涸沼と筑波山
今日も晴れて暖かかった。
元小さい人に食料などを差し入れに出かけた帰り道、ふとヒマラヤ松のことを思い出し、涸沼湖畔にある親沢公園に立ち寄った。
この公園には予約制でキャンプも出来るスペースがあり、暖かくて穏やかなこの連休を、絶好のコンディションに恵まれたキャンパーたちが、ゆったりとした時間を楽しんでいた。
本命のヒマラヤ松の松ぼっくりを探すも、崩れた欠片を目にしたばかりで、お目当てのものは見つからない。
あまりにそれにこだわっていると、せっかくの夕日の美しさをも逃してしまうので、湖畔へと気持ちを切り替える。
刻一刻と変わる夕日の美しさに圧倒されながら、シャッターを切り、もちろん肉眼でもしっかりと心に刻み込んだ。
暖かくやさしい光の移ろいは、すべてのものを美へと盛りたてる。
しかし、この美しさは、誰にでも等しく開かれているけれど、自ら強く主張しない、受け取ろうと心を向けたものだけが受け取ることの出来るものだ。
たち現れては儚く消える、この流れ往く美しさに、流れ星を見るときと同じような心持になって、きゅうっと胸が痛くなる。
切ないから、こうして時を切り取ってみるしか出来ないけれども。
シダーローズ