おシャカ様はご自身が非常にご苦労をなさったものですから、後進の「法(道)」を
求める私たち衆生のためにいろいろ方便を巡らして経典を残しておいて下さったのです。
「こういう道さえ間違えなく一歩一歩確実に歩いて行きさえすれば必ず道に
到達しますよ」ということです。
おシャカ様だけではありません。
歴代の覚者といわれる方々は、私たち衆生にあまり苦労をかけないように、この道が
分かるようにと、いろいろ方便をお示しになったのです。
しかし、私たち衆生が「私」というものを差し挟んで読んだり聞いたり修行する
ものですから「縁」に突き当たったとしてもそのことが自分のものにならない
というもどかしさが有(在)る訳です。