条件付き航海で離島上陸。ゆり丸、さるびあ丸、ジェット船乗継ぎ旅【日帰り 鉄道&離島航路の旅2】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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(前回ブログの続き)

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(横揺れしながら利島を目指す貨客船ゆり丸)

※本記事は、今から数年前の記録のため、現在と情報等が異なる場合があり得ます。


撮影:2014年(平成26年)12月7日(日)
スマートフォン撮影




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伊豆半島の下田港(静岡県)を午前9時20分に出航した伊豆諸島開発所属の貨客船「ゆり丸」は、一路、利島(としま)を目指す。



本来、当該航路は、神新汽船(しんしんきせん)の航路であり、通常は同社の船舶が就航しているが、
乗船当時(2014年(平成26年)12月7日(日))は、
ちょうど同社の貨客船「あぜりあ丸」が引退(同年11月18日(火))し、後継船「フェリーあぜりあ」の就航(同年12月18日(木))前で、運行できる船舶不在の空白時期。
そのため、代船として、神新汽船と同じ東海汽船グループの伊豆諸島開発所属の貨客船「ゆり丸」が約1ヶ月の長期にわたり神新汽船に貸し出され同航路に就航



 正面に見える三角の島が、これから向かう利島(としま)
本土から一番近く伊豆諸島最大の島・伊豆大島のすぐ隣にありながら、観光客はほとんど訪れない秘境の離島・利島



伊豆諸島を遠望。すべて東京都に属する。
正面には三角の利島(としま)、そのすぐ右の小さな三角の島は無人島の鵜渡根島(うどねじま)、その右側の細長い島は新島(にいじま)。



後ろを振り向けば、伊豆半島が遠ざかる。



「ゆり丸」右舷の外部デッキから前方を望む。


この日の海況は約2.5mのうねり。
右後方からのうねりの影響で、「ゆり丸」は横揺れ(ローリング)を繰り返す。
船首にデリック型クレーンを装備した貨客船。



右舷外部デッキから後方を望む。



左前方には、伊豆諸島最大の島・伊豆大島
2月の椿まつり期間中や夏季などは観光客で賑わう島。



後部デッキから右舷側を望む。動揺しながらの航海。



後部デッキから後方を望む。
太平洋の大きなうねりの影響で、小さな貨客船「ゆり丸」は横に動揺しながらの航海。



遠ざかる伊豆半島



目指す利島は近い。



この日の「ゆり丸」は、下田港を出航後、利島(としま)→新島(にいじま)→式根島(しきねじま)→神津島(こうづしま)の順に島に寄港し、所要約7時間かけて夕方に下田港に戻る。日によって寄港する島の順番が異なる。

神新汽船航路では、途中の島で下船せず、朝、下田港から乗船し、島々を巡り、そのまま夕方下田港まで乗り通す「ワンデークルージング」 乗船もできる。
ただし、船内には食堂や弁当販売等もないので、乗船前に飲食調達は必須。




最初の寄港地・利島が近づく。
利島村は人口僅か300人超の小さな村。島の大部分は椿の木で覆われ、砂浜はなく島の周囲は断崖絶壁。



港内に入り込むうねりの影響で、この日の利島寄港は「条件付き」。すなわち、港に接岸できない場合は抜港(欠航)となり、利島に接岸せず、下船できないまま次の島に向かってしまう。
ちなみに前日は、東海汽船・神新汽船ともに利島は全便欠航。また、この日も朝の下り東海汽船さるびあ丸は利島欠航。

島が近づくと、うねりの影響でかなり船は横に動揺。入港準備で、船首の倉庫の扉が開く。




利島は目の前。果たして接岸できるか?



