医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

美容外科医 村松 英俊( Hidetoshi Muramatsu M.D., Ph. D)
湘南美容クリニック 新宿本院主任医長兼技術指導医
医学博士
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医

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本日ご紹介する症例の患者様は30歳前後の女性、過去に2度ほど埋没法二重術をお受けになられていました。

 

まぶたが開きづらい、二重の左右差も強い、これらを改善しパッチリとした印象になりたい、とのご希望でした。

 

特に右目(向かって左)は眼瞼下垂傾向が進行しておりましたので、全切開により眼瞼下垂修復を行いました(MD式眼瞼下垂+たるみ取り併用全切開法二重術)。

 

 

術前→術後7ヵ月です。

閉瞼時

 

術前は特に右のまぶたが開きづらい状態で額の前頭筋を使ってシワを寄せながら何とかまぶたを開いていましたが、術後はまぶたの力のみでしっかりと開くようになり、額のシワもほぼ無くなりました。

 

幅広の二重をご希望でしたので若干整形感はあるものの、ご要望通りの仕上がりということで患者様には大変ご満足頂けました。

 

全切開法二重を行う場合(眼瞼下垂をするしないに関わらず)、見た目の完成にはおおよそ6ヵ月を要します。

 

手術翌日および翌々日 : 腫れのピーク

術後1週(抜糸) : 完成度20~30%

術後2週 : 完成度40~50%

術後1ヵ月 : 完成度60~70%

術後3ヵ月 : 完成度80~90%

術後6ヵ月 : おおよそ完成

 

これよりも早い場合や遅い場合もありますが、平均的には上記のような経過となります。

 

術後2週でようやくメイクのみで(カモフラージュのためのメガネなど無しで)腫れをごまかせるかどうか微妙なところ、

 

術後1ヵ月なら厚めにメイクをすればごまかせると思うがノーメイクはまだ不自然なことが多い、

 

とカウンセリングではご説明しております。

 

ご参考になりましたら幸いです。

本日ご紹介する症例の患者様は20歳代半ばの女性、自然なバストのサイズアップとボリュームの左右差の改善、および右側の陥没乳頭を治したい、とのご希望でした。

 

 

脂肪豊胸術は仕上がりが極めて自然であること、バスト周辺の傷が極めて小さい(注入用のカニューレの挿入口のみ)こと、脂肪採取部に若干の部分痩身効果が得られること、などがメリットとして挙げられます。

 

一方、デメリットとしては、脂肪の定着率に関しては個人差が大きいこと(同じオペをしても2カップ程度サイズアップされる方も居れば0.5カップ程度しか変化しない方もおられます)、しこり形成などのリスクがあること、などが挙げられます。

 

定着率を高めたり、しこり形成などの有害事象を減らすためには①注入する脂肪の処理、②注入方法、いずれも工夫が必要です。

 

①の脂肪の処理に関しては、採取脂肪を濾過して不純物を取り除く、遠心分離にかけて純粋な脂肪を濃縮する、採取脂肪の一部を幹細胞抽出に利用する、など、近年様々な方法が開発され、これに伴い治療成績も徐々に向上してきたという歴史があります。

 

②の注入方法に関しては、定着率を高めたりしこりなどを作らないようにするためには「如何に散らして注入するか」が重要となります。

 

採取した脂肪には血流がないので、注入先の血流のある組織と可能な限り接することが重要です。

 

塊状で注入してしまうと、塊の中心あたりは血流と接することはなく、これがoil cyst(しこり)を形成したり脂肪が壊死、腐敗し重篤な感染に発展する可能性が生じます。

 

ですので皮下浅層、皮下深層、乳腺下層、大胸筋内、大胸筋下など、症例に応じて様々な層に分散して注入しております。

 

また、これらの層のなかにも血流の豊富さに関して差があります。

 

例えば乳腺下層はいわゆる「疎」な組織構造であるため、シリコンバッグ豊胸の際には容易に剝離が可能な乳腺下層に挿入することが多くなります。

 

しかし「疎」な層は血流も同様に疎であると言えます。

 

乳腺下層は脂肪注入の手技も非常に容易であり、ついつい多く注入してしまいがちですが、脂肪豊胸術後にoil cystを形成しているケースのほとんどが乳腺下層です。

 

これは、血流が疎である乳腺下層に脂肪を多く注入してしまうことが主な要因と思われます。

 

