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円レート104円台に:黒田マジックは?

2020年09月18日 14時15分42秒 | 経済
円レート104円台に:黒田マジックは?
 一昨日からでしょうか、1ドル=104円台という状況になってきました。

 新型コロナで世界中が大騒ぎですから、為替レートの短期的な動きがまともなものかどうかもわかりませんが、105円を切り上げる円高というのはいささか気になるところです。

 円レートを長期的に見ますと、2013年から2発の黒田バズーカで、120円近傍という円レートの正常化がなされ、2016年揺り戻しはあったもののその後は110円台後半の円安に戻し、その後は小刻みな上下を繰り返しながら2018年までは110円台をキープしてきました。

 しかし長期的なトレンドを見れば、次第に円高になるといった状況は否定できない所で、昨年後半に入ると、円レートは110円を割る円高が常態となり、今年に入っては、じりじりと、何となく円高傾向となり、この所、とうとう105円を割り、104円台という円高です。

 これまでは、何か円高の様相といった状況になりますと、日銀の政策決定会合などの黒田総菜の記者会見や談話で、インフレ目標に程遠いとか、経済下支えが必須の状態にあることを前提に、徹底した金融緩和を継続するという説明があり、その都度円は円安方向に動き、日経平均も上昇するといったことが続いてきたように思われます。

 今回も、円レートが104円台になった時期に丁度日銀の政策決定会合だったわけで、昨日、黒田総裁より金融政策は現状のありかたを「継続」し、政府と緊密に連携して政策を行うという発言がありました。

 ですから、私は、今日の円レート、日経平均にどの程度の影響があるかと注目したわけですが、円レートは104円台で変わらず(いくらか円安)日経平均も+40円という小幅上昇でした。

 国際情勢を見れば、アメリカは大統領選終盤で、トランプさんは徹底した自国優先、少しでも自分に有利な状況をという中でNYダウも思うように上がらないものですから、ドル高には恐らくしたくないでしょう。

 日本は、新政権は出来ましたが、さてどんな政権なのかはまだ見当が付きません。国際投機資本も、様子見しかないという所でしょうか。

 ただ、心配なのは、アメリカ自体が、基本的に円高ドル安を望んでいるという事です。国際投機資本も、「何かあると円高」を演出し、長い目で見れば円はじり高という事なのですが、今の日本は物価も上がりませんが、生産性も殆ど上がっていません、技術開発も、最近のコロナワクチンやスマホ、タブレット、デジタルシステムにみるように、遅れた国になりつつあります。

 そんな状態で円高が進むという事は、経済としては極めて不健全、不安定な状態でしょう。
 嘗て、中国は日本の失敗に学んでアメリカの人民元高の要求を拒否しましたが、日本は今度は中国に学び、円高は徹底忌避の政策をとるべきでしょう。

 その意味では「黒田マジック」が効かなくなるのは深刻な問題です。新政権と日銀が本気で協力して、実力以上の 円高で経済発展の根を枯らすようなことが絶対ないように願いたいと思う所です。








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