角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#292 「白河の 清きに魚も 住みかねて〜〜〜」どんどんツマラヌ世の中になっていくような・・・

2019-03-17 06:11:18 | 「正しさ」の胡散臭さ

まず結論。

犯罪が発覚した後(本来的には裁判を経て有罪が確定した後)に、それを承知で当該人物を起用するというならともかく、それ以前に収録済みの場面をカットするとか差し替えるとか、まして、作品自体お蔵入りにしちゃうとか、そりゃちょっと、共演者や制作スタッフが、あまりに気の毒です。

だいたい、作品に接した時、いちいち「あ、〇〇罪の人出てる、ケシカラン」なんて考える人は、それほど多くないと思いますしね。


制作会社やテレビ局は、「不愉快に思う人がいる」「傷つく人がいる」みたいに配慮してる風を装ってますけど、要するに「犯罪者」を登場させること、あるいはクレジットにその名前を出すことで、クレームが殺到したりとか、SNSが炎上したりとか、そういうことに対処するのが面倒で先回りしてるだけでしょ。いわゆる「事なかれ主義」というヤツです。

同じメンドーなら、全てを「無かったこと」にする方が、まだマシ、くらいに考えているのかもしれません。一旦仕上がった作品の一部をカット・再編集するのも、あるいは、市場展開・配信の中止や既に出回っているモノを撤収・回収するのも、今日なら(かつてとの比較で)まあ、楽ちんですから。


ホント言うとね、

人間なんて、実は皆ちょっとずつ変で、ちょっとずつ悪を抱えてて、人に言えない過去が多少あって・・・そういうモノでしょう。でもって、芸の世界に生きる人っていうのは、「普通の人」よりもうちょっと変で、もうちょっと悪くて、人に言えない過去が多々あって・・・それでも、まあ、芸があるならさ、えーっと、大目に見てあげて? とか、昭和の人間は思うわけです。


もちろん、平成を通じて皆が清廉潔白になり、人の倫理感が格段に進んだというなら、それも時代の変化として受け入れますよ。

けど、今、世の中で起きているのは、そういうこととは違いますよね。むしろ、何時の頃からか世間で幅を利かせるようになった「政治的正しさ」なるモノが、タテマエの世界だけでなく現実の政治に、そして文化や芸術の世界にまで、その触手を伸ばしていると言うべきでしょう。


有名人の逮捕劇やら何やらについて、美味しいネタとばかりに飛びついて無駄に大騒ぎすること自体は、まあ、世の中が平和な証拠だと言えなくもないんだけれども、その結果、当人の冠番組だけならともかく、ちょっと絡んでるだけの作品やイベントなんかまで、現在・過去・未来、連帯責任よろしく全て消されていくとしたら、それは業界の自縄自縛であり勝手にすれば良いと言うにとどまらず、消費者としても、ちょっと呑気に構えていられなくなります。

一点の曇りでも我慢できないという人がいてもかまわないけれど、だったら、そんなアナタの方が、邪悪濁から静かに距離をとればそれ良いでしょう。自らの正善清(それは単に、自らの汚点を棚に上げているか見えないフリをしているかに過ぎないんだけれども)を押し売りして、他者の見たい、聞きたい、言いたいという自由を非難・阻害することに熱心な人には、何か別の意図なり情念なりを感じますね。


清らかなだけじゃ人は生きていけません。それは江戸の昔から言われてるわけでして、ワタクシなんぞは「人生、たまに田沼に遊ぶくらいがちょうど良い」とか思うんだけれども、皆さん、如何なもんでしょう?

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

一読もっともらしく、納得してしまいそうになるのだけれど、それはそれで「ガイドラインに従っとけばいいんでしょ」みたいな思考停止に陥っていくような・・・

ジャーナリストの佐々木俊尚さんは、逮捕の報道が出た直後に出演作を自主規制する傾向について、「いくらなんでもやりすぎではないか」と疑問を呈する。そして、過剰な自主規制が進まないためにも「ガイドラインを決めるべき」、と指摘した。

*huffingtonpost:ピエール瀧出演作の「自粛」は過剰すぎるのか。佐々木俊尚さんは「ガイドラインを作るべき」と提言
https://www.huffingtonpost.jp/entry/pierre-taki-works_jp_5c8b8ffce4b03e83bdbfc767?ncid=other_trending_qeesnbnu0l8&utm_campaign=trending


どうするのかな、と思って「再放送」を視てたんだけど、つまり「再放送」ではなく、既に「別物」になってました。今後のことも含めて、ご苦労なこったと思います(受信料払ってるんで、決して他人事ではないのだけれども)。

ピエール瀧容疑者(51)の逮捕を受け、出演中のNHK大河ドラマ「いだてん」では、3月16日(土)の再放送分でもすでに出演シーンがカットとなっていた。今後の放送内容に加え、NHKへの損害賠償金額に注目が集まっている。

*文春オンライン:〈ピエール瀧逮捕〉ジャニーズも“億”を支払った!? 逃れられない「NHK損害賠償金」
https://bunshun.jp/articles/-/11091


「応募にはメールマガジンの登録が必要となります」という辺り、文春オンラインも商売熱心だなと思いますが、緊急アンケート取ってるそうです。もちろん「抽選で10名様に商品券1万円分をプレゼント」というエサ(?)もついてますけど。

ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が、麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことを受けて、出演作品が続々と“お蔵入り”状態になりつつあります。こうした、テレビや映画などをはじめとする業界の対応について、あなたはどう考えますか。お蔵入りに「賛成」か「反対」か、その理由も含めてお答えください。結果は「週刊文春デジタル」「文春オンライン」にて、近日中に集計し、公開いたします。

*文春オンライン:緊急アンケート 逮捕俳優作品の「お蔵入り」に賛成?反対? ピエール瀧薬物事件で考える
https://bunshun.jp/articles/-/11059


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