トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

PCR検査数は過少に国会議員数は過剰に、みえる

2020-05-04 12:29:23 | アベ現象辞典
「感染者数と死亡者数から見て、日本はうまく抑えている」という見解に対しては、「それはPCR検査数が少ない故の誤差かも。カウントされていない感染者そして死者がいるのではないか」という疑問があった。
この点について、3月には「専門家」である某医師がtweetしていた。死者全てでなく間質性肺炎で亡くなった人だけをPCR検査すれば、コロナウィウルス死の人数を掴める、コロナウィウルスでの肺炎は間質性肺炎だからだ・・・そういう説だった。
5月の今、コロナウィウルスが作った血栓での突然死(=脳や心臓の梗塞)の可能性が言われている。これが事実なら、先の某医師の方針ではコロナウィウルスによる死者の数の計測には漏れがある。

COVID-19についてまだあまりわかっていないんじゃない?
なのに先の「専門家」(本人によれば、薬学部出身者・開業医は含まれない。研究医でも分野によっては専門家ではない、とのこと)は早々に断言していた。そういう人の判断を鵜呑みにはしたくない。

PCR検査の実施は、治療そのものだけでなく研究・論文の作成にもつながる。検査数が少ないということは、日本はこの分野での貢献度が低いのでは。
治療のためだけでなく、研究のためにも検査は増やした方が良い、ということはないのかな。テレビ視聴率・世論調査の調査数が少ないのは、統計学的に工夫できるからであって、解明不十分なcovid-19については検査数が少ないとだめなんじゃないかな。
(心筋梗塞・脳梗塞の患者がコロナウィウルスのせいで例年より明らかに多いわけでなければ大丈夫そうだが。突然死の死因は現行制度ではほとんど調査されないのでは)


一方、数は多いのに活かされていないのは、国会議員です。

今年度の当初予算。3月の国会で、野党議員は、コロナウィウルス感染拡大という想定外があったのだから組み替えるべき、と主張した。実現していれば、10万円などの受け取り時期はもっと早かったはず。そして今、家賃に関する野党案をすぐ検討してさっさと成立させればいいものを、なぜか与党案を作り上げるまで待て、と首相は言う。そもそも、新型インフルエンザ特措法の適用も(情けないので以下略)。
コロナウィウルス対策の所用時間やタイミングといったポイントを捨てまくってる政府。財務大臣は企業経営者でもあるのに、預金口座の残高と支払い日の関係に興味がないのか? 
それでも従う与党議員達はかなり変。たぶん、古き良き自民党なら、とっくに安倍首相を辞任させて新しい総裁を決めていたろう。衰退している日本の縮図を見る思い。

第2次安倍政権になってから、ずっとこうだ。安倍政権の自己評価は異常に不当に高いようで、野党議員(維新の党とか入れない)の意見は見下して無視して進む。野党に投票した有権者の意志や見解は、日本にとって無駄なんですかねえ。
与野党そして官僚を合わせても有能な人物は意外に少なそう(今回ついに確信した)だから、能力ある人をもれなく使わないと足りないと思うけどな。今回なんとかなったとして(具体的にはどういう状態を指すのか)、まだ安倍政権だったらさすがにやばいでしょう。


コロナウィウルスの研究も国会もそうだけれど。
個々の人の認知や分析や検討できる質も量も、たいしたことはない。それもあって、多くの人が必要なのだ。私はそう思っている。



だが、社会の傾向はなんだか逆だ。
ゲームのゴールそしてmaxな得点が定まっていて効率よくそこに到達するのが正解、という感じ。「効率よく=低コスト」で、人もコストに含まれる。公務員も従業員も高齢者も外国人も減らせば事態は好転・・・そういう分析が当然のように語られてきた。

でも、ゴールというか進行方向も得点のmaxも定まっていませんよねえ。ゲームじゃなくて現実なんですから。
人類にも地球にもどんな展開が待っているか、誰も知らない。
(その上、AIは人類次第の要素なのに不確定要素扱いしていたりする。「AI発達で消える職業」って何だ。「AIを発達させて消去する職業」とどう違うんだ。主語を隠すからわかりにくいだけじゃん)

PCR検査の件で言えば。医療崩壊防止のためには感染しているかもしれない人々へのPCR検査の少なさは甘受せよ、というのは科学的理知的な考えなのかもしれない。
だが、臨床医が感染者かもしれない目の前の患者を救うためにできる限りのことをするのは、別の方向で正解だと思う。例えば現在は有効な治療法がなくても、感染者と判明していれば治療法確定後すぐに取りかかれるかもしれないし。そして、信頼できる医師は人生の重荷を減らすものでしょう。そういうつながりは社会にも安定感を与える。


印象で書いてしまうが。
小泉政権で、「ゲーム」のゴールと効率良い到達方法がわかっているらしい少数の「勝ち組」(この言葉久しぶりに使う)が良い方法を提示してくれる、という錯覚が固まったのではないか。
与党所属議員のうち郵政民営化に賛成した者・有識者会議のメンバー(竹中平蔵氏が好例)・首相に賛同する官僚・若者を中心に支持される経営者など(橋下徹氏とか堀江貴文氏とかカルロス・ゴーンとか)。そういった「リーダー」達が提示する世界についてのちょっとだけ目新しい解釈を絶対視して、反対者を排除していく。その過程には、仲間割れ・リーダーからの引き立て・十分に検討されてはいないルール・「ゾーニング」されたモラルハザードがある。


だが、ゲームはプレーヤー同士でしか成立しないので。力のある外国・天災、そしてコロナウィウルスは同じ土俵に乗ってくれない。
応用は効かないようです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-05-18 08:34:36
PCR検査が少なかったのは保健所が業務過多になってるからだよね。首相記者会見を自分がちゃんと聞いてなかったくせに批判する人が居るんだね今時。
しかもアベノマスクの点検までした保健所・・・(涙) (甘楽鳥子)
2020-05-19 06:21:33
5月4日の首相のNHKの松本記者への回答のことですか。

「保健所の業務の過多とか、それから入院先をしっかり示す仕組みがない、それからPCR検査を行う地方衛生研究所のリソースが極めて少ない。人員のカットなどもありますし、そういうことがあった。それから、検体採取及び実施体制のマスクや防護服、それから一般医療機関は都道府県との契約をしないとこういう検査ができないという今までの仕組みがあった。それから、検体を取ったら運ぶということに、これに様々な障害がありました。そういうことでありまして、なかなか他の国よりは確かに少なかった。
 しかし、それと同時に、死亡者という、重症化で、本当に肺炎で亡くなったような人については、もちろん最近、報道で、残念なことに路上で亡くなって、後でPCRで分かったという人がおりますけれども、基本的には、日本の医療体制というのは、肺炎を起こしたような、日本の場合には肺炎のサーベイランスをやってきましたから、肺炎を起こすような人はほとんどがCT検査とかをやられて、その多くはPCR検査をやられてきて、そういう意味では、死亡者のようなものは大体正しい件数がピックアップされていると思います」(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0504kaiken.html

保健所の業務過多だけでなく、前段の障害がとりあえず3月14日(1回めの会見)〜5月4日(私の記事をアップロードした日)でどれくらい解消できたのか?ということですね。第三者委員会か何かで検証・分析して今後に役に立つでしょう。しかし、現在は資料がない以上、私のような一般人には是も非も真も偽もわかりません。
 
さて。
私の記事は、後段の「その多くはPCR検査をやられてきて、そういう意味では、死亡者のようなものは大体正しい件数がピックアップされていると思います」についてのもの、ということになります。ご確認ください。

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