☆設備の旧式化と規格の時代遅れに苦しむロシア(旧東側)

 

 

さて、日米英を中心とした海洋国家連合と中国(特亜)の未来についてこれまで色々と観て来ました。

では、それ以外の地域についてはいかがでしょう?

今回はロシア(旧東側陣営)を観て行きたいと思います。

 

 

さて、ロシアと聞いて何をどんな風にイメージしますか?

まあ、たいていの人は『雪に閉ざされた国』『独裁専制国家』『軍事大国』『国土の広い国』とかが真っ先に思い浮かぶんじゃないでしょうか?w

 

私もそうですw

さて、しかしその実際はどんなモンなのでしょう?

 

●ロシアデータ

1 面積
約1,710万平方キロメートル
(日本の45倍,米国の2倍近く)
    (参考:ソ連:約2,240万平方キロメートル 日本の60倍)
 (出典:ロシア国家統計庁)

2 人口
1億4,680万人
(2017年1月)(参考:ソ連:2億8,862万4千人/1990年1月1日)

(出典:ロシア国家統計庁)
3 首都
モスクワ
4 公用語
ロシア語
5 宗教
ロシア正教,イスラム教,仏教,ユダヤ教等。

6 軍事力

ロシア連邦軍は、陸軍、航空宇宙軍(諸外国の空軍に相当)、海軍の3つの軍種と、戦略ロケット軍、空挺軍の2つの独立兵科から成り、総兵力数は100万人規模を維持している。

 

――データーで観ると上のようなモノとなります。

GDP規模は 1兆6,576億米ドル (165.7兆円:2018年)となっております。

ちなみに2019年の韓国の名目GDPは、1兆6421億8000万ドルですので、ほぼ同規模だと思ってみれば間違いないでしょう。

 

さて、しかし、意外に思いませんか?

米中とも張り合う軍事大国のイメージのあるロシアが、GDP規模で韓国なんぞとドッコイドッコイだという事実に?w

 

ま~、実際は米国、中国、日本が“桁違い”な経済規模(GDP)というだけで、三位以下のドイツやイギリス、フランスでも200兆円規模でしかないで、充分大国といって間違いないでしょう。

 

ちなみに貿易輸出入は、

輸出:3,519億ドル (燃料等鉱物製品,鉄鋼,貴金属等)
輸入:2,285億ドル (機械類,医薬品,衣類)

主な貿易相手国は輸出:上位から中国,オランダ,ドイツ,ベラルーシ,トルコ,イタリア。

輸入:上位から中国,ドイツ,米国,ベラルーシ,イタリアという感じになっております。

 

 

さて、こーいう感じのロシアですが、実は旧ソ連時代よりも裕福なのですよ?w

ソビエト連邦時代からウクライナを筆頭に連邦を組んでいた国々が独立して小さくなったハズですが、その後、経済成長して旧ソ連時代の三倍にまでGDPを伸ばしました!?

三倍ですよ? 三倍!っ

……つまり「旧ソ連時代はGDP規模は50兆円程度しか無かったのが、(冷戦後)欧州勢に肩を並べる150兆円規模にまで成長した」というコトですね(棒

 

と、書きますと驚かれる方もおられるんじゃないでしょうか?

旧ソ連は経済規模で『……50兆円でしかなかった』のか? と。

実は私も同じですが、事実です!(キッパリ

むしろ50兆円しか経済規模が無い=冷戦当時の日本の十分の一を超える程度の経済力で欧米先進国と冷戦を張り合っていたのですよ!?

そら経済破綻してソ連も崩壊するわ……(呆

冷戦時代は鉄のカーテンの秘密のベールに包まれ胡麻化されてましたが、旧ソ連は見栄を張って『軍事と宇宙開発に全振り』してたんですなぁ……(´□`。)

当然のコトながら国民生活の向上に回す余地なんぞ生まれず、まあ共産主義がどうこう以前の問題で詰んでいた……ともいえます。

ですが、ソビエト崩壊後、重荷であった連邦国や東側友好国への援助もしなくて良くなり。

さらにデタント(雪解け)と呼ばれた、前世紀末から今世紀初め、ロシアはG8で招致され旧東欧同様、西側の技術と投資を呼び込むコトに成功します。

この結果、西側の資金で最新の製造装置や技術が導入され経済成長を遂げるのですが……蜜月は長く続きませんでした。

それは、ロシア国内では西欧資本と結託したオリガルヒ(新興財閥)によって資源を始めとする国富を食い物にされる状況を、台頭してきたプーチンが食い止め、ひっくり返し。

欲深なロシア商人と、彼らと結託した海外勢力(欧米)を叩き出しました!

