長寿命化路線に乗れているマンションの不安 | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

昨日は、長寿命化路線に乗れているマンションの特徴

について書きました。

 

そんな、順調に歩んでいる高経年マンションにも

将来に対する不安があります。

 

調査で伺った「不安」をまとめると下記の3つです。

 

一つ目は、

高齢化によって、

管理組合活動、コミュニティ活動が停滞することです。

 

二つ目は、

高齢化によって、年金生活の方が増え、

これ以上の修繕積立金の負担増が厳しくなり、

再生のための資金が不足することです。

 

三つ目は、

新しく入居した次世代(若い世帯)の参加意識が低く、

永住意識や愛着の気持ちも低下していると感じることです。

 

これらは、多かれ少なかれ、

ほとんどの高経年マンションが抱えている課題です。

 

でも、そのことをきちんと認識しているということは、

しっかり運営している証拠とも言えます。

 

そんな認識すらもっていない、

茹でカエル状態の管理組合が多いのですから。

 

で…

一つ目の高齢化による活動の停滞不安に対しては、

意識的な若返り策をとるしかありません。

 

管理組合もコミュニティも、

しっかり運営してきたところほど、

 

年々、担い手の平均年齢が上がって、

病気等で担い手が減っていく不安を抱えながらも、

自分たちが、なかなか主導権を手放せません。

 

任せられる人材がいないから仕方がない…

と思うのでしょうが、

そんなことはないのです。

 

長寿命化路線が定着したら、

 

思い切って、意識的に

若い人に任せる体制をつくっていくことです。

 

あるマンションでは、

まず、新入居者に対しては

必ず、ウェルカムミーティングして、

自分たちのマンションを理解してもらうようにし、

 

さらに、若手の方々が交流できる座談会を企画します。

高齢役員は完全に裏方に回り、

若い人たちが自由に発言し交流できる場をつくって、

若い世代の参加意識を高めているのです。

 

ポイントは、

基本文化は継承してもらうようにしつつも、

そのやり方は、もう若い人たちに任せるということです。

 

これまでのやり方に対するこだわりを捨てて、

大きな変化にも抵抗しないで、

若い人たちがすることを応援するのです。

 

世代交代なくして、

長寿命化路線の継承、100年マンションは

実現しないのですから。

 

 

二つ目、再生のための資金不足については、

 

長寿命化路線に乗せることをしっかり共有したら、

市場の中で選ばれるマンションであり続けるためにも、

必要な再生工事はするしかないのです。

 

資金が不足したら、

住宅金融支援機構からの借り入れをしても

先延ばししないで

必要な時期に実施することは重要だと思います。

 

そして、

できるだけ急な負担増にならないようにしながら、

返済していくことだと思います。

 

お金を借りることを嫌う方もいると思いますが、

長寿命化を決めた以上、

必要な時に必要な工事をしていくということを

崩さない方がいいのです。

 

市場からこぼれ落ちないためにも。

 

ただし、本当に、経済的に厳しい状況で、

お金を使うことに賛成できない人もいると思います。

 

声を上げにくいため表に出なくても、

そういう方がいることを忘れないで、

対策を考えることも必要になるでしょう。

 

具体策については、また別の機会に。

 

三つ目、

新しく入居した次世代(若い世帯)の、

永住意識や愛着の気持ちが長年住んだ人より低い…

これは当たり前と受け止めた方がいいです。

 

自らが管理組合やコミュニティ活動の担い手になり、

ここで、子どもを育て、知り合いができていくことで、

愛着の気持ちは育っていくものです。

 

そして、これからは、

永住意識や愛着にこだわらない住み心地のよさの追求が

必要ではないかと思います。

 

人が入れ替わっても、住み始めた人がすぐ、

住み心地がいいコミュニティだと感じるような…。

 

無理に何かを計画的に継続しようとするのではなく、

その都度、無理なく、人と人とのつながりができるような…。

 

SNSをうまく使えば、いろいろできそうです。

 

同じマンションに住んでいるというのは、

ほんとうにメリットです。

 

今度の土曜日にいっしょにバーベキューをしませんか?

と呼びかけ、

自分の都合がいい時間で参加する…なんてことができます。

 

キャンプ用品をシェアして使うことも、

いらなくなった子供用品を譲るということも…。

 

それこそ、若い世代が中心になることで、

きっといろいろなアイデアが浮かんでくることと思います。

 

長寿命化路線に乗せた、

これまで運営の中心にいた人たちの功績は、

ほんとうに大きいのです。

 

今度は、次世代の人たちが、新しい文化を加えて、

マンションを新たな形で,未来につないでいくのを、

楽しんで見守ってみませんか。

 

 

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