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EU商工会議所中国支部がBRIの報告書 EU各国は中国のシルクロードから何の裨益も受けていない(宮崎正弘国際情勢解題)

2020-02-17 | 中国の歴史・中国情勢
中国が欧州各国で鉄道、高速道路、「BRI(一帯一路)」のインフラ整備のプロジェクトを主導し、現在132の工事が浸蝕している。

ところが、EU商工会議所中国支部が1月16日に発表した年次報告に拠れば、132のうち欧州企業が直接関与するのはたったの7件、ほかに13件がサブ・コントラクターで、のこりはすべて中国企業だと不満を述べていることがわかった。

現地の労働市場から雇用はなく、地元に裨益することはなく、いったい何がウィウィンだ、と手厳しい。

国際入札が義務づけられているが、情報の透明性はなく、入札の告示はほとんどなされず、40%のプロジェクトの入札条件が不明瞭だと同報告書は訴えており、EU全体に拡がる中国への不信感を表している。

当初、欧州も中国の「21世紀のシルクロード建設」に大いなる期待を寄せた。

しかし、ブルガリアーセルビアの鉄道は、ハンガリー側で着工さえなされておらず、モンテネグロの高速道路は、数年前から汚職で批判の的となり、イタリアはトリエステ港の近代化を期待してはいるが、いずれプロジェクトは空中分解するだろうと予測している。

一時期フィンランド財界が目を輝かせた不凍港からヘルシンキへの鉄道建設も、中国が北欧での印象を操作するだけの架空のプロジェクトに終わりそうだと予感している。

就中、反中路線に百八十度、姿勢を変えたのがポーランドとチェコである。

ともにファーウェイ排斥に米国と同調した。ハンガリーのオルバン首相は反中というより反独であり、独自の中国政策を採用しているものの、中国が提唱したシルクロードの建設プロジェクトの遅延、入札前の汚職に苛立ちを強めている。

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