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伊奈利短歌 ツイ短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

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2020年02月17日
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​​​小説西寺物語 17話 薬子の限りない野望…その1​

 806年6月に第51代天皇に即位した平城天皇は病弱で政治にはそんなに興味はなかったが、天皇の愛妾の薬子は第二夫人と言われるほど宮中では権力者になっていた。さすがに右大臣や左大臣、それに大、中、小納言の人事には口出しはできなかったが、ただこの下の参議や従四位~従三位の高級貴族の人事には口出し前桓武天皇系の貴族を左遷してその後釜に奈良仏教系貴族を配置していた。

 この薬子は天皇の子を身籠り男の子だったら皇太子に、やがて天皇に育てて皇太子の母、天皇の母として宮中を我が物にしょうと企み若い僧侶や実の娘の婿を色仕掛けで誘惑して薬子も若い男の体を楽しみながら妊活をしたが、残念ながらもう50歳近くになっていた薬子には懐妊の兆しもなくこの策略は諦めていた。そこで平城天皇の政権はそんなに長くはないと判断していたが、次の天皇は必然的に皇太子である源神野が天皇になる。そうなれば薬子は官位を剥奪されて男気のない尼寺の尼僧になるしかなかった。

 薬子は矢継ぎ早に人事の刷新を推し進めていた。奈良仏教六宗派七大寺院の代表の大安寺貫主の道慈を宮中に呼び道慈に改めて従六位の官位を与えて桓武天皇が認めなかった奈良仏教の末寺の洛中、洛外の平野部への進出を平城天皇の命令だとして認めていた。一方の奈良仏教と敵対視してきた最澄、空海の比叡山は最澄空海とも唐国で修業中の上約1000名の僧侶も比叡山で修業中で奈良仏教にすれば京の都の洛中洛外に無数に出来た村落の寺に布教して奈良仏教の勢力を誇示する千載一遇の展開になっていた。

 この最大の作戦の大本営は官営西寺の塔頭30寺院に当然なると道慈は西寺の塔頭建造現場を視察していた。西寺の金堂や講堂の大伽藍は大安寺や東大寺の大伽藍より高くもう屋根瓦を葺いていた。その大伽藍の北側には西寺塔頭建造現場があったが、もう一年も経つのに大安寺の筆頭塔頭だけはなんとか板張りだが屋根はあったが、残りの29寺院は柱だけで梁も屋根も手付かずだった。道慈は西寺塔頭建造責任者の明心に質問を浴びせていた。

 道慈は明心に、
「もう一年も経つが何故工事が遅れているのか?」
「いえ、もう京の都の近辺の森では西寺東寺の工事の為に伐採する木がないのです。あるのは比叡山だけですが比叡山の木を伐採すれば確実に戦争になります」
「それなら丹波や奈良吉野の木材を買えばいいのでは?」
「それが当初見積もりの3倍から5倍になっています。それに瓦や石材、金具もです。材料が買えなければ寺はできません」
「そか、それなら各本山に金を送ってもらえばいいが…?」
「もちろんですが、どの本山の財政部は聞く耳を持ちません。一年分の予算は約350名の僧侶の米や食材に消えますからなんの為にここにいるのかわかりません」

 道慈は明心にそれなら改めて現在の塔頭建造の見積もりを作って私のところに提出せよと言い残して奈良に帰られた。そこで明心は僧侶350名に工期5年間としての塔頭30寺の建造費用及び僧侶の米と食材などの必要経費なとのすべてを計上した見積書を作るように命令していた。

 木材は3倍~5倍と高値安定していたが、三十数万枚も使う屋根瓦は東山の粘土と登り窯で作るが、窯で使う薪は鴨川左岸から東山の麓に広がる雑木林の松などを使っていたがもうすべて使われて広大な更地になりここを耕す農民も増えてきた。都で薪になる雑木林はもう比叡山の麓にしかなかった。したがって瓦は三河国か淡路島から買わなければならないが、この瓦の価格の調査をするために明心は三河国と淡路島に僧侶を10名派遣していた。

 明心はこれらの資材不足と資材の高騰の原因の行き着く先は必ず比叡山に突き当たる、比叡山には木材も薪も余すほど豊富にあるし、その木材も薪も麓の高野川から鴨川へ流せば半日で東寺にも東山の瓦を焼く登り窯に運べると考えたが、これらは偶然ではなく誰かが奈良仏教を陥れた罠ではないかと考えるようになっていた。

