まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

日本人に謝りたい 2008 あの頃の稿

2020-09-21 07:39:04 | Weblog

        エルサレム嘆きの壁 (ウェキぺディアより)



以前【那おもえば国賊】に以下の章を記した

《 ・・・コミンテルンによるアジア構想と意図的連動させた一方の流れである。
しかし、冷戦構造にあった考証は総てコミンテルンの仕業であり、しかもどれ一つとっても確証はなく、腰の引けた既存の文献内考証であり、新事実を発見、もしくは外来から伝われば、現地考証を成文にのみ委ねた枝葉修正学に陥っているのが現状である。

冒頭にある彼らの意図は、利用するつもりで逆に利用された構図であり、ロシアによる仲介が米英との戦いに有効であり、かつ日本を覆う自浄力が衰えた忌まわしい軍部からの主導権の奪取という、それらの立場にありがちな純情でありつつも狡猾な構図を描いたのである。

実験国家ソビエトは崩壊するべくして終焉した。19世紀から20世紀にかけて多くの王政は民主の名の下に倒され、ある国は共和制、共産主義に衣替えはするが、中国の孫文とて民衆の混乱を抑えるために三民主義を掲げつつも領袖による専制を描かざるを得なかった。
夫々は思想の大義はともかく、大謀に隠された意図はあった。王政を倒すといえことはどのような意図があったのか、民主と自由のみなのか。付け加えればアジアの混乱と近隣との軋轢に意図されたものは何か。意思の共有という連帯連鎖を地域分割や自由解放という宣伝によって解く理由は何なのか。

軋轢は不信と反目を継続させ、善隣友好や平和外交などうら寂しい裏面構造を滞留させている。

コミンテルンの指示や援助として定着しているゾルゲ関連や中国における不可思議な誘引事件は、その構図の大きさと深さによって、よりその深層の企てを覆い隠している。
現状追認しかできなくなった国内指導部の脆弱さと、偽装事実を積み重ねる謀略は資金を添えて謀略中枢をコントロールした。

あのイラクとクエートを分断したイギリスの諜報機関M16のローレンスのようにアジアを舞台に黒子の様に跳梁している。しかも友邦アメリカまで手玉にとって誘引している。

その企ては自らの置かれていた地位や、巷間使われるようになったノーブレスオブリュージュといった高位に存在することの責務が根底にあった。
明治以降、いやそれ以前から男子の気概の表現としてあつた立身出世とは異なる流れに属する学問、もしくは生まれながらの氏姓が涵養し保持していた国家存立の本綱(モトツナ)に必須、かつ秘奥に存在する学問によって国家像を描いたものであり、それは、ごく少数の人間から導き出された意思であり、良くも悪くも明治から蓄積された負の部分の排除による国家の再生を考えていた。
また、鎮まりをもって歴史を俯瞰し、日本及び日本人を内観できる人々の考察であったに違いない

あの西郷ですら、このような国を描いたのではない、と言わしめた執政受任者の人間性と、曲がりなりにも士農工商で培ってきた日本人の特性や情緒を捻じ曲げた理解に置くような成功価値や、擬似支配勢力の狭隘な既得権意識は、軍、官僚にも蔓延した止め処もない暗雲となっていった・・・・》


            




そして大謀として【羊飼いの犬に追いかけられた夢】と題して記した。


もう何年も前の初夢で犬に追いかけられた

お節介なもので皆に知らせたことがある

何のことやら解らない人、なかには映画のストーリーかと言われた

近頃は目の前の現実として現れているが、羊飼いの犬は群れを美味しい草原に誘導している

太った羊は美味しい肉となり、チーズや干し肉となって羊飼いの胃袋を満たしている  


《以下はそのとき知らせたこと》

いつだったか青い目の悪戯っ子が耳元で囁いた。

「われわれはすべての信仰を破壊し、民衆の心から神と聖霊の思想を奪い、代わりに数字的打算と物質的欲望を与える。

思索と観照の暇を与えないためには民衆の関心を商工業に引き付ける。 
そのようにしてすべての人々は自分の利益のみに没頭して共同の敵を見逃してしまう。

 自由と民主主義が社会を瓦解させてしまうためには商工業を投機的基盤におかなければならない。

 そして商工業が大地から取り出した富は民衆の手から投機家を通じてすべて我々の金庫に収まる。 

 経済的生活で優越を得るための激しい闘争と市場での絶えざる投機は人情薄弱な社会を作り出すだろう。 

 そして、高尚な政治や宗教に対して嫌気がさし金儲けに対する執念だけが唯一の生き甲斐になるだろう。

民衆は金で得られる物質的快楽を求め、金を偶像視するようになるだろう。 

 そこで彼ら民衆の貧乏人どもは高邁な目的のため自ら財を蓄えるためでもなく、ただ錯覚した上流社会への嫉妬にかられ、われらに付き従い、われわれの競争者である特権的立場のものに反逆するだろう」


そういえば古事記に
国稚(わか)く、浮かべる脂(あぶら)のごとくして、くらげなす漂えるとき、葦牙(あしかび)のごと萌えあがる物によりて成れる …  と、ある。
古典や故事を引用するぐらいの知恵者にあやかるまえに、大地の表層に浮かぶ脂やクラゲのように浮遊し、葦の芽ぐらいだった原祖を思い浮かべ、 青い目の悪戯っ子の囁きに、黒い目を白黒することのない心の鎮まりを見つけたいものです》


まさに此のことが以下に紹介する作者のいう目に見えない民族の大謀なのだ



           



今日、ベンガルの友人からアマゾンの書籍紹介が届いた。

http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe800.html

これは日本人の文ではない。

ただ、彼等の終末期、あるいは彼等の見る我々の終末期と思える期に、これほどまで明快に人の歴史の不思議を、日本人に対して謝意を込めて説明する書籍が出版されたことは、意図に戸惑いを含んだ思いを抱かずにはいられない。

筆者も民族を明確に指名して記すことの混乱と、煩雑なる論の喚起を促すことが徒な混乱と無理解なる者の反駁を起こすことによる社会の調和や連帯にダメージを及ぼす過度の遠慮があった。

たとえば、ソ連は実験国家。自由と民主は国家社会を瓦解させる有効な手立て。
先の大戦、特に日中戦争はコミュンテルンの・・という田母神論に代表される論界について、スターリンさえ其のその大謀の範疇に在った、などと縷々と記したが、売文の徒の作った定説を是正することは叶わなかった。

此の期に此の文章。




           
            整理、整頓、倹約の習慣化 於 弘前養生幼稚園



機が訪れたと観るか、そして深遠な心で民族の潜在するものを顧みるか、其の機はいま一歩、附属性価値と錯覚した成功価値にまみえた浮俗から暫し離脱して考える
ことを促している。

ともあれ目から鱗、研究者には再考を、政治家には歴史の勉学を、そして国民には夢から覚めることを期待したい。

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