ともちゃんの のんびり登山教室

分県登山ガイド「大阪府の山」(山と渓谷社)著者の岡田知子が
ご案内する登山教室。
のんびり、ゆるゆると山に登ります。

2018年6月29日~30日 梅雨時にしか会えない、近畿の最高峰の天女をたずねる

2018-07-01 21:32:11 | 人数限定登山

このところ、山に登る日は雨で、予定のない日に晴れるというサイクルにはまってしまっています。
まあ、梅雨時だから仕方ありませんね。

昨年プライベートで八ヶ岳の真教寺尾根から赤岳、権現岳を縦走したときに泊まったキレット小屋で、
岡山県から来られていた女性とお会いしたのですが、何と、そのご縁で、その方がお友達と二人で
ご参加くださったのです。ありがたいことです。

わざわざ前泊してご参加くださったお二人を含め、皆さんには、ぜひとも「天女」と対面していただきたい
ものです。









幸いにも、出発時には、降っているかいないかもわからないくらいの小雨。








鮮やかな青のヤマアジサイが出迎えてくれました。








ヒキガエルもお出迎え?!








ちょっと捕まえて、お腹の写真を撮らせてもらいました。
ヒキガエルは身の危険を感じると、耳腺と呼ばれる器官から毒を出すので、あまり怖がらせないようにしましょう。








ギンリョウソウも雨宿り。










白い岩の上に密生したコケと、新緑の木々、赤茶色のヒメシャラの幹。しっとりと美しい日本庭園のようです。









しばらく急坂が続きます。シャクナゲの木が多く、開花期にはさぞかし美しいことと想像しながら
上ります。








雨のせいか汗なのか、奥駈道との出合に着くころには服がびっしょり濡れていました。








ここからはしばらく緩やかなアップダウンの稜線歩きとなります。シロヤシオの木がたくさんありますが、
もちろん花はとっくに散っています。








色の濃いのがスギゴケで、淡い緑がトウゲシバ。前者はコケ類で、後者はシダ類です。








妙な臭いがすると思ったら、バイケイソウが花をつけていました。有毒なのでシカの食害に遭わず、
大群落を作っています。

「花はよく見ると可愛いのに、ニオイはちょっとアレね。」







理元大師聖宝(しょうぼう)像。妙見山でもお会いしましたが、修験道の中興の祖です。あ、そうそう。京都の醍醐山でもお見かけしましたね。








ここからまた、急坂となります。








木の階段が現れました。濡れているので足を滑らせないよう注意が必要。








鉄の階段が出て来たら、弥山小屋はもうすぐです。









小屋が見えました!








小屋に入ってしまうと、再び外に出る気力が失せてしまうので、そのまま弥山に向かいました。








強風の中、弥山(1,895m)に登頂!近畿第2の高峰です。

風が強いので八経ヶ岳登頂は明日にするとして、とりあえずお目当ての天女に会いに行くことに。








天女はこの扉の向こう側に守られています。









天女花とも呼ばれる、オオヤマレンゲ(モクレン科モクレン属)が花を咲かせてくれていました!
(正確には、中国東北部と朝鮮半島に分布する、雄しべが深紅色のオオバオオヤマレンゲの中国名が
「天女花」だそうです。)








つぼみも可愛い!








ほぼ全員がスマホを取り出し、大撮影大会の始まりです。








実に気品のある、天女の名にふさわしい花ですね。








風もないので、先に進んで八経ヶ岳の山頂を目指すことに。








ガスに包まれているけど、近畿の最高峰、八経ヶ岳(1,915m)に到着!

明日の朝、天気が回復したら、もう一度登って景色を楽しみましょう。








来た道を戻ります。
これはハリブキ(ウコギ科ハリブキ属)。葉にも茎にも、これでもかというくらいトゲがたくさん。








オオヤマレンゲのトンネルをくぐります。ここは極楽浄土か?!








いつまでも愛でていたいけど、汗と雨で濡れた身体が冷えてきたので、名残を惜しみつつ天女とお別れ。









弥山と八経ヶ岳を結ぶ登山道は、水が流れて深くえぐれています。








清潔で居心地のいい弥山小屋。乾燥室もあるので、濡れた衣類を乾かすことができてありがたい!








不便な立地ながら、温かい食事がいただけます。










いただきまーす!

消灯は9時でしたが、寒かったのでそれよりも前に布団に入り、体を温めているうちに眠ってしまいました。
夜の間、時々、建物を揺らすぐらいの強い風が吹きました。こんな夜にテント泊したら大変だろうなあ。








2日目の朝はあいにくの濃霧。八経ヶ岳の再登頂は諦めて、早くも下山することにしました。







ツクバネソウ(ユリ科ツクバネソウ属)を見つけました。羽根つきの羽子に似た黒い実をつけるので
この名前があるそうです。




  



濡れた木の根や岩、泥で滑らないよう、下山にこそ注意が必要です。







ハルゼミの声が聞こえます。あちこちに抜け殻がありました。










標高が下がるにつれ、暑くなってきました。ヒメシャラの幹に頬をつけて、冷たさを楽しむT根さん。








ヒメシャラ(ツバキ科ナツツバキ属)の花が落ちていました。








あちこちでヤマボウシが満開でした。









昼前に下山できました。みんなでハイタッチ!昨日初めて会ったばかりの人とも、こんなふうに喜び合えるって
ステキです。

天の川温泉で汗と疲れを洗い流してから、道の駅大淀で買い物して帰りました。岡山から来られたお二人にも、
奈良の魅力を堪能してもらえたかな?ちょっと遠いけど、また一緒に山に登りましょう!

山の上ではあれほど寒かったのに、近鉄橿原神宮前駅で解散したときには気温が37℃(!)になっていました。

「山に戻りたーい!!」







こんなステキな山旅がしたくなったら、メッセージください。

             

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