本音で何でも話せる場がマンションにはない | 廣田信子のブログ

廣田信子のブログ

マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

マンションでのワークショップや講演に伺うと、

 

どのマンションでも、

参加者の皆さんは、結構本音の話をしてくれます。

 

で、「こんなことこれまでになかった」…と、

すごく新鮮に感じてくれるのです。

皆さん、すっきりしていい顔で帰られます。

 

ということは、マンションには、

 

何かに賛成反対じゃなくて、

自分が思っていることを自由に発言でき、

それを聞いてもらえる機会って

ほんとうにないのだと思います。

 

そして、そのことに

不思議なくらい気づいていないのです。

 

私に講演やワークショップを依頼しようというマンションは、

管理組合活動は活発で、

未来のことを考えようと活動している人たちもいるのです。

 

でも、たいていは、

最初にお話があったとき、

 

自分のマンションの居住者に対して、

関心がなくて…

意見を言ってくれなくて…

非協力的で…

とマイナスの事前情報を聞くことが多いのに、

 

いざ開催してみると、そんなことはないのです。

みんなそれなりに

いろいろなことを考えているのです。

そのことに、主催した方々もびっくりするのです。

 

考えていない、無関心じゃなくて、

安心して自由に話をできる場がなかったのです。

 

意見を言うことを歓迎されていない場では、

みんな消極的になります。

 

面倒な人とレッテルを張られたり、

何々派いうように対立に巻き込まれたくないですし、

ご近所関係に影響するのもいやですから…。

 

聴く側が、

本当に意見を聞きたいと思っていないから

みんなが安心して意見を言えないのだと私は思います。

 

それぞれ考え方やこだわりが違うのは当たり前で、

今の執行部のやり方に反対の意見を持っている方がいるのも

ごく当たり前なのですが、

 

それに対して構えてしまったり、

一生懸命自分たちのことを理解させようと説明します。

 

そうじゃなくて、ただ、聞けばいいのですが、

それが、なかなかできないのです。

 

私は、もちろん、

みんなの気持ちや意見を引き出すことが役割ですが、

 

聞き出すテクニックうんぬん以前に、

まず、私は、参加されている方々の思いや意見を

純粋に知りたいと思っています。

 

極端な感じ方や、かなりユニークな意見も、

多様性があって、なかなか「いいな」と心から思います。

 

一般のセミナー等では、

いろいろなマンションの方が参加されているので、

寄って立つベースが違うので、

意見交換もどうしても「ほわっとしたもの」になるのですが、

 

同じマンションの方々が集まっての

本音の話はほんとうにおもしろいのです。

話のベースが同じですから。

 

理事の方々が語られる表向きの話とはちょっと違う話も出て、

それも面白いです。

 

私が、いろいろな意見を聞くのがたのしい、

何でもウェルカムの雰囲気があるので、

きっと、皆さん、よく話してくれるのです。

 

外の人だから話せるんだよ…と言われたら

その通りでもあると思います。

 

マンション内の方が進行すると、

 

どうしてもこれを実行したい、

このプランを理解してもらいたい

自分たちに反対することを言われたくない

自分たちが頑張っていることを認めてもらいたい

 

そういうような気持が強く出てしまいます。

 

そういうものがあると、相手が敏感に感じとるのです。

 

いきなり何でもといっても難しいので、

皆が考えるきっかけになるようなネタを提供し、

まず、それについて、それぞれが考えてみる。

 

ある人の意見に他の参加者が耳を傾ける。

発言してくれた方には、

発言してくれてありがとうという気持が伝わるようにする。

 

その意見を聞いて、自分も発言したいと思う人が、

思い切って話をする。

 

またそれを聞いて、他の人も思い切って発言する。

 

そういう化学反応が起き、

だんだん、自由に話すのが当たり前の空気ができます。

 

自分が、みんなの前で口にした言葉を

自分の耳で聞くということも大事な経験です。

あらためて自分の思いを確認できます。

 

自分とは違う意見を聞くことで、

少し、自分の考え方の幅、許容範囲が広がる

ということも起こります。

 

 

それぞれが、自分の世界だけで答える「アンケート」や

もう決議したい内容が決まっていて、

それに対する投票の場になる「総会」では、

そんな化学変化は起こりません。

 

将来の方向性を決めるような

重要な合意形成を成功させるためには、

 

それぞれの意見や価値観、事情を知った上で、

 

共通して大事なことは何だろう…

カバーすることで歩み寄れるところはないだろうか…

と考える習慣が絶対に必要です。

 

そういった話し合いの手法が身についているマンションが、

将来の選択の合意形成ができるのです。

 

そのことを、ぜひぜひお伝えしたと思っています。

 

今年度、(公財)マンション管理センター主催で、

マンション再生セミナー

「改修・建替え・敷地売却…マンションの将来を考える」

が全国で開催されます。

https://www.mankan.or.jp/01_seminar/seminar_in.html

 

「建替え」「敷地売却」を正面から扱うセミナーを

(公財)マンション管理センターは行うのは

初めてではないかと思います。

 

そのくらい、

「長寿命化」だけでなく、「建替え」「敷地売却」まで考えて、

マンションの将来の方向を考えなくてはならない

時代になったのではないかと思います。

 

廣田は、12月17日の福岡セミナーで、

 

合意形成できる管理組合運営とコミュニティ
~目指す方向を決められるマンションになるために~

 

を話しますが、

まさに、いろいろな将来の選択肢の話を聞いた後で、

 

きちんと現実を見極めて、

様々な考え方の違いを乗り越えて、

目指す方向を決められるマンションになるために

必要なことは何かをお話ししたいと思います。

 

九州の皆さん、よろしければ、ぜひご参加下さい。

 

来年になりますが、

東京、名古屋で同様のセミナーがあり

話をする予定です。

 

 

---------------------------------------

ランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります!



マンション管理 ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

 

---------------------------------------

Facebookでもお届けしています!