引退へカウントダウン… 大正・昭和・平成・令和を走り抜いた古豪電車【終焉迫る琴電レトロ電車④】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


※撮影日:2019年(令和元年)9月15日(日)



高松琴平電気鉄道(琴電)・琴平線
羽間(はざま)駅

ここから電車で琴電琴平駅に戻る。

やってきたのは1080形。元 京浜急行電鉄(京急)初代1000形。

午後12時55分、羽間駅を発車

かつての京急電車の特徴だった大きな窓に、大きな日除けロールカーテン

後部乗務員室

昭和時代の、ツーハンドルのアナログ運転台


昭和35年東急車輛製。製造から59年経つ電車。






13時02分、琴電琴平(ことでんことひら)駅に到着

1080形の車内。

かつて京急で活躍していた時代とさほど変わらない懐かしい車内

かつての京急の特徴だった大きな窓と、大きな片開きドア

乗務員質疑の後ろ


車端部。妻面にも大きな開閉窓がある。



琴電琴平駅1番線ホームに停車

折り返し、普通列車 高松築港行きになる。

1面2線で頭端式の琴電琴平駅ホーム。



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琴電琴平駅2番線には、毎月1度だけ臨時列車として運行する、吊り掛け駆動式のレトロ電車が発車待ち

復路は、5000形500号に乗車。
経済産業省の近代化産業遺産になっている。

500号車内の製造銘板。昭和5年加藤車輌製作所で製造。



旧型レトロ電車の運転台

乗務員室内の貫通扉

内側塗装の乗降用ドア

レトロ電車の車内。乗車券だけで乗車できる。

網棚を支える柱には装飾が施されている。


冷房はない。暑いときは扇風機がフル稼働。




琴電琴平発・高松築港行き臨時レトロ電車、13時19分に琴電琴平駅を発車

乗車日のレトロ電車時刻表≪琴電ホームページより≫


1200形電車と交換

滝宮(たきのみや)駅では6分間停車

乗客はそれぞれ写真撮影等のため、大勢ホームに降り立つ。

とても趣のある古い木造駅舎

駅舎は、1926年(大正15年)に琴電の前身・琴平電鉄が栗林公園~滝宮駅間で開業した当時より使用され続けており、近代化産業遺産に認定。

レトロな駅舎内

改札口


発車を待つ動態保存レトロ電車

この日の編成は、高松築港方から、300号+23号+500号。
もう一両120号が動態保存されているが、この日は別途貸切運転しており、途中駅でレトロ電車同士がすれ違った。


吊り掛けモーターを唸らせながら、晴れ渡った讃岐平野を走る。

岡本(おかもと)駅辺りの溜池





一宮(いちのみや)駅。
向こうには、前身である京急初代1000形リバイバルカラーの1080形電車。



仏生山(ぶっしょうさん)駅では4分間停車

京急2100形をモデルとし全面ラッピングを施した1080形電車


1200形電車と交換




栗林公園(りつりんこうえん)駅を過ぎ、
JR高徳線の高架下をくぐる。



瓦町(かわらまち)駅。向こうは琴電長尾線電車。

琴電の一大ターミナル駅・瓦町駅、
琴電長尾線や志度線乗り換え駅。



瓦町を過ぎると、高松築港駅まであと少し。


車窓右側に高松城(玉藻公園)が見えてくる。


電車は、お堀のすぐ脇を走る。





右に大きくカーブ



高松駅前の高層ホテルなどが見えてくる。




14時36分、終点の高松築港(たかまつちっこう)駅に到着

レトロ電車が高松築港駅まで乗り入れるのは、この日の臨時運行がラスト。
2019年(令和元年)10月の臨時運行から、仏生山~琴電琴平間の運転に短縮。
四国の県都・高松の街や、琴電一のターミナル駅・瓦町に乗り入れるレトロ電車の勇姿を見られるのは、この日が最後。

高松城(玉藻公園)に隣接する高松築港駅

定期列車の合間をぬって走る臨時列車であり、ダイヤが過密なため、到着後、僅か2分で高松築港駅を去る。
14時38分、仏生山車庫へ向け回送される。





レトロ電車が去った後、すぐに高松築港駅1番線ホームには、折り返し琴平線 一宮行きが入線


3番線ホームには折り返し長尾線 長尾行きも入線

高松築港駅改札口

駅前の芝生から高松築港駅ホームを眺める。


引退迫る高松琴平電気鉄道の4両の動態保存レトロ電車。
4両の動態保存車両は、20形23号車(大正14年製造・元 近鉄電車)、1000形120号車(大正15年製造・琴電生え抜き)、3000形300号車(大正15年製造・琴電生え抜き)、5000形500号車(昭和3年製造・琴電生え抜き)。
大正・昭和・平成・令和の4つの時代を駆け抜けたレトロ電車は、引退へのカウントダウン。
最も古い23号は、営業路線を走行する現役電車として日本最古。
まず最古の23号は、2020年(令和2年)ゴールデンウィーク後にさよならイベントを実施し廃車となる。500号は同年秋のシルバーウィーク後のイベントを最後に廃車。120号と300号は2021年(令和3年)のゴールデンウィークと、その後のさよならイベントで廃車。
動態保存レトロ電車の引退理由は、①他の営業用車両も老朽化しており、保守コスト増大と人手不足、②仏生山駅周辺の複線化計画による用地不足のため車庫にレトロ車両の保管スペースが確保できないから、とのこと。
廃車後300号だけが作業用・撮影用として保管される予定。他の3両は、外部から譲渡の申し出があれば譲渡も可能だが、申し出がなければ廃車後解体の方針とのこと。

≪レトロ電車廃車計画:琴電ホームページより≫

大正・昭和・平成・令和の4つの時代を走り抜いた、高松琴平電気鉄道(ことでん)レトロ電車、引退へ向けカウントダウン。