美術の旅人 Voyageur sur l'art  

「美術」との多様な出会い。見たこと、感じたこと、思ったこと。

アースシップス、過酷な世界を生き延びるための住まい  Kirsten Dirksenのユーチューブ映像から

2020-03-16 23:27:42 | レビュー/感想

アースシップス、過酷な世界を生き延びるための住まい← 

ちょっと古い映像になるが、面白い取り組みなので紹介しておこう。ニューメキシコの荒涼とした砂漠を走ると、スターウォーズのシェルターのような多様なユニークな形の建物が忽然と現れる。核戦争後のような過酷な条件を生き延びるサバイバルモデル、633エーカーの土地に建てられたアースシップス(Earth Ships)と呼ばれる、70近くの建物群(The Greater World Earthship Community)である。

建築家マイク・レイノルズの発案によるこれらの建物は、土とゴミ(カン、ガラス瓶、古タイヤ)でつくられている。1997年のスタート当初、これらの建物群は、不法分譲を理由に閉鎖を余儀なくされたが、7年の後には適法を勝ち取った。現在、州は、2エーカーの土地を与え、上記のリサイクル品を提供しつつ、全面的にレイノルズの独創的な家づくりの実験に協力している。

このビデオの案内人トム・デュークは17年前に妻とこの地にささやかな土地を買い、小さな物置ほどのアースシップスを建て始め、息子が生まれたときには2部屋のベッドルームがある家を完成した。彼が案内する、当の家は、他のアースシップス同様、砂漠での持続可能な生活とプライスダウン実現のために、独創的なアイデアが詰め込まれている。雨水を集め、その水を屋内の植物によってろ過することで、4度利用するのみならず、下水処理のシステムさえ備え、砂漠を緑に変えている。

可塑性の高い土を用いた建物のデザインのユニークさにも注目したい。学生たちの住まいとなっている大きな建物は、柱や壁にガラス瓶やカンを大量に用いて建てられているが、スーパーストロングな構造を実現する上で役立っているばかりでなく、砂漠の光を乱反射させ、ガウディのサグラダ・ファミリアのような、有名なカテドラルを彷彿とさせてとても美しい。

 

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