感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

リウマチかもしれない と思うとき

2023-07-09 | 一般向け
    リウマチかもしれないと 思ったときどうする? -早期リウマチ?-   このブログではかなり専門的な医師向け医療従事者向けの記事を書いていますが、外来などやっておりますと一般の方からもリウマチ診断について質問もあり、一般向けの記事も... 感染症・リウマチ内科のメモ       . . . 本文を読む

ブログ移転のご挨拶

2023-06-20 | 日記
いつも当ブログ記事をお読みいただきありがとうございます。   当ブログ開設は2012年9月で、ずっとgooブログ様にお世話になってきましたが、 2018年以降、記事の更新が滞っておりました。   このたびブログ活用を勉強しつつさらに機能を拡張させるべく 「感染症・リウマチ内科のメモ」を こちら に移転させていただきました。     . . . 本文を読む

関節リウマチを予防する

2018-09-13 | リウマチ
関節リウマチ前段階(pre-RA)は、臨床的に明らかなリウマチの発症に先行する前段階の状態と思われます。当科外来でもあまり症状のない方で、リウマトイド因子陽性や抗CCP抗体陽性のため紹介をいただくこともあります。RAと発症診断される前の方々はどのように考えると良いのでしょか。最近の知見をよくまとめた文献がありましたので紹介いたします。   ・pre-RAの段階は、自己免疫性の組織傷害 . . . 本文を読む

蟯虫 - 臨床家向け  治療

2018-02-15 | 感染症
前回に引き続きまして蟯虫に関して。今回は治療編です。日本では蟯虫に適応のある薬はコンバントリンのみである。治療は基本は2回投与法である。感染反復のときどうするか。など   治療 ・痒み、刺激、および脱毛は対症療法で ・掻爬による肛門周辺の病変は、黄色水銀酸化物やホウ素化ゼリーなどの緩和軟膏で治療されている   ・蟯虫にはピランテルが有効である(B).海外ではアルベンダゾールやメベンダゾ . . . 本文を読む

蟯虫 - 臨床家向け 症候と診断

2018-02-08 | 感染症
前回の続きで蟯虫についてです。今回は一般臨床家向けに諸文献をまとめました。ほぼ腸管内および肛門部の病気ではありますが、まれに虫垂炎との併発で問題になるようです。また異所性に移行し、腸管外の疾患も惹き起こすことがあります。 女性生殖器との関連の報告が多いようです。   症候 ・感染した人はしばしば無症候性であるが、肛門の周りのかゆみは、一般的な症状 ・かゆみの開始時期、夜間かどうか、他の家族 . . . 本文を読む

ぎょう虫について - 一般向け

2018-02-03 | 一般向け
前回の続きで蟯虫についてです。主に小児の病気ですが、家族間など濃密な接触で容易に感染し広がります。小児感染例を見つけた場合、その家族も含めて治療期間中のその感染経路への理解と対策を含めた生活注意が不可欠です。     ・蟯虫感染症の大部分は無症状である。 ・感染症の最も一般的な臨床症状は、肛門領域のかゆみ ・断続的な腹痛および吐き気 、睡眠障害のための不眠症や、歯ぎしり、落ち着きのなさ、 . . . 本文を読む

蟯虫(ぎょうちゅう)について

2018-02-01 | 感染症
大変稀ではありますが当科では時折小児蟯虫例の診断に付随して、その家族の検査と治療と指導を依頼されることがあります。比較的熱帯地域より温帯地域に多い感染ということでなじみのある寄生虫感染症の一つですが、近年はその症例数も減ってきており、小学校での検診も廃止されたとのニュースは記憶に新しいです。当院は検査部でもメーカーからのセロテープ検査の提供が中止となって検査キットがなく、使える抗寄生虫薬もコンバン . . . 本文を読む

シェーグレンと中枢神経系障害

2018-01-25 | 免疫
前回に引き続き、シェーグレン症候群と神経系障害について、今回は中枢神経障害です。当院でも無菌性髄膜炎例でステロイド投与が著効したことから当科に相談ありいろいろ原因を調べてシェーグレン症候群と診断できた例もありました。自己免疫性としてはSLEや血管炎、橋本病とともに重要な鑑別疾患となります。    まとめ ・シェーグレン症候群(SjS)に関連する中枢神経系(CNS)症状としては、焦点中心病変、 . . . 本文を読む

