先々週、私が今もっとも好きなボクサーの1人であるチャーロ弟がエキサイトマッチに登場しましたので、コメントしたいと思います。

前戦ではトニー・ハリソンにまさかの判定負けを喫して王座を失ってしまいました。

個人的には解せない判定結果だと思っています。そして、この敗戦により、せっかく楽しみにしていたジャレット・ハードとの統一戦が遠のいてしまい、非常に残念な思いをしました(チャーロも私も。。)。

WBCからは当然の如く再戦が指令され、すぐにダイレクトリマッチが決定したものの、ハリソンが怪我で試合ができなくなってしまったため、急遽、ホルヘ・コタとの調整試合(?)が組まれた訳です。

このコタは、28勝(25KO)3敗の戦績でありなかなかの好レコードです。

戦績からハードパンチャーであろうことが窺えます。動きは変則的で好戦的であり、ぎごちなさと相俟って相手にとっては如何にもやりにくさを感じさせます。

試合でも、格上のチャーロが相手であっても臆することなく、強打を見舞ってやろうとどんどん前に出ていました。

しかし、チャーロは落ち着き集中していました。意識を高めてコタをしっかり見据えていました。

2Rの途中まで様子見の感がありましたが、このラウンドの終了間際に右強打の照準を合わせきったように見えました。

そして、続く3Rに試合を決着させました。

開始早々、前に出ながら強めのジャブを2発突いて右のボディフックを見舞いました。
ここで、コタは応戦し反撃に転ずるべく左ストレートを放ち、さらに右フックを返します。

次の瞬間でした。

チャーロはコタの懐に入り込み、カウンターの右フックを見事に叩きこみました。
コタは諸手を挙げ、吹っ飛んでダウンします。

カウント内に立ち上がったものの、受け身が取れなかったほどのダウンであり、効いているのは明らかです。

個人的にストップすべきと思いましたが、レフリーは試合を続行させます。

案の定、すぐにチャーロのワンツー強打をまともに浴びて吹っ飛び、今度はノーカウントでレフリーは試合をストップしました。

鋭い左ジャブでコタのガードを弾き、覗いた顔面に渾身の右ストレートが叩きこまれていました。キャンパスにぶっ倒れたコタは完全にのびており、しばらく起き上がれないほどダメージを受けていました。

この試合でも無類の強さを発揮したチャーロは、満を持して次のハリソンへの雪辱戦に向います。

前戦では、試合に集中できなかった要素などがあったのかも知れません。

チャーロが普通のコンディションを作ったならば、雪辱を果たす公算は大というふうに考えています。

ただ、せっかく王座奪回を果たしてもライバル王者で人気者のジャレット・ハードは王座から陥落してしまいました。

つくづく前戦の解せない判定負けが惜しまれます…

なお、チャーロのもともとの標的は確かカネロだったはずであり、そのカネロは現在ミドル級以上を主戦場としています。

ミドル級には兄のジャーマルがカネロをターゲットにしていますが、選択権はカネロにあり、危険なジャーマルの出番はまだまだ先になりそうです。

いっそのこと、ジャーメルもミドル級に上がって他団体の王座を奪取し、兄弟揃ってカネロに対戦を突きつける構図が作れると面白いです。

チャーロ兄弟であれば、カネロを倒す武器を持っていると思われ、ゴロフキンよりも危険でスリリングな一戦が期待できると思います。