島の大部分が椿の木に覆われた利島。釣り客や地元客ぐらいしか下船しない小さな離島。



太平洋に突き出た桟橋。海が荒れれば、船が接岸する桟橋にも直接波やうねりが激しく打ち付ける。



船のロープを岸壁に括りつける。括りつけた後でも、船が大きく揺れ接岸不可能と船長が判断すれば、ロープを外し接岸を諦める場合もある。



この日は、船は揺れながらも、なんとか接岸成功




午前10時55分、利島(としま)港に無事到着。
ここで下船。利島下船者はたったの2、3人。



動揺しながら停泊する「ゆり丸」。船首ではクレーンを使い荷揚げ作業中。



利島は、島に港が一つしかなく、桟橋が太平洋に直接突き出ているため、船の欠航率が高く、なかなか上陸困難な島。特に季節風(北西風)で海が荒れる冬季は欠航率が高い。



神新汽船船舶不在時の代船「ゆり丸」の船尾。

伊豆諸島開発所属の船「ゆり丸」は定期航路を持たない予備船的な船。神新汽船の代船として運行するときは、伊豆諸島開発の船に気軽に乗れる貴重な機会。
なぜなら、伊豆諸島開発所属の船は、普段は小笠原諸島(ははじま丸)や伊豆諸島最南端の有人島・青ヶ島(あおがしま丸)まで遥々行かなければ乗ることができないからである。




カーフェリー化が進んだ日本で数少ない従来型の貨客船であり、普段は定期船としての運用がない「ゆり丸」。滅多に乗船できない稀少な船のため、船の愛好家には隠れた人気がある。



桟橋の左向こうには伊豆半島、右前には伊豆大島。





利島での停泊時間は僅か5分程度。荷役作業を終えるとすぐに出港。







次の寄港地・新島に向け出港する「ゆり丸」。
この日は晴れて空気も澄んでいるため、伊豆半島がよく見える。



南に進路を変える「ゆり丸」



この日は、利島から先は向かい波(うねり)の航海になるため、さらに揺れながらの航海。



ほぼ貨物船同様の船に乗れる機会は、現代の日本では数少ない。



去っていく貨客船「ゆり丸」



北側には伊豆大島がくっきりと。



桟橋の付け根に船客待合所がある。
島の集落は山の中腹に点在。



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昼12時45分頃、東海汽船「さるびあ丸」が利島に入港。

東海汽船を代表する大型貨客船「さるびあ丸」。
総トン数4992トン、全長120m、全幅15m、旅客定員816名、コンテナ積載30ケ。
長年伊豆諸島航路で活躍してきたが、2020年(新元号2年)6月頃に引退予定。




「さるびあ丸」は、午前10時30分に神津島を出港し、式根島、新島、利島、大島、横浜を経由し、東京竹芝桟橋に19時45分頃到着予定。



うねりが入り込む狭い港内でぐるりと向きを変え接岸作業に入る「さるびあ丸」。
狭く揺れる離島の港内における、東海汽船の大型貨客船の操船技術は素晴らしい。





無事接岸。利島には僅か5分しか停泊しない。接岸中も船は揺れている。ここ利島からの乗船客は数名程度。



利島港から、東海汽船「さるびあ丸」東京行きに乗船




東海汽船の大型貨客船 さるびあ丸、昼12時50分に利島(としま)港を出港



ゆっくりと岸を離れる。



太平洋に直接突き出た利島港の桟橋。うねりが入り込んでいる。



「さるびあ丸」は大型貨客船のため、
先ほどまで乗船していた小型貨客船「ゆり丸」と違い、揺れは殆ど感じられない。



ゆっくり利島を離れ、



前方に見える伊豆大島を目指す。



東海汽船のAデッキにある広い甲板。
「さるびあ丸」は、夏季に運行される「東京湾納涼船」の運用もこなす船。



夏季の夜は「東京湾納涼船」にもなり、広い甲板には模擬売店がたくさん出店し、船内ステージも設けられイベントショーが毎晩行われ、大勢の人々で賑わう。




Aデッキの船尾。利島がだんだん遠ざかる。



「さるびあ丸」は、大型船である上、横揺れ防止装置であるフィンスタビライザーが設置されているため、殆ど動揺もなく穏やかな航海。



最上階のデッキと、煙突(ファンネル)



前方には船橋(ブリッジ)



最上階デッキの後部は、立ち入りできない。



「さるびあ丸」船内案内図。自動車を積載するカーフェリーではないため、船底まで客室がある。日本全国の大部分の主要航路がカーフェリー化した現代では稀少な従来型の貨客船。