 

一方、プーチン指導下のロシアは、対外的には、湾岸戦争を始め一貫して外交の場では、(中国同様)反米の立場を取り続けた末、ウクライナ戦争とクリミア侵攻併合を切っ掛けとして欧米と決定的に決裂しました。

G8を去り以後、ロシアは西側から経済制裁を受けるコトになります。

 

さて、この結果、ロシアは今現在、苦境に苦しんでいます。

いうまでも無く欧米西側諸国と決裂した結果、経済制裁を受けるコトになりましたから貿易や投資に今現在大きな制限が加えられています。

その結果、ロシアの経済は成長が滞り落ち込んでいます。

 

このロシアの姿は近い未来の中国だと思ってもらって結構です。

ただ違うのは、ロシアには広大な国土に豊かな資源が眠り

そして何よりも旧ソ連時代の遺産として重工業や航空宇宙産業を中心にそれなりに産業力、技術力が(中国と違い)あったという点です。

 

……しかし、それらは時代遅れのモノでもありました。

まあ、いくつかの方面では――例えば製鉄技術や宇宙ロケット技術などでは『日本ですら追いつけぬ!?』独自の技術がありましたが、全体的に観ればロシアの技術は旧式で陳腐なモノになり果てています。

その結果、ロシアでは資源産業以外これといった主となる産業が育たず経済の低迷に苦しんでいます。

いえ、その頼りの資源産業すら採掘採取技術の旧式化と設備の老朽化で、中東の産油国はおろか割高とされる米国のシェール石油産業にすらコスト競争で苦戦する有様になっています。

特に、ここ最近の原油安の結果、国際市場には原油がダブつき値段が崩れていますが、この状況に中東産油国(サウジ)がOPECを通じて『石油の減産』を提案したモノノ、ロシアは拒絶しています。

……この拒絶は、ロシアが強情強欲というよりは「減産に応じられない“技術的事情”がありました。

その“技術的事情”とはなにか? といいますと……実はロシアの油田は設備が旧式「一度、油田から原油を汲み出すのを止めると再開するコトが不可能になりかねない」という事情がありました

コレにはロシアの国土の過酷な気候も追い打ちをかけており、永久凍土からパイプを掘り込んだ油田は一度採取を止めると、土中の水分が混じり凍り固まり、採取を再開したくともできなくなる……というような弱点があったのです┐( ̄ヘ ̄)┌

その為、ロシアの油田では、常時地中から原油を汲み出し続けなければ、その油田は利用不能になるという事情があったため、『地中から放っておいても原油が噴き出すw』中東と違い、そう簡単に減産に応じるコトができないのでした(-"- )

他にも、そもそもの採取機械装置が老朽化していて再始動できるか分からない……などとも噂れていましたが(爆

 

ロシアの泣き所は、まさに時代遅れの技術と装置で、本当のところは「西側の最新の技術と装置を導入し刷新更新したい!」のですが……まあ、いうまでも無く、今ロシアは西側諸国とは『絶交(経済制裁)の真っ最中』です┐( ̄ヘ ̄)┌

 

この経済制裁の影響は、ロシア経済全体に及んでおり効いております。

ロシアも家電、車などの製造業から半導体産業まで「雇用を生む」製造業を育てる技術を、技術の進んだ西側から取り入れたいのですが――当然のコトながら米国をはじめとする西側と対立している限りその望みはかないません(-"- )

 

いえ、技術だけではなく、産業を興し発展させるために必要な“資本”も、ロシアにはまるで足りません。

こちらもできうるなら欧米や日本からの投資を呼び込みたいところですが……経済制裁が解かれない限りかなわぬ望みでしょう。

 

 

と、まあ、よ~するに旧東側――ロシアや中国などの国々は東南アジア諸国やアフリカ大陸同様、まだまだ自力では経済成長発展が困難な発展途上国であり、経済成長や発展には欧米や日本の投資や技術支援、企業進出が必要不可欠なのです┐( ̄ヘ ̄)┌

 

 

 

――とか、書きましても「何を当たり前を!?」とおっしゃられるかも知れません。

しかし、この点はかなり重要で、日本に居ると意識しませんが、自国資本と自国産業(企業)で、自国内の需要を見たし自力で成長できる国というのは案外少ないのですよ?

