詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩 三月

2020年02月27日 | 犯罪
二月から三月へかけては
北海道の子供時代に
いちばん好きだった季節だった

二月も終りになると
それまでスキーで学校へと通ってたのが
歩いて行けるようになる

待ちに待った凍雪の季節が
とうとうやって来たんだと
あれこれ予定を立てていた子供時代

近所の山で兎の罠を仕掛けたり
昼間の太陽で溶けた雪面が深夜凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いてゆける季節だった

山奥深くでのザリガニ採りやヤマメ釣り
オンコ(イチイ)の樹を採りに行ったり
今年はどこの源流や名もない湖を
探険しようかなと夢想していた三月

雪解けの森のあちこちかは
もう花開きはじめた福寿草やカタクリや
エゾエンゴサクの青への風のかぐわしさ

あの頃の君の言葉がふっと風の中に蘇るときがある
スウェーデン映画「まるで犬みたいな人生」みたいに
雪道の帰り道で
「あんたなんか大嫌い」という君の口許を
じっと見つめて立ち尽くしてたぼく

「大嫌い」というのは
「大好き」の究極の表現だと
知ったのはつい最近のこと


最新の画像もっと見る

コメントを投稿