シェーグレンと末梢神経障害

2018-01-22 | 免疫
前回に引き続き、シェーグレン症候群と神経系障害について、今回は末梢神経障害です。深部覚障害を起こすもの、四肢遠位の痛みを伴うものなどがある。   まとめ ・シェーグレン症候群(SjS)関連の末梢神経系については、軸索ニューロパチー、 神経節神経障害、運動神経障害、小繊維神経障害、多発性単神経炎、および脳神経ニューロパチー、が 報告されている。 ・末梢ニューロパチーの50~60%は感覚性であ . . . 本文を読む

シェーグレン症候群と神経系障害

2018-01-18 | 免疫
 今回はシェーグレン症候群における神経障害についてです。当科でもこの疾患にて通院例は増えておりますが、手足の疼痛の訴えも多く、関節炎症状でない場合、神経の症状ではないかと考える必要があり、その特徴を捉えておくことは大変重要です。末梢神経障害および中枢神経障害それぞれについては次回以降にまとめます。   まとめ   ・原発性シェーグレン症候群(以下SjS)は、抗核抗体、特にRo/SSAおよび . . . 本文を読む

HLA-B27陰性脊椎関節炎

2018-01-10 | 免疫
前回の続きで脊椎関節炎につきまして。過去の当科診断例をみていきますと、典型的なHLA-B27陽性例も見受けられますが、そうでない例も多々あります。特にHLA-B39はよくみられているようです。脊椎関節炎(SpA)とHLA検査との関係につきいくつか文献がありましたのでまとめています。特に日本人ではB27陽性率自体が低く、B39は診断の一助になるのかもしれません。 過去ブログ「HLA検査と免疫疾患」 . . . 本文を読む

遅発性の脊椎関節炎

2018-01-04 | 免疫
明けましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします。 もともと当院の診療圏から都市部の病院とくらべると比較的高齢の方が多い印象です。関節を含めあちこちが痛いと受診や紹介される方が多い当科ですが、皮膚科や眼科からの症例から比較的高齢の方の脊椎関節炎(強直性脊椎炎など多疾患の総称)の診断例が増えてきているようです。それら症例をまとめて発表する機会があり文献をいろいろあたっていました . . . 本文を読む

感謝!!訪者数100万人!

2017-10-10 | 日記
当ブログの訪問者数が 「100万人」 を超えました。 日々閲覧してくださる皆様のおかげです。 ブログ開設は2012年9月で、約5年、です。 ブログ開設当初は、科の立ち上げ後まもなくでもあり、診療の合間の時間もある程度あって、日々疑問に思うことをとことん調べてまとめることもできましたが、徐々に日常診療にも追われるようになりました。当初は論文を一つ読んで記事にしていましたが、最近は複数を読んでま . . . 本文を読む

薬剤誘発好酸球性肺炎

2017-05-25 | 内科
マダニ刺症後、自力でとったら傷口あたりの腫れと痛みあり皮膚科受診、ミノサイクリン投与続けられていた方が、咳と発熱、筋肉痛がでて受診、ダニ関連感染も否定できないとのことで当科受診入院されました。胸部CTにて両側に斑状にすりガラス影あり一部浸潤影を伴っていました。マダニ関連の感染症はいくつか知られていますが、肺に所見でるのはQ熱くらいでしょうか。Q熱肺炎でも多発肺野斑状影が多いとされるが、ずっとMIN . . . 本文を読む

心内膜炎の髄膜合併症はそれほど注目されていない

2017-04-13 | 感染症
意識障害や発熱、髄液検査所見から初期診断は細菌性髄膜炎にて経験的治療が始まり、髄液培養は陰性で血液培養にてStreptococcus salivariusが検出され、血液培養陽性例としてICT介入となった例です。結局全顎的な歯周病が見つかり、また経食道心臓超音波検査では僧帽弁に疣贅がみつかり、抗菌薬の大量および長期投与となりました。肺炎球菌以外のStreptococcusと髄膜炎、そして髄膜炎と心 . . . 本文を読む