ロシアはまだ、重工業と航空宇宙産業は技術力と産業がありマシですが、中国は、そのドチラも劣りますので、軍事面では空母のドンガラ(外殻)は作れても載せる機関部やスクリュー等は、まだまだお手上げで必要を満たすものを自前で作れません

あるいは戦闘機のエンジンもロシアからのモノをコピーしようとしていまだに失敗しています┐( ̄ヘ ̄)┌

 

なので今は「いきりまくっているw」中国ですが……今後、中国離れ(デカップリング)が進み中国から外資の資本と企業が離れれば、アッという間にロシアと同様に――いえ、元々の積み重ね蓄積がありませんから落ちぶれて行くのは、もっと早いだろうというのです ( ゚д゚)

 

 

さて、話を元に戻すと、ロシアはクリミア侵攻等で経済制裁を科せられて以来、西側の技術と資本投資のリンクから切り離され、経済成長の停滞低迷に苦しんでいます。

しかし、ロシアが苦しんでいる理由はそれだけでなく、もう一つあります。

それは『旧式で時代遅れの東側時代の規格を西側最先端の工業規格に切り替えが進まない』というコトです。

どういうコトかといいますと冷戦時代、西と東に分かれ世界は分断されていました。

その時代、いうまでもアリマセンが西と東ではネジ一本のサイズや品質基準まで工業規格が違っていました!?

ですので、冷戦が終結し勝敗が決着すると――もともとその格差は大きかったのですが――東側の工業規格は時代遅れの陳腐なモノとなります。

 

まあ、その後、冷戦後の『和解した』時代に、グローバル化の掛け声の下、西側の資本と企業は「旧東側の安い人件費と生産コスト」に惹かれてドンドン進出し、ロシアをはじめ東欧から共産主義の看板を守った中国まで西側の豊かな暮らしと国の成長を願ってそれを受け入れ歓迎したのでした。

……しかし東西冷戦の分断の結果、西と東では工業機械の規格も何もかもが違いましたので、結局は『旧式な東側の生産製造装置は廃棄』して『西側の最先端の工業機械』を導入せねばなりませんでした。

 

これに(最近まで)成功したのが中国で、(途中で)失敗したのがロシアと考えていただければ、まあ、わかりやすいんじゃないでしょうか?(棒

 

あと、欧米日の西側と仲たがいしなくとも「反米」で別になくとも、失敗し、経済成長し豊かになれず苦しんでいるのが、ウクライナとかだと考えてもらっても間違いはないんじゃないでしょうか?

 

ウクライナの失敗は『国内勢力の急進派が急き過ぎたから』の一言です┐( ̄ヘ ̄)┌

どういうコトかといいますと、まず2014年2月下旬に発生したウクライナ騒乱で、親欧米の急進派の若者グループが、その時の大統領ヤヌコーヴィチ大統領をクーデターで追い出しました。

 

これについては、寸前までウクライナの内紛を『ヤヌコーヴィチ大統領の早期退陣、新大統領の選挙』で収めようとしていたロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相の仲裁をご破算にするモノでした。

そして、面子を潰され、欧州との緩衝国であり長年の衛星国であったウクライナが欧州側(EU参加)へ傾くのを何としても阻止する為に、ロシアは対ウクライナ紛争とクリミア侵攻を決意したのでした。

その後の経過は知っての通りですが……ウクライナはクリミアをロシアにもぎ取られ、その国内はロシアに支援されたロシア系住人との内戦の泥沼に陥って現在にいたります┐( ̄ヘ ̄)┌

一応、現状はウクライナ政府軍及びウクライナ政府及びその支持派と、親露派の衝突・対峙は続いているものの小健康状態で落ち着いていています。

しかし、です。

誰が内戦状態の国に投資や企業進出したいと思いますか?

あるいは(ウクライナの)EU参加を認めますか?

 

まあ、絶望でしょう┐( ̄ヘ ̄)┌

 

しかし、ロシアとの際限ない紛争以前に、2014年当時のウクライナについていうと、欧州EU加盟なんて『夢物語』でしかありませんでしたが(´_`。)

そんな条件も準備もまったくできていなかったのですから!

 

しかし当時のヤヌコーヴィチ大統領をクーデターで追い出した親欧米の急進派の若者たちは「親露のヤヌコーヴィチを追い出せば」ウクライナは欧州EUに加盟して「明日からでも、国は豊かになり仕事も溢れ、欧州の豊かな国に移住や就職するコトができるようになる♪」などと甘ったれたことを考えていたというのです!?

ホント、呆れた話ですが、ホントにホントです(=◇=;)

彼ら(親欧米の急進派の若者たち)「ポーランド」を思い描いていたようですネ┐( ̄ヘ ̄)┌

 

当時(今も)ポーランドは、EU加盟以降、他の旧東欧のEU加盟国同様に『EU域内の豊かで進んだ国から多額の補助金や支援を受け』そして多くの投資や企業進出を受けて経済建設が進んでいました。

さらに人件費の安いポーランドからは(今も)、仕事があり給料の良いEU域内でも豊かな国(独仏等)へ出稼ぎ……どころか自由に移住移民するコトができていました!

 

この状態を羨ましく見ていたのが、すぐ隣で未だにロシアとの間でEUに加盟していないウクライナで。

ウクライナの若者たちは「ロシアを離れ、EUに参加して俺たちも豊かな暮らしと、出稼ぎ先と移住の自由を得たい」と渇望し、蜂起を行ったのです!

