので、引き続き他者と一定の距離を保つよう努めてほしい。

- 保険料の支払いの猶予期間を延長する行政命令を発出する。本行政命令の概要は以下のとおり。

- 医療(歯科含む)保険の支払い猶予期間を最低60日間延期

- 火災、車両、賃貸、生命保険等の支払い猶予期間を90日間延期

本行政命令の詳細は下記をご確認ください。

◎(PA州)学校の休校措置について

・本4月9日,ウォルフPA州知事は,当面の間休校としていたPA州内の学校について,2019-20年度(academic year)の残りの期間は引き続き休校とすることを発表しました。オンライン学習は継続される場合があるほか,生徒とその家族向けの食事は所定の場所で引き続きピックアップ可能とされています。詳細は以下のサイトでご確認いただけます。

なお,学校関係のFAQは以下のサイトでご確認いただけます。

◎(WV州)ジャスティス州知事のメッセージ

・本4月9日、ジャスティスWV州知事が発信したメッセージの一部は以下の通りです。

- 州内のすべてのゴルフコースにおいて、他者と一定の距離を取ること(Social Distancing)を強化するため、カートには1人(一緒に住んでいる者と乗車する場合は対象外)で乗車することを求める行政命令を発出する。

- 新型コロナウイルスの感染拡大の中、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)や州政府の税務関連機関を装い、納税者に対し、コロナウイルス関連の経済支援を提供するため、手数料の支払いを求めたり、銀行の口座情報等の個人情報を聴取しようとする犯罪が引き起こっている。IRS等、政府系機関がコロナウイルス関連の経済支援を提供するために手数料の支払い等を求めたりすることはなく、また、メールや電話、SNSなどで個人情報等を提供しないよう、州民に呼びかけたい。

◎(DE州)カーニー州知事のメッセージ

・本4月9日にカーニーDE州知事が発信したメッセージの一部は以下の通りです。

- 州の感染者数は1,209人(前日比+273人)、入院者177人、死亡者20人(前日比+4人)と拡大期にある。

- 州民には、可能な限り自宅に留まり、外出する際には他者と一定の距離を取りマスクの着用をお願いしたい。但し、医療用のマスクは最前線で働く医療従事者に優先的に手配したく、一般の方は通常のマスクを着用するようお願いしたい。

- 検査に関し、これまで州内の病院で検査した場合、外部の民間ラボとのやり取りのため10日間ほど検査結果を待たなければいけなかったが、今後は病院内で検査結果を出せるよう検査方法を変える予定で、3から5日で検査結果が判明するようになる。将来的には、検査当日に検査結果が判明するようにしたい。

◎(DE州)税務申告の期限延長について

・先週、デラウェア州税務署は、新型コロナウイルスへの対応のため、特定の個人及び法人所得税の税務申告と支払の期限を7月15日まで延長すると発表しましたが、この措置は、4月15日が締切であった法人所得税の仮申告、4月30日が締切であった個人所得税の確定申告ならびに個人所得税の予定納税、および信託所得税申告に適用されます。他方、4月中に期限が来る全ての州税および手数料の申告および支払いの提出期限を延長しているわけではないことにご留意ください。詳細はご自身で下記のウェブサイトからご確認ください。

◎(DE州)州立公園、自然保護区の規制強化

・本4月9日、デラウェア州内の州立公園や自然保護区での規制が強化されることが発表されました。公園内のトイレは閉鎖されます。また、利用者は公園内の滞在時間を短くするよう求められます。

◎中小企業支援関連情報

・各州等の中小企業支援に関する情報は以下をご覧ください。

【感染,予防等に関する情報】

1 4月8日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:感染者数  159,937名(149,316名),死者数 7,067名(6,268名)

・感染者数内訳(主なエリア)

ニューヨーク市:感染者数   87,028名(81,803名),死者数 5,150名(4,571名)

NY市の内訳

クイーンズ区:         27,752名(26,248名)

ブルックリン区:        23,394名(22,082名)

マンハッタン区:        12,106名(11,504名)

ブロンクス区:         17,792名(16,626名)

スタテン島区:          5,984名( 5,343名)

ウエストチェスター郡:     17,004名(15,887名),死者数 389名(340名)

ナッソー郡:          20,140名(18,548名),死者数 778名(701名)

サフォーク郡:         17,413名(15,844名),死者数 369名(326名)

ロックランド郡:         6,665名,死者数 117名

○ニュージャージー州:感染者数 51,027名(47,437名),死者数 1,700名(1,504名)

○ペンシルベニア州: 感染者数 18,228名(16,239名),死者数 338名(309名)

○デラウェア州:   感染者数  1,209名( 1,116名),死者数  20名( 16名)

○ウエストバージニア州:感染者数   523名(   483名),死者数   5名(  4名)

○コネチカット州フェアフィールド郡: 感染者数   4,882名(4,136名),死者数 178名 (132名)

○プエルトリコ:   感染者数    683名(   620名),死者数   33名( 24名)

○バージン諸島:   感染者数     46名(    45名),死者数1名( 1名)

2 在留邦人の皆様におかれては引き続き関連情報に注意して予防に努めてください。

当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しました。予防措置,各州等HP(ホットライン)及び日本の関連情報等を掲載しているのでご参照ください。

新型コロナウイルス関連情報:https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html

3 当館領事窓口のご利用にあたっては,感染リスクを少しでも軽減するため,体調がすぐれない方におかれましては,体調が回復されてから来館いただきますようお願いいたします。皆様のご理解とご協力につきまして,よろしくお願いします。

 ▪   ▪   ▪

【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

【地球の歩き方】では、2013年から、ワシントンDC周辺はじめアメリカ各地の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けしています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。