Cデッキ後部にある食堂(レストラン)



食堂内部



食堂は食券制。豪華長距離フェリーと違いこじんまりとした雰囲気が、離島航路の客船らしい。





たぬきうどんなど、庶民的メニューが揃う。メニューの品数は多くない。





再び外部デッキへ。

後方には伊豆諸島(利島、鵜渡根島、新島)がほぼ一列に重なって見える。
右側にうっすら見える島は、乗船中の「さるびあ丸」始発の島・神津島。



太平洋上の航跡



左舷には伊豆半島。
船が北上するにしたがい曇り空に。



伊豆半島の山々。天城(あまぎ)連山(中央)や大室山(右側)を遠望。



伊豆大島が近づいてきました。
島の玄関口は、行政機関などが集まる島の西側の元町(もとまち)地区になるが、
この日は西からうねりが元町港内に入り込み、元町港の桟橋の状態が良くないため、島の北側にある岡田港に向かう。



伊豆大島の街の中心・元町を通り過ぎる。



島の北側にある岬「乳ヶ崎(ちがさき)」



伊豆大島の乳ヶ崎をまわり込み、岡田港へ。





西側に岬がある岡田港は、西側からの波やうねりが遮られ、波穏やか。



季節風(西風)が強い冬季は、船は岡田港に入港することが多い。



「さるびあ丸」は、伊豆大島・岡田港への接岸作業



桟橋には、「さるびあ丸」に積載するコンテナ




伊豆大島 岡田(おかだ)港に14時10分到着
今回は東京まで乗船せず、ここ伊豆大島で下船し、別の船に乗り換え。


伊豆大島から東京・横浜に帰る大勢のレジャー客が、列をなし乗船を待つ。



「さるびあ丸」の丸い船尾。カーフェリーではないので、自動車を積載する無骨なランプウェイもなく、美しい船形。





東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド虹」が伊豆大島岡田港に入港。高速ジェット船は現在の東海汽船の主力。







もう一隻、高速ジェット船「セブンアイランド愛」も停泊中。大型貨客船「さるびあ丸」と比較するとかなり小さな船体。



高速ジェット船は速度は早いが、船体が小さいため、海が荒れる冬季は就航率が下がる。



伊豆大島・岡田港に停泊中の東海汽船の船たち。
前方から大型貨客船「さるびあ丸」、高速ジェット船「セブンアイランド虹」、「セブンアイランド愛」。



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伊豆大島からは、高速ジェット船「セブンアイランド虹」に乗船。

14時35分、伊豆大島 岡田港を出港




伊豆大島14時30分発の大型貨客船「さるびあ丸」も、ちょうど横浜(大桟橋)・東京(竹芝桟橋)へ向け出航。



高速ジェット船の船内。高速走行であり、太平洋上は大型海洋生物(クジラなど)との衝突危険海域もあるため、安全上原則シートベルトを着用。



時速約80kmで高速翼走



左舷側に神奈川県の三浦半島が近づいてくる。
高速ジェット船は、太平洋から東京湾へ。



乗船中の高速ジェット船「セブンアイランド虹」は、久里浜港(神奈川県横須賀市)に寄港。




久里浜(くりはま)港、15時35分到着


ここで下船





東海汽船の久里浜港着岸場所は、
久里浜港と房総半島の金谷港(千葉県)を結ぶ東京湾フェリー着岸港に隣接。発券窓口は東京湾フェリーと同一建物内。


かつては、2月の伊豆大島椿まつり期間中は、東海汽船の大型貨客船「かめりあ丸」(既に引退)を使用した臨時便が、日中、久里浜~伊豆大島を往復していた時期もあった。


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久里浜港から、バスで駅へ🚌

久里浜には、JR横須賀線の「久里浜駅」京浜急行電鉄の「京急久里浜駅」がある。
京急久里浜駅は街の中心にあり、JRの久里浜駅は京急久里浜駅の裏手の寂しい場所に立地。




JR横須賀線で帰宅の途につく。

横須賀線用のE217系電車。2階建てグリーン車も2両連結。







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(終わり)