 

 

しかし、現実はそんなに甘い話ではアリマセンでした(棒

そんなことをすればEU圏と国境を直接接するコトになるロシアが黙っていませんし(実際に後に紛争、介入になった)

第一、ウクライナ加盟など、肝心のEU側にそれを認め受け入れる用意がまるでできていませんでした!?

 

思い出して見て下さい。

あの当時、ホンの六年かそこら前の欧州情勢を!?

当時の欧州は、シリア難民の流入が始まり難民問題が火を噴く寸前でした。

あるいは中東でISISが勃興し暴れはじめた時期でもあります。

しかも、その数年前のリーマンショックの後遺症もまだまだ(これも“今も”ですが……)尾を引いており欧州は景気の落ち込みと混迷に苦しんでおりました。

後にブレグジッドで英国が離脱する一因ともなった『EU域内の遅れた国への補助金の負担』も大きな問題となり、当時、ロシアの侵攻が無くとも『ウクライナのEU新加盟』など認められなかったでしょう!

 

そして、もう一つウクライナがそうたやすくは(今後も)ロシアを離れ欧州EUに加盟できない大きな理由があります……

それは、ウクライナ国内の製造設備の規格が旧東側のままであるコトです!

ウクライナの製造業の設備は、まだまだほとんど旧東側のモノです。

当然のコトながら、西側――欧州は元よりアメリカにも日本にもその製品は規格が合いません。

ウクライナで現状生産される工業生産製品や部品はロシア向けでしか売れず、使用できないのです。

経済的に、いわば“シャムの双生児のように”ロシア経済圏にガッシリと組み込まれています。

これを西側規格の工作機械や製造装置に切り替え、そして現場の職人や工員を訓練するのには莫大な投資と時間が必要となるでしょう!

 

ですから、寸前までウクライナの内紛を『ヤヌコーヴィチ大統領の早期退陣、新大統領の選挙』で穏便に収めようとして、ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相が仲裁の労を折っていたんです(`・ω・´)

 

ドチラも「今すぐ、ウクライナ国民が望むような急進的なロシア離れEU入りは、今のウクライナには不可能!」だから、期間を置いて、段階を踏んで問題を解決し、話し合っていこう! として、当時のウクライナ国内の内紛を穏便に収めようとしたのです!

それを(馬鹿な)急進派の若者が台無しにし、今にいたる無用な紛争と混乱の引き金を引いたのです(゚Д゚)

 

しかし、もしも、もしもです。

あの時、ロシアとドイツの仲裁案にウクライナが乗っていて、後のウクライナ紛争クリミア侵攻と欧米vsロシアの緊張が無ければどうだったでしょう?

しょせん「ウクライナのEU入りをロシアが認めない」ので遅かれ早かれ同じだった――という見方もあるでしょう。

その可能性の方が大きいとも思います。

しかし、諦めかけていたとはいえ、ロシアも最終的に『EUに加盟!?』なんて未来もありえたかも知れませんヨ?

そうでなくとも内戦で無駄に犠牲と時間を喪わずに済んだので、少なくともウクライナの状況も今よりは全然マシだったでしょう!

 

この東欧の事例を見るにつくづく『歴史は焦りは禁物』だと思いますね┐( ̄ヘ ̄)┌

コトを急いても良いことなど何もない。

ましてや『情勢が準備も何もできていない』内にヤラカシテしまうのは……

無論、拙速を好む、ここしかない! という千載一遇の機会というのもありますが――そんなチャンスはそれこそ稀です(´д`)

結局、普段の行いと、これからの努力が未来を、歴史を作るのですねぇ┐( ̄ヘ ̄)┌

 

 

さて、今回はここまでとさせていただきたいと思います。

そして、次回はこの続きを書きたいと思います!

と、いいますのも今後、ロシアはどうなるのか? どうすべきか? についてまで書いてませんし。

それに実は……今回取り上げたウクライナの政変には、実は『黒幕』が居るのです!

そいつは『ドイツとロシアの必死の仲介をブチ壊した』馬鹿野郎!なのですが……

 

まあ、事件の経緯を知っていたり、当時のここの過去記事を読まれた方なら知ってるかも知れませんが、その辺の事情もちょい取り上げ紹介したいと思いますので良かったら次回もご覧くださいませ!

さて、お話はこの辺で……

今回も落書きをUPしておきますw

お目汚しですがよろしくお願いします (`・ω・´)ノ

 

――― ・ ――― ・ ――― ・ ――― ・ ――― ・ ―――

 
 
 

今回も、これで失礼いたします……

(・ω・)ノ ではでは、また~

 

タイトル鬼子っ










 

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