水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

水面に揺れる朱い月がとうとう灯って

2020年05月31日 18時28分16秒 | エッセイ

 愛ある身を浮かべて
 あなたとふたり午後にたゆたう
 浮見堂

 海上を渡る曲線上のロマンス

 ここはまるで愛い秘境
 揺れる平面上にやっと開いた、今年の華

 あなたと漏らす吐息
 あなたと歩く朱い道

 まるで海に浮かべた一枚の絵画のような
 あなたの瞳に映る朱い四阿

 この海の上を渡る橋のように
 僕とあなたの心を繋いでくれ

 海を漂う憂き身のように
 寄る辺なく生きてきたこれまでの寂しさの青を思えば
 今二人で歩く下で揺れる青は瑞々しい出会いを表す青

 ふいに君は言う
 くちのなかでほろっと溶けるお菓子をどう?

 まるでこの場所で
 初めて出会ったような会話を交わし
 午後の優しく涼しい風を受け

 遠い銀河からは見えているのかな?
 ふたりで過ごすこの朱い時間と風景は……
 なんて妄想を飛ばし

 きっと
 手と手を携えて
 憂き身を支え合うように
 笑い合いながら
 潮風を乗りこなしつつ
 あなたと往く
 憂き身道

 ウキウキしながら
 跳ねて歩いた
 浮き身道

 あなたとここでまた出会いました
 ゆらゆら揺れる浮見堂

 ここで二人で月見堂
 今後も一緒に付き人
 ついに認めた愛い人
 昏い夜景につい避航
 暗い彼方へつい飛行
 比翼連理と思い定め
 ここで会ったが千年先の向こう
 忘れ路の旅と愛でましょう

 罪深きこの身を
 浮き身を重ね合わせて
 この朱い月の上で
 互いの身体を愛でましょう

 青く吹き過ぎる海風は
 ふたりの頬の微熱を冷ます
 ほてった身体を絡ませるように
 四角形のこの月は
 ふたりの秘めた思いを露わにさせる
 透き見島

 ここらで一振り白砂糖
 ここは所謂陸の孤島
 覚めても聞こえる夢の音

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