コロナの影響により、現在WOWOWエキサイトマッチではレジェンド特集や名勝負集などが放送されています。

7月の放送ラインナップが発表されましたが、予期せぬ選手の名前が目に入り、思わず釘付けとなりました。

それは、2007年にバイク運転の事故で亡くなったディエゴ・チコ・コラレスです。

コラレス、、、大好きだったボクサーの一人であり、決して忘れることなどできない印象深いボクサーです。

今回はこのコラレスのことをコメントしたいと思います。

コラレスの試合を初めて見たのは1999年のロベルト・ガルシア戦です。

ともに全勝であり、ガルシアが保持するIBFスーパーフェザー級にコラレスが挑んだ一戦でした。

ガルシアは(言わずもがな)マイキーの兄ですが、当時は全勝だったこともあり、それなりの評価を得ていたチャンピオンだったと思います。

コラレスを見た印象は、階級に対して、なんて長身でなんて痩せすぎているんだと思ったことです。。

しかし、顔はそれなりにいかつく、体全体から自信が漲っていました。

試合が始まって感じたのは、とにかくパンチの精度が高くて的確、そしてパンチが強いということです。

ガルシアは頑張っていましたが劣勢なのは明らかであり、徐々に追い込まれ、遂に捉えられ、仕留められたといった具合でした。

この試合を見て一発でコラレスファンになりました。こいつは恰好よすぎる!と。。

タイトル獲得後は人気者のエンジェル・マンフレディーなどをKOで仕留め、ライト級ではブラジリアンボンバー(フレイタス)までKOで粉砕しました。

なお、コラレスがKOした試合で印象的なのが、ガルシア、マンフレディ、フレイタスをはじめ何れのボクサーも後方まで吹っ飛ばされているという点です。

あんなに細身でなで肩で筋肉もそれほど感じられないのに、あの破壊力は一体どこから生まれるんだろうと本当に不思議にでした。

後に思ったことがあります。

コラレスの見た目(長身で細見)から想像するボクシングスタイルはアウトボクシングだと思います。しかし、実際は接近戦やショートパンチが得意でした。

リーチも思っているほど長くなく、相手からすると見た目と実際のボクシングスタイルにギャップがあり、そこで至近距離でパンチをもらってしまうと、後方に吹っ飛んでしまうのではないかと思ったのです。

大好きなコラレスでしたが、メイウェザーとの一戦はどちらを応援してよいか本当に迷いました。私はメイウェザーも大好きなボクサーだったからです。

この統一戦が決まった時は信じられませんでした。若い全勝のホープチャンピオンが互いにとって危険な試合をよくも引き受けてくれたものだと。。ここに、両者の自信と気概を感じたものです。

特にコラレスの方がメイウェザーをライバル視していたようなので、この一戦に賭ける想いは相当だったように思います。

ところが、試合はメイウェザーの一方的な試合でした。このときのメイウェザーは最高のデキだったと思います。メイウェザーのキャリアにおいてベストバウトだったのではないでしょうか?

コラレスはメイウェザーのスピードに全くついて行けず、特にいきなり放たれる左フックが全く見えていませんでした。

何度も倒されその都度立ち上がるコラレスですが、5度目のダウンを喫したところで遂に味方陣営がストップを要請しました。

最後まで戦ったとしても、もはやコラレスが勝つ可能性は無かったと思いますが、ストップされたときのコラレスの悔しさは相当だったと傍目からも感じられ、最後までやらせてあげたかったと感じたのを覚えています。

この試合後、コラレスはブランクを作ってしまいますが、復帰後は実力者のカサマヨルから王座を奪取してチャンピオンに返り咲き、さらに階級をライト級に上げて前述のフレイタスをKOに下して2階級制覇を達成します。

そして、後に名勝負として語り継がれるカスティージョとの王座統一戦へと向かっていきます。

7月のWOWOWエキサイトマッチではこのカスティージョとの伝説の一戦が放送されるわけです。

しばしコラレスの数々の試合をもう一度思い起こしたうえで、カスティージョとの一戦を心して見てみたいと思います。