美術の旅人 Voyageur sur l'art  

「美術」との多様な出会い。見たこと、感じたこと、思ったこと。

廃品をユニーク住宅に変えるテキサス魂 Kirsten Dirksenのユーチューブ映像から

2020-03-15 15:23:20 | レビュー/感想

廃品をユニーク住宅に変えるテキサス魂

全米でもプアな人が多いとされるテキサス州には、おシャレで、乙に済ました東海岸のエリート&セレブたちには見られない、テキサス魂と言われる自由独立の精神に富んだ人物が多いようだ。前にプアな人々向けに廃材で作った住宅を実際に提供する、熱い気持ちのいっぱい入った事業を展開している、見た目エキセントリックなテキサス爺さんを紹介したが、この爺さん(ダン・フィリップス)も、やはり同じテキサス人で小柄で痩せているが、同じような事業を展開している会社の社長である。負けず劣らずエネルギッシュなうえに、テキサス人の真骨頂を発揮して発想がぶっ飛んでいて、すぐに尊敬してしまった。

最初に出てくるのは木の上に建てられた家だ。と言っても、こぎれいに収まった家ではなくて、縦横に広がった枝は家を突き抜けているし、入り口や内部の階段には折れ曲がった枝がそのまま使われているなど、かなりアバウトなのだ。支えになっている木の幹が腐れたらどうするんだなんて考えたらできないし、安全安心に毒されている日本人には住めない家だ。それをプロのスキルなど持ち合わせてないプアな人たちを雇ってやらせている。エライことに、プアな人々に仕事を与える社会事業的な意味合いも持っているのだ。

前のテキサス爺さんと違って、この爺さんは、廃材だけではない、コルクせんや割れたガラス、牛の骨などリサイクルゴミも使っている。だから材料費は80パーセントただだと爺さんは言っている。感心したのはそれがそれなりにユニークな美しさを持っていることだ。デザインも巨大なカーボーイブーツをかたどるなど度肝を抜く。大量のコルクせんを用いてフェニックスを造形した美しい床など、真似したいところだ。安心快適の宣伝に踊らされ、パネルをジョイントしたプラモデルのような無個性な住宅に生涯の借金を負って何千万も払っているのが馬鹿らしくなる。

’My great advantage is I don't care about money’ by ダン・フィリップス

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