 そこで明心は西寺総造寺司の守敏僧都に面会を求めていた。明心は「源光寺の変」で守敏僧都に命を助けてもらった恩義があるのもあるが、それから人間守敏を知り師と仰いでいた。明心は守敏僧都に、
「守敏さま、私はこの西寺の塔頭建造の件はなにかと符に落ちません。私も守敏僧都も奈良仏教には不信をもってはいますが、だからといって奈良仏教が破滅になるのは希望していません」
「それは私もそうだが、奈良仏教は権力と財力を持ち過ぎたからそれを弱めようと桓武天皇は奈良から都を京の都に遷都された」
「そ、そのことを守敏僧都は最初から知っておられたのですか?」
「いやいや、私もお主と同じように奈良仏教の敵は稲荷神社だと思い武器を持って僧兵を出陣させたが、稲荷神社の宮司の伊呂具に説得させられた」
「そ、それは私が守敏僧都を殺そうと思ったが説得されたのと同じになる…」
「そう、最初の東大寺寺領(荘園)からの農民集団大移民から西寺塔頭の資材高騰まですべては一本の糸で繋がっているが、この糸は桓武天皇亡き後も平城天皇即位後もまだ切れてはいない」
「私たちは見えない糸に操られているのか?守敏殿?」
「明心がそう思うならそう思ってもいい。だが私はそれも含めて歴史を自分の手で作っていると思っているが、その評価は未来の日本人がする」
「そうですか…私も今日のことは忘れて任務に励みます」

 薬子は学者の家系の従三位藤原宗茂を参議に引き上げ奈良仏教系貴族の強化を図っていた。桓武天皇の時には比叡山系が約六割で奈良仏教系は約四割だったが、これが五分五分の勢力にはなったが、天皇を決めるのは貴族の数ではなく皇室の血筋で決められるから、薬子の力ではどうすることもできなかった。ただ、天皇に近づき天皇を操るのは薬子がいい見本になる。

 ただ、この時代は天皇を退いても上皇として政治には関与できるし上皇として命令を発することも出来た。つまり、二人の天皇の意見が違ったらどちらに付くかは貴族が判断できるから貴族を多く取り込んだ天皇、上皇の意見が反映される場合があるがこれが醜い権力争いから武器を使っての戦争にもしばしなっていた。

 薬子は考えていた、このまま病弱な平城天皇が亡くなり皇太子の源神野が天皇になればもう薬子の野望は果たせなくなる。そこで平城天皇を早く引退させて上皇になれば薬子はそのまま上皇第二夫人としての身分は保証された上に権力をほしいままに出来るという結論になった。そして天皇の政策にことごとく反対して奈良仏教系の貴族の力で天皇を引退させてその次の天皇には源神野の腹違いの弟の伊予親王を擁立すると決めていた。そのために伊予親王に近い藤原宗茂を参議に引き上げていた。​​

新連載小説をはじめました。​​​​
小説盆栽物語 1話 空海唐から盆栽50鉢持ち帰りへ​​
小説盆栽物語 2話 宗景造園業に弟子入りで盆景和尚となる​​​​​​​
小説盆栽物語 3話 盆景(盆栽)のルーツ、雅山少年が発見​
​小説盆栽物語 4話 宗景、玉林の禁断の恋から若者たちが盆景を爆買い​​
小説盆栽物語 5話 玉林、宗景皇帝に祝福され結婚…豆盆栽​​
小説盆栽物語 6話 日本茶のルーツは武夷岩茶の盆景になる​
小説盆栽物語 7 話 椿の盆景が明懸尼寺を再興させた
小説盆栽物語 8話 玉林(ユーリン)に赤ちゃんが! 桓武天皇崩御​
小説盆栽物語 9話 空海屁理屈禅問答で盆栽は戦争をなくす
小説盆栽物語 10話 玉林、盆景和尚長安での最後の別れの夜​
小説盆栽物語 11話 最澄、空海官位剥奪の上5年間謹慎処分​
  ★​​​​​​

​​​​​​​​小説西寺物語 1話 守敏と空海の因縁の争い・西寺跡発掘調査・女装小説家 オカマのイナコ​​
​小説西寺物語 2話 九条葱が西寺を救った​​
小説西寺物語  3話 守敏、芹と葱で大僧正に!​
​​​​小説西寺物語 4話 稲荷神社のお告げで長岡京遷都決定​
小説西寺物語 5話 寺と村落ぐるみ乗っ取り大作戦​​
小説西寺物語 6話 東大寺権操、守敏長岡京へ抗議の旅​​
​​小説西寺物語 7話 東大寺僧兵300名稲荷神社と戦へ
小説西寺物語 8話 農民稲荷神社炎上を救う
小説西寺物語 9話 守敏僧都、都を代表する名僧に!​
小説西寺物語 10話 最澄、空海唐へ、守敏奈良仏教から破門​​
​​小説西寺物語 11話 僧侶不足で奈良から僧侶引抜き大作戦​​
小説西寺物語 12話 神野親王武家源氏を旗上げ​
​​小説西寺物語 13話 巨大権力(奈良仏教)には経済封鎖を​​
​​小説西寺物語 14話 皇太子の不倫…人妻・薬子の変​​​
​​小説西寺物語 15話 平安時代の美魔女薬子の野望​​
小説西寺物語 16話 平安時代のスーパースター光源氏誕生​​

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最終更新日  2020年02月17日 08時46分55秒
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