ドラマデビュー作「男たちの旅路」などで知られ、面長で優しい笑顔の名脇役として活躍した俳優、斎藤洋介さんが19日夕に死去した。69歳だった。

 複数の関係者によると、数カ月前にがんが見つかり入院。復帰を目指し、放射線治療などを続けていた。俳優としては晩年まで活躍。8月21日に公開されたアクション俳優、坂口拓(45)の主演映画「狂武蔵」では山崎賢人(26)らと共演していた。

 幅広い演技力で善人から悪役までこなし、バラエティーでは人柄がにじむ飄々(ひょうひょう)とした雰囲気で人気だった斎藤さん。「男たちの−」では車いす生活の若者を熱演。共演の古尾谷雅人さん(2003年死去、享年45)らとともに注目を集めた。

 1980年のTBS系「1年B組新八先生」では美術教師・田中役を好演。2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」など話題作に多数出演する一方、フジテレビ系「SMAP×SMAP」などでも活躍した。

 昨年3月には振り込め詐欺で100万円の被害に遭っていたことが発覚して話題に。私生活では29歳で結婚。俳優の斉藤悠(36)は次男だ。

 昨年10月の雑誌取材では、俳優として滑舌の悪さに悩んだと告白。父親の「辞めたら、何をやってもずっと1年生だぞ」の激励を支えに続けてきたと明かしていた。

斎藤 洋介(さいとう・ようすけ)

 1951(昭和26)年7月11日生まれ。名古屋市出身。明大卒。80年の「ヒポクラテスたち」で映画デビュー。2006年のNHK大河「功名が辻」や今年4月期のテレビ朝日系「特捜9 season3」に出演。170センチ。