突然ですが、僕はいしだあゆみさんが大好きです!(笑)。

 

今、いしださんは、倉本聰さんが脚本家人生で初めて通年放送という長丁場に挑んでいる、テレビ朝日開局60周年記念帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」(月~金曜日・午後0:30〜0:50)に「やすらぎの郷」入居者の元女優・中川玉子として出演中です。

 

「やすらぎの刻~道」は、テレビ朝日が設けたシルバー向けの新・帯ドラマ枠『帯ドラマ劇場』の第1作として2017年4月期・7月期の2クールにかけて放送された『やすらぎの郷』の続編です。

 

僕は『やすらぎの郷』を第一回目から最終回まで、録画して全話観ました(笑)。面白かったですよね〜。

 

「やすらぎの刻~道」も第一回目から欠かさず観てます〜。

 

『やすらぎの郷』は、俳優や歌手、ミュージシャン、脚本家などの昭和世代にテレビの世界で活躍した人物だけが入居できる、東京近郊の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ)」を舞台に、“家族の絆”・“友情”・“愛情”・“死”などをテーマに、現在のテレビの在り方に対する批判も盛り込み、ユーモラスかつシリアスに描かれたドラマでした。

 

その続編が製作されると聞いた時に、僕は新たなキャストとして「いしだあゆみ」さんが必ずキャスティングされるだろうと感じていました。

 

倉本聡さんが書かれた作品で,いしださんはとても印象深い役を演じてこられていたからです、

 

1981年10月9日から1982年3月26日まで毎週金曜日22:00 〜22:54にフジテレビ系で放送された『北の国から』では、田中邦衛さん演じる五郎の妻で、純と蛍の母・令子を演じてらして、ドラマの序盤で亡くなってまい、出演シーンは少ないのですが、とても深い印象を残されていました。

 

映画では、倉本さんの脚本、降旗康男さんが監督し、高倉健さん主演の『駅 STATION(1981年)』です。

 

映画の最初のシーンです。高倉さん演じる警察官の英次は、雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子(いしだあゆみさん)と、4歳になる息子・義高に別れを告げるのです。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するのですが、その目には涙が溢れているんですね〜。

 

セリフなんかないんです。短いシーンなんですど、憎み合って別れるんじゃない、警察官としての苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ責任を全うしたい夫のために身を引いた女性の悲しみを、いしださんはその敬礼姿に全て表現されていて、素敵だなと思います。

 

1986年10月10日に公開された、倉本聰さん脚本、初監督映画『時計 Adieu l'Hiver』も印象的です。

 

グルノーブルオリンピックで、アイスホッケーとフィギュアスケートの日本代表選手だった両親を持つ少女(中嶋朋子さん)の、9歳から14歳までの5年間を描いたドラマです。いしださんは中嶋さんの母・早見令子役でした。

 

だから僕は倉本さんって、いしだあゆみさんが大好きなんだろうって勝手に思っていたんです(笑)。

 

なので『やすらぎの刻~道』が始まって、僕はいしだあゆみさんはどんな役柄なのかと楽しみにしていました。

 

でも、いしださん演じる中川玉子は、大女優・桂木怜子(大空眞弓さん)の世話係という立場で登場し、あまり出番も多く無く、特にエピソードもなく、これまでそのプライベートは描かれなかったんです。

 

せっかく、いしだあゆみさんをキャスティングしたのに、この扱いは何?ひどいよ倉本さんと僕はずっと思っていました。

 

すると10月頃でしたか、吉岡秀隆さんが「やすらぎの刻~道」でいしだあゆみさんと母子再会シーンを熱演!というニュースがネットに流れたのです。

 

嬉しかったですね〜(笑)。

 

吉岡さんの出演のきっかけは今年の夏、吉岡さんが倉本さんと過ごした“富良野の夜”にあったといいます。

 

