心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

北アルプス・立山 別山から雄山までの縦走(1)

2020年09月19日 | 北アルプス


立山(別山(2,880m)・真砂岳(2,861m)・大汝山(3,015m)・雄山(3,003m))


 「~ 越中の平野から望むと、立山は特にピラミッドにそびえた峰でもなければ、左右に際立った稜線をおろした姿でもなく、つまり一個の独立した山というより、波濤のように連なった山といった感じである。殊に富山あたりからでは、その前方に大日岳が大きく立ちはだかっていて、立山はその裏に頭を出しているだけなので、山に詳しい人でなければ、立山を的確に指摘することは出来まい。 ~」(深田久弥『日本百名山』(新潮社))

 立山には2回登りました。1回目は大汝山から少し先の富士ノ折立まで往復し、2回目は天気が悪かったので雄山までで引き返し、その先の真砂岳から別山へは行ったことがありませんでした。3度目の立山は、別山から雄山を経て浄土山まで、「波濤のように連なった山」のすべてに登ってみたいと思いました。

 大宮駅9時2分の「かがやき」で富山へ向かいます。いつもならほとんど居眠りですが、この日は目がさえていました。高崎から北陸新幹線に入ると、富山までは半分以上がトンネルです。しかし、駅はすべて地上か高架にあります。糸魚川駅では日本海沿いを走ります。新幹線でも日本海をこんなに近くで見られる区間があるのかと思いました。
 富山で待ち時間の間、駅ナカの回転寿司のお店に入りました。ネタはとてもおいしく、中でものどぐろは絶品でした。11時過ぎに開店するとすぐ満席になりました。
 その後、路面電車に乗ってみました。富山の路面電車には環状線があり、富山駅を出発した電車はラケット状の線路を通って、30分ほどで同じ富山駅に帰ってきます。環状線の電車は、反時計回りの一方向にしか走りません。
 途中の駅では降りずに一周しましたが、同じ乗り方をしている人が結構いるなと思いました。


 富山駅から富山地方鉄道で立山駅へ向かいます。行先を表示する板が何種類もぶらさがっているのが楽しいです。どれもデザインはカラフルでした。
 扇状地を走っていた電車は、岩峅寺駅を出ると山へわけ入っていきます。岩峅寺駅は、映画『劔岳 点の記』のロケで使われました。
 進行方向の左手にセブンイレブンが見えるのが懐かしいです。薬師岳に登った時、富山駅を早朝に出発して登山口の折立まで向かうバスが、このコンビニで休憩したからです。道路と並行している線路を見つけて目をひかれたのを覚えています。
 千垣駅を出ると鉄橋で常願寺川を渡ります。鉄橋は昭和12年に架けられたアーチ型の千垣橋梁で、富山地方鉄道のホームページでも紹介されています。「選奨土木遺産」にも指定されたそうですが、電車の窓からは全貌が分かりません。
 線路と並んで架かっている道路橋は、こちらも見事なアーチ型の、鉄筋コンクリート橋でした。
 本宮駅を出ると、あと10分で終点の立山駅ですというアナウンスが流れます。1駅進むのに10分かかるというのが、山深いところまで走るんだなという感じがしてきます。
 川を挟んで反対側には県道も走っていますが、線路の方が原始的な雰囲気でした。電車は、時速30kmほどの低速を保ったまま立山駅へ登っていきました。


 (登頂:2020年9月中旬) (つづく) 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。