ですので、乳腺下層への注入は控えめ(脂肪の総注入量の約25~30%程度まで)にすべきであると考えています。

 

このような分散注入を徹底しているため、私に関しては脂肪豊胸術後に触知しうるようなしこりが生じたケースはこれまでの執刀例において1例も確認出来ておりません。

 

 

今回は脂肪採取にアキーセルを併用したコンデンスリッチ豊胸を行うこととしました。

 

右の陥没乳頭は刺激等でも乳頭が出てこない真性陥没乳頭でしたので修正術を行いました。

 

脂肪注入量はコンデンスリッチファット換算で右340㏄、左280㏄でした。

 

術前→術後3ヵ月です。

 

 

 

左右のボリュームの違いもある程度是正されながら自然なボリュームアップが達成出来ています。

 

患者様はもう少しボリュームが欲しかったということですが、まずまずご満足頂けました。

 

陥没乳頭はさすがにブログに掲載出来ませんのでホームページ内のフォトギャラリーからご確認くださいませ。

 

バスト全体

 

 

 

右陥没乳頭

 

 

 

 

 

本日ご紹介する症例の患者様は元当グループのスタッフ(オペ後しばらくして退職)、顔のバランスを改善したい、ツリ目を改善しつつ目元を大きくしたい、などのご希望がありました。

 

お顔のバランスが良さには様々な基準がありますが、その指標の一つとして、『目から上のボリュームと目から下のボリュームの比較』は分かりやすく、かつ重要です。

 

 

目から上のボリュームがあり、かつ目から下がスッキリとした輪郭は若々しく美しく見えやすくなります。

 

ところが、われわれ日本人の多くは目から上のボリュームが少なく、目から下が骨格的にも大きいため、バランスがあまりよく見えないのです。

 

目から下のボリュームを減らす主な手術はいわゆる骨切り手術となりますが、脂肪吸引やエラのボトックス治療なども有効な場合があります。

 

目から上のボリュームを増やす治療は脂肪注入や人工骨を使用する治療などが考えられます。

 

今回の患者様の術前の状態です。

 

目から上と目から下を比較すると、やはり目から下のボリュームが倍くらいあります。

 

目から上はボリュームを出すために脂肪注入術(コンデンスリッチフェイス法 額、こめかみ、眉間、アゴ先)を行いました。

 

目から下のボリュームを減じるためには骨切り術がベストではありますが今回はそこまで希望されず、フェイスラインの脂肪は多くなかったのですが脂肪吸引(ベイザー脂肪吸引 頬、顎下)で少しでも減らす目的で行いました。

 

また、ツリ目の改善、目を大きく見せるため、および目を少しでも下方向に大きくして目の位置そのものを下げて見せる目的で目尻切開+下眼瞼下制術(皮膚切開)を行いました。

 

 

術前→術後3ヵ月です。

 

 

 

正面像では目から上のボリューム増大と目から下のボリューム微減により、お顔の上下のバランスが改善しています。

 

側面像ではフェイスラインが若干スッキリしつつ顎先への脂肪注入によりEラインが改善し、目元の彫りが生まれたことで目元の印象も改善しています。

 

目元の術前→術後3ヵ月です。

 

ツリ目感は無くなり外および下方向に目がかなり大きくなりました。

 

患者様には総じて大変ご満足頂けました。

 

 

お顔のバランスを改善するために必要な施術は、もちろん患者様お一人お一人によって異なります。

 

それぞれの患者様のご要望に沿ってベストは方法をご提案できる美容外科医は意外と少ないのです。

 

特に最近はあるドクターは埋没法、あるドクターはクマ治療、またあるドクターは眉下切開、など、何かの施術に特化した美容外科医が非常に増えています。

 

患者様目線で見れば希望する施術に特化したドクターは選びやすいでしょうし、そのドクターもその施術に限っては膨大な症例数をこなしているので結果も安定しているものと思います。

 

 

一方で、お顔からボディまで様々なオペが出来る美容外科医は減ってきています。

 

ですがこういった美容外科医は様々なオペが高い水準で出来るからこそ、お一人お一人に最適な方法のご提案が出来るわけです。

 

一般診療でいうところの総合診療科的な、総合美容外科医、とでも言いましょうか。

 

こういった総合美容外科医はかなり少なくなってきています。

 

総合美容外科医代表?の一人として、「どうすればお悩みが良くなるのか分からない」「自分には何の施術が必要なのか」といった患者様は是非ご相談くださいませ。