偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏877王岳(山梨)馬頭観音、題目塔

2019年10月14日 | 登山

王岳(おうだけ) 馬頭観音(ばとうかんのん)、題目塔(だいもくとう)


【データ】 王岳1623メートル▼最寄駅 富士急行線・河口湖駅▼登山口 山梨県河口湖町西湖の根場集落▼石仏 鍵掛峠手前の御座石に馬頭観音、地図の赤丸印。王岳山頂に題目塔、地図の青丸印▼地図は国土地理院ホームページより

【案内】 河口湖の観光施設〝西湖いやしの村根場〟駐車場の草地のところが登山者用駐車場。いやしの村はずれの薬明神社から王岳の東にある鍵掛峠を目指す。しばらく林道を歩いて登山道に入る。はじめに案内する石仏は、尾根道の鍵掛峠手前の大岩に祀られている馬頭観音。

 大岩の中程にできた棚状のところに祀られた石仏は風化がひどく、尊名ははっきりしないが合掌していて、頭部が馬頭のように見えることから馬頭観音とした。王岳や鍵掛があるこの御坂山塊の峠道にはよく馬頭観音が祀られていて、馬頭が大きく強調されている石仏が多いところでもある。鍵掛峠から北側の谷の鶯宿へ下る道もまだ残っていて、よく利用された道で馬頭観音が祀られたのだろうか。

 「南無妙法蓮華経」銘の題目塔は、その書体から髭題目と称される。王岳の題目塔は昭和40年に造立された新しい石塔。台座を含めた高さは約50センチ。背面に「本門八品上行所傳御本尊信行者」とある。「本門八品」は、法華経の従地湧出品(じゅうちゆじゅつほん)第十五から嘱累品(ぞうるいほん)第二十二の八章で、末法の世に生まれた者が信ずる仏と信心のありかたが説かれているという。「上行」は、従地湧出品に説かれた四菩薩(上行・無辺行・浄行・安立行)のなかの上行菩薩。「上行所傳」で、上行菩薩が釈迦から託された法華経、という意味らしい。題目塔は富士と対峙している。



【独り言】 登山口の〝西湖いやしの村根場〟は、河口湖町がかつてここにあった集落を買い取って新たに造った観光集落です。かつての集落は昭和41年9月の台風による土石流で流された旧足和田村根場でした。今回、土石流が起きた本沢川を登りました。確かに急な沢で、馬頭観音があった源頭あたりは今でも大きな岩が積み重なっています。土石流はこのような岩が土砂とともに大量に流れ落ちたと、土地の老人が話していました。そのとき犠牲となった数人は今も行方知れずだそうです。
 9月に北海道千歳に行く飛行機の窓から見た厚真町の山崩れは、人家のない山中の至る所で起こっていて、驚きの光景でした。このところ地震や集中豪雨による山崩れや土石流が、以前にも増して増えているようです。この9月の台風では房総がだいぶやられました。そして今度の台風です。房総の山も丹沢、奥多摩、秩父の山もひどい状態になってしまったことでしょう。

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