「実は、約10年ぶりに富良野にいる先生を訪ねてお酒をいただいたんです。で、少し長めの旅を終えて東京に帰ってきたら、“こういうこと”になっていて(笑)。先生の脚本が本当に素晴らしくて、かつ僕のことを考えながら書いてくださったことがとても光栄で、本当にうれしかったですね」と吉岡さんはおっしゃっていました。

 

吉岡さんは、2002年の「北の国から2002 遺言」以来、久しぶりの倉本作品への参加でした。

 

『やすらぎの郷』で起こったある深刻なトラブルを解決するため、大物フィクサー(宝田明さん)とかつてかかわりがあった玉子(いしだあゆみさん)が折衝役を担うことになります。そして、実は若かりし頃、玉子はそのフィクサーとの間に息子・誠(吉岡秀隆さん)をもうけていたことが明らかとなるのです…

 

吉岡さんとの再会で「牧田誠」という人物を新たに想起した倉本氏さんは、すでに脱稿していたシナリオに手を加え、2話分のストーリーを一気に執筆したそうです。吉岡さんは、「誠という人間の過去にいったい何があったのか、さらにはあゆみさん演じる母・玉子との関係性まで、あれだけの分量の中で見る人の想像をかき立てるところが素晴らしい。読んでいて鳥肌が立つほどでした」とシナリオに感動したことも語ったいました。

 

今回、倉本さんが新たに追加したシナリオには、11ページにも及ぶ玉子と誠とがお互いの境遇を語り合う長尺シーンが設けられました。

 

1996年公開の山田洋次監督の映画『学校II』以来となったいしださんとの共演について吉岡さんは「いやもう、ただただしびれました!だって、あゆみさんは、僕の俳優人生のバックボーンにいる大切な存在“黒板純”の、大好きなお母さんですから…! やはりいろいろな思いがこみ上げましたね。どう芝居をぶつけても受け止めて返してくださるので、やっぱりあゆみさんはスゴイ」また、「すでに出来上がっているチームを乱さないようにという思いと、ちょっとは乱したいなという相反する思いが胸にありました」と静かなる“闘志”を秘めて臨んだと言います。「皆さんに倉本作品はひと味違うぞっていうことを改めて感じていただけたらうれしいですね。いや、ひと味もふた味もです(笑)」とアピールしていました〜。

 

その回が、今月の11日、12日に放送されたのです。

 

いやぁ〜、感動しました〜(笑)。

 

二人が、コーヒーショップで向かい合っているだけで、何だか胸が熱くなってきて、凝ったセリフや演出などない、とてもシンプルな設定なのに、二人が今まで歩んできた、過去や人生が、口にしなくても滲み出てくるようで、名優とはこう言う人を言うのだと改めて思いました。

 

いしだあゆみさんはいつも僕の目頭を熱くさせてくれる女優さんなんです。

 

紅白歌合戦に10回出場された大歌手であったいしださん。

 

女優になられてからでも、ドラマでは、松本清張シリーズ・最後の自画像(1977年)、阿修羅のごとく(1979年・1980年)、価格破壊(1981年)、但馬屋のお夏(1986年)、ドラマ人間模様 事件(1979年)、冬の運動会(1977年)、源氏物語(1980年)、金曜日の妻たちへ(1983年)、金曜日の妻たちへIII 恋におちて(1985年)、大奥(1983年)、悪魔の手毬唄(1993年)

 

映画では、日本沈没(1973年)、青春の門 自立編(1977年)、闇の狩人(1979年)、遠い明日(1979年)、駅 STATION(1981年)、男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982年)、野獣刑事(1982年)、迷走地図(1983年)、積木くずし(1983年)、夜叉(1985年)、火宅の人(1986年)、姑獲鳥の夏(2005年)などなど

 

代表作を数々お持ちです。

 

どの作品も僕の多感な時期を豊かに彩ってくれた名作ばかりです。

 

いしだあゆみさんて、凄い女優であり、歌手だったんだよって今日は言いたかったんですよ〜。