偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏930真壁・権現山(茨城)七尊仏

2020年09月25日 | 登山

真壁・権現山(ごんげんやま) 七尊仏(しちそんぶつ)


【データ】 真壁・権現山 396メートル(国土地理院地図の山名無し。真壁町山尾の南東396.4三角点)▼最寄駅 JR水戸線・岩瀬駅▼登山口 茨城県桜川市真壁町山尾の五所駒瀧神社▼石仏 権現岳山頂、地図の赤丸印。青丸はかったて祭の燃やし場▼地図は国土地理院ホームページより

【案内】 真壁町山尾の五所駒瀧神社が権現山の登山口。8月31日に行われるこの神社の〝かったて祭〟は、権現山の中腹に祀られた富士浅間神社に神火を奉献するもの。神社の神火を氏子たちが松明にうつして浅間神社まで登る様子は、ふもとから山頂までつながって見えるという。しばらくはその祭りのための広い道を登る。

 かったて祭りの松明は浅間神社の山頂に集められて一気に燃やされるという。その場所は真壁の町が一望できる広い山頂で、石祠が祀られていた。これが浅間神社なのだろうか。広い道はここまでで、権現山の山頂へは岩場の多い尾根道となって大きな石祠が鎮座する山頂に登り着く。これが富士権現の石祠と思われる。台座も入れて高さ115センチ、流造りの屋根の棟は90センチもある見事な石祠である。


 石祠を取り囲むように石仏が七基立つ。50センチ前後の自然石の正面を長方形に縁取りし、その中央に25センチの立像を浮彫させている。風化が激しい像はどれも僧形にみえるものの、地蔵菩薩と判断できる像容でもない。七基という数の神仏には七福神・七夜待・過去七仏・七観音などがあるが、それに該当するとも思えない。仏像であることは間違いないので、ここでは七尊仏としておく。

 この山頂には結城郡の人たちが立てた「頂上」の標石もある。

【独り言】 真壁は石の街です。五所神社境内には立派な狛犬が3カ所に建てられ、本殿に近いほど古い狛犬と若い宮司が案内してくれました。五所駒瀧神社の五所は、明治の初めに駒瀧神社に村内の四社を合祀してできた神社名と神社のこれは神社の案内にありました。そのなかでも一番古いのが富士権現と『真壁町の民俗』(注)にあります。



 推測ですが、その富士権現を祀ったのが権現山とすると、山頂にあった立派な石祠が富士権現となります。中腹の松明を集めて燃やす場所にあった石祠は、かったて祭のための仮宮なのかもしれません。そうなると七尊仏は富士山頂の八峰の仏である八葉仏の可能性もあり、もう一つあるのではと周辺を探しましたが見当たりませんでした。

 それより、この七尊仏のうち4基は倒れていたので立てるのに大汗をかきました。丸みをおびた石の重さは20や30キロどころが、50キロ以上はあると思います。まるで力石を立ち上げるような重さでした。「頂上」の石も倒れていたので立たせました。最近このように倒れた石造物を立てることが多くなりました。このような場所に限って、立たせた石仏を固定させる石が見当たらないものです。
(注)『真壁町の民俗』昭和61年、真壁町史編さん委員会


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