俺の両手には、手錠がかけられていた。
なんで山田、手錠なんか持ってんの
ドラマで刑事役するから？
知念といつも逮捕プレイとかしてんの？
やまちねが一番キワドい２人じゃん！
今そんな冗談言ってる場合では
俺、最大のピンチなのでは？
抵抗できなくなったベッドの上の俺を、山田が見下ろしている。
「知念が悪いんだからね」
「涼介、誤解だって。手錠、解いて」
「そんなこと言ってるけど、コレ、さっきからずっとおさまってない」
「これは・・・」
「俺といるのに、裕翔のこと想って、こんなになってるんだ」
「ちがう」
直前で行き場を失ったそれは、こんな状況でも芯を失っていなかった。
「これが動かぬ証拠じゃん。ピクピク動いてるけどな（笑）・・・知念、逮捕だよ」
山田は強引にキスしてきた。
さっきの甘いそれとは全然違うキス
「・・・ちょっ、や」
「俺のこと裏切るから」
その部分に乱暴に触れる。
なんでこんなことになってしまったのだろう
俺はただ
メンバーとして、山田の隣にいられたら、それでよかったのに
俺のせいで、山田と知念の仲もめちゃくちゃにしてしまった。
流星群にあんなお願いをしたから？
神様、取り消します。
山田と知念の幸せを壊さないでください
知念の頬に、俺の涙が流れた。
「・・・知念？泣いてるの・・・」
「ただ・・・」
「なに・・・」
「山田のことがずっと好きなだけなのに」
絶対に口にしないと決めた言葉
ようやく山田に伝えられた
でも、それは残酷すぎる告白
この告白は、山田にとって、俺からではなく、知念からの言葉なんだ。
山田の顔がにじむ
「知念、ごめん・・・どうかしてた・・・」
俺の想いが届かなくても
山田と知念がうまくいってくれれば
「俺、嫉妬で・・・」
山田は俺の涙を拭いて、手錠を解いた。
「・・・涼介、全部僕のせいだから・・・気にしないで・・・今夜はもう寝よ？」
「わかった。でも、最後にオヤスミのチューしたい」
「え・・・いや、それは・・・」
そのときだった
寝室のドアが、勢いよくバーンと開いた。
「山田！やめろよ。知念、嫌がってるだろ！」
山田がドアの方を振り向く
「裕翔・・・」
そこには、俺が立っていた。
つづく