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東条英機の遺書

《英米諸国人に告げる》

今や諸君は勝者である。我が邦は敗者である。

この深刻な事実は私も固より、これを認めるにやぶさかではない。しかし、諸君の勝利は力による勝利であって、正理公道による

勝利ではない。

私は今ここに、諸君に向かって事実を列挙していく時間はない。

しかし諸君がもし、虚心坦懐で公平な眼差しをもって最近の

歴史的推移を観察するなら、その思い半ばを過ぎるものが

あるのではないだろうか。

我れ等はただ微力であったために正理公道を蹂躙された

のであると痛嘆するだけである。

いかに戦争は手段を選ばないものであるといっても

原子爆弾を使用して無辜の老若男女数万人もしくは数十万人を一挙に殺戮するようなことを敢えて行ったことに対して

あまりにも暴虐非道であると言わなければならない。

 

もし諸般の行いを最後に終えることがなければ、世界は

さらに第三第四第五といった世界戦争を引き起こし

人類を絶滅に至らしめることなければ止むことがなくなるで

あろう。

諸君はすべからく一大猛省し、自らを顧みて天地の

大道に恥じることないよう努めよ。

 

《日本同胞国民諸君》

 

今はただ、承詔必謹する〔伴注:終戦の詔を何があっても

大切に受け止める〕だけである。

私も何も言う言葉がない。

ただ、大東亜戦争は彼らが挑発したものであり

私は国家の生存と国民の自衛のため、止むを得ず受けて

たっただけのことである。

 

この経緯は昭和十六年十二月八日の宣戦の大詔に

特筆大書されているとおりであり、太陽の輝きのように

明白である。

ゆえにもし、世界の世論が、戦争責任者を追及しよう

とするならば、その責任者は我が国にいるのではなく

彼の国にいるということは、彼の国の人間の中にも

そのように明言する者がいるとおりである。

 

不幸にして我が国は力不足のために彼の国に敗けた

けれども、正理公議は厳として我が国あるということは

動かすことのできないことである。

 

力の強弱を、正邪善悪の基準にしては絶対にいけない。

 

人が多ければ天に勝ち、天が定まれば人を破るという

ことは、天道の法則である。

諸君にあっては、大国民であるという誇りを持ち、天が

定まる日を待ちつづけていただきたい。

 

日本は神国である。

永久不滅の国家である。

皇祖皇宗の神霊は畏れ多くも我々を照らし出して見て

おられるのである。

 

諸君、願わくば

自暴自棄となることなく、喪神落胆することなく

皇国の命運を確信し、精進努力することによってこの

一大困難を克服し、もって天日復明の時が来ることを

待たれんことを。

 

《日本青年諸君に告げる。》
《日本青年諸君各位》

 

我が日本は神国である。

この国の最後の望みはただ諸君一人一人の頭上にある。

私は諸君が隠忍自重し、どのような努力をも怠らずに気を

養い、胆を練り、現在の状況に対処することを祈ってやまない。

 

現在、皇国は不幸にして悲嘆の底に陥っている。

 

しかしこれは力の多少や強弱の問題であって、正義公道は

始終一貫して我が国にあるということは少しも疑いを入れない。

 

また、幾百万の同胞がこの戦争のために国家に殉じたが

彼らの英魂毅魄〔伴注:美しく強い魂魄〕は、必ず

永遠にこの国家の鎮護となることであろう。

 

殉国の烈士は、決して犬死したものではない。

 

諸君、ねがわくば大和民族たる自信と誇りをしっかり持ち

日本三千年来の国史の導きに従い、また忠勇義烈なる

先輩の遺旨を追い、もって皇運をいつまでも扶翼せんことを。

これこそがまことに私の最後の願いである。

思うに、今後は、強者に拝跪し、世間におもねり、おかしな

理屈や邪説におもねり、雷同する者どもが少なからず

発生するであろう。

しかし諸君にあっては日本男児の真骨頂を堅持して

いただきたい。

 

真骨頂とは何か。忠君愛国の日本精神。これだけである。

 

                   《東条英機封印された真実》佐藤早苗著  講談社

 

「あれは日本の自衛戦争だった」

                                                  敵将マッカーサー証言

 

終戦からまだ間もない時期に行われた

  マッカーサーの証言である。

 その証言内容は、まさにマッカーサーこそ
              リビジョニストであったことを明確に示しているのだ。