2019年04月21日

創造的縮小

立命館法学

人口減少社会で必要なのは、人口を減らさないことではなくて創造的縮小?

高校を核とする地方創生の試み德久恭子、立命館法学2018年4月)
都市政府は域内の社会経済状況と制度的制約を踏まえ、「均衡ある縮小」ないしは「創造的縮小」の実現に向けた施策を展開する。このように、「縮小都市」には,産業の衰退から都市の衰退を切り離し、縮小を管理する中でそこに住まう人々の暮らしを守り、地域的な価値を創造することで豊かさを築き、都市を活性化させようとする営みが含まれるのであり、「縮小」のパラダイム転換が求められる。
「流入の促進」「退出の管理」「定着の強化」という3つの政策があるとして、全部できるだけの体力がある自治体はなかなかない。だから、どこに重点を置くかがポイントであり、政策の分かれ目なんだと思います。

それを、「全部やります」みたいなことをいう人が多いので、何をしようとしているのかわかりにくいんだろうなと思います。
政策こそ選択と集中で初めてリアリティが出るんだろうけど・・

上記論文には、それ以外にも興味深いことが書いてあって、例えば
大学進学者の地元残留率は2008年から2017年の間で上昇傾向にある。短期大学進学者の地元残留率の上昇はさらに高く、若者の地元志向が強まっているといえなくもない。
(中略)
域外経験をもたない地元定住層は、人間関係も活動領域も限定的で、地域・社会活動の参加も低く、生活満足度も低いという。一方、就学後Uターン層は、人間関係を域内外に築き、地域・社会活動の参加も生活満足度も高い。
大学進学者の地元志向は上がっているが、地元で進学も就職も完結し、地元以外の経験を持たないと生活の満足度が低い。
しかし、地元以外とのネットワークを持つことで、満足度が上がるみたいなことが書いてあります。

それ以外にも、高校時代に地元企業に興味を持っていると、他地域に進学してもUターンで地元に帰ってくる可能性が高まるみたいな話。
地元高校の役割が、ますます重要に思えてきます。

参考
量より質? おしゃれに人口減少、少子高齢化(372log@姫路) - 地元の公立高校だって、地域のためにどれだけのことができているのか。結果だけを見れば、東京に行ってしまう生徒をせっせと教育。そして自分たちは「消滅都市」となるわけです。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00│Comments(1)社会
この記事へのコメント
市長候補も言うてるね


そう考えたら石見さんてほんまに駅前開発以外なにもやってこなかったのかな
Posted by ねるぽ at 2019年04月21日 12:29
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