「先生により無理やり動かされた」の「より」 教えて!goo 辞書 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【22】 
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971566092&owner_id=5019671 

mixi日記2020年01月18日から 

 元々のテーマサイトは下記。 
【品詞を教えてください】2020/01/13 
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11444461.html 
===========引用開始 
「より」の品詞を教えてください。先生により無理やり動かされた。の場合の「より」 
成績が上がったのでより勉強した。の「より」 
お願いします。 
===========引用終了 

 回答が2対2に分かれた。 
 当方はNo.1の回答を見て「そうでしょうね」と思った。しばらくしてから見ると、反対意見が2つもついているので驚いた。1人はSF文法で有名なおかたなんで、また新説かとも思った。 

 質問者の反応もよくわからない。全部に同文の定型文を返して、何をどう理解したのか。 
 こういう質問者は放置するか、何もわからないまま最初か最後の回答をBAにすることが多い。 
 よくわからないので、後追い質問をしてみた。 

【品詞を教えてください その2】 
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11449142.html 
===========引用開始 
下記の続きです。 
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11444461.html 

 前問では5つのコメントが入りました。人数で見ると4人。 
「先生により無理やり動かされた」の「より」について、2対2に分かれたようです。 

 どちらの考えが正しいのでしょうか(この場合は「正しい」でいいんですよね)。 
===========引用終了 

 No.1に訂正コメントが入る。 
===========引用開始 
これは、先に格助詞と回答しましたが、単純な勘違いで、動詞「よる」の連用形「より」の連用中止法です。 

「に」が格助詞で、格助詞の重用は基本的にありえず、この場合は動詞になります。■ 
===========引用終了 
 あのさぁ。訂正するなら、前問にしないと意味がないでしょう。当方の質問がなかったらシカトするつもりだったのだろうか。こういうふうにデマを断定的に書く人は多い。質問者が騙される例もよく目にする。 
 しかも「単純な勘違い」ですか。こういうのは居直りと言うのでは。 
〈動詞「よる」の連用形「より」の連用中止法です。〉ですか。 
 No.4で、「それも違う」というコメントが入った。たぶん、「連用中止法」ではないと思うけど、またシカトするんだろうか。 
  
 それより興味深かったのは辞書の記述。 
 前問の単なる勘違いコメントは下記のとおり。 
===========引用開始 
先生により無理やり動かされた。の場合の「より」は手段・方法を表わす格助詞。 

成績が上がったのでより勉強した。の「より」は、動詞「した」の程度を表わす、程度副詞です。 
■  
===========引用終了 
「格助詞」にもひっかかったけど、「手段・方法を表わす」も疑問。 
 格助詞「より」の広く知られる用法は「起点」と「比較」と思ったけど「手段・方法」って……? 
 辞書をひいてみた。 
 同じようなものなので、『大辞泉』をひく。これだと「補説」に重要なことが書いてある。 

https://kotobank.jp/word/%E3%82%88%E3%82%8A-655098 
===========引用開始 
より[格助] 

[格助]名詞、活用語の連体形、副詞、一部の助詞などに付く。 
1 比較の標準・基準を表す。「思ったより若い」「以前より腕があがった」 
「おなじ程、それ―下﨟(げらふ)の更衣たちは、まして安からず」〈源・桐壺〉 
2 ある事物を、他との比較・対照としてとりあげる意を表す。「僕より君のほうが金持ちだ」「音楽より美術の道へ進みたい」 
「その人、かたち―は、心なむまさりたりける」〈伊勢・二〉 
3 (打消しの語と呼応して)それに限定するという意を表す。「そうするよりほかはない」「狭いが、ここで寝るよりしかたがない」 
「ひとりの娘―ほかにやるものがござらぬ」〈浮・胸算用・二〉 
4 動作・作用の起点を表す。…から。「午前一〇時より行う」「父より手紙が届いた」「東より横綱登場」 
「うたたねに恋しき人を見てし―夢てふものはたのみそめてき」〈古今・恋二〉 
5 事柄の理由・原因・出自を表す。…がもとになって。…から。…のために。 
「百薬の長とはいへど、万(よろづ)の病は酒―こそ起これ」〈徒然・一七五〉 
6 動作の移動・経由する場所を表す。…を通って。…を。…から。 
「木(こ)の間(ま)―もりくる月の影見れば心づくしの秋はきにけり」〈古今・秋上〉 
7 動作・作用の手段・方法を表す。…によって。…で。 
「他夫(ひとづま)の馬―行くに己夫(おのづま)し徒歩(かち)―行けば見るごとに音(ね)のみし泣かゆ」〈万・三三一四〉 
8 (活用語の連体形に付き)ある動作・作用のあと、すぐ別の動作・作用の起こる意を表す。…とすぐ。…と同時に。…や否や。→から →ゆ →ゆり →よ →よりか →よりも 
「三里に灸(きう)すうる―、松島の月まづ心にかかりて」〈奥の細道〉 
[補説]古語ではかなり広く種々の意味に用いられたが、現代語では、比較の基準を表す用法が主で、その他の用法は、中世末ごろから「から」「にて」「で」などに譲っている。なお、4は、多く書き言葉や、改まった言い方に用いられる。 
===========引用終了 

「1」と「2」を分ける必要があるのだろうか。 
〈現代語では、比較の基準を表す用法が主〉は、そのとおりだけど、この書き方だと〈比較・対照〉は主ではなくなる。これは、「2」の〈比較・対照〉は、「1」に含まれるってことでは。 
 あと、〈動作・作用の起点〉の〈4は、多く書き言葉や、改まった言い方に用いられる〉とのこと。 
「7」に〈動作・作用の手段・方法〉とある。ただ、例文は古いものしかない。やはり現代ではほとんど使われないのだろう。なんだかなぁ。

 

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