致死率の高い非常に危険なくも膜下出血。実は遺伝するって知ってました?

身内でくも膜下出血を発症した人がいる場合は要注意です。

今回は遺伝しやすい「くも膜下出血の原因や前兆症状」についてご紹介します。



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くも膜下出血は遺伝する病気

脳卒中遺伝

親がくも膜下出血を発症した場合、子供の発症リスクは約9~10倍も高くなります。

と言っても、病気そのものが遺伝するのではありません。

くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(血管のこぶ)や脳動静脈奇形が遺伝しやすいんです。

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くも膜下出血の原因

くも膜下出血の原因の80%以上脳動脈瘤の破裂によるものです。

脳動脈瘤とは、脳の動脈の一部が瘤(こぶ)のように膨らんでいる状態で、「未破裂脳動脈瘤」とも言います。瘤になった血管は脆く破れやすくなります。脳動脈瘤が破裂した場合にくも膜下出血を発症します。

親が脳動脈瘤を持っている場合、子供が同様のこぶを持つ割合は10~30%とされます。

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脳動脈瘤くも膜下出血

ちなみに脳動脈瘤の次に多いのは脳動静脈奇形からの出血でくも膜下出血全体の10%を占めます。

くも膜下出血の前兆症状

脳内に脳動脈瘤があると以下の前兆症状が現れることがあります。

  1. 目の異常(物が二重に見える、まぶたが下がる、痛みなど)
  2. 頭痛、しびれ
  3. めまい
  4. 吐き気
  5. 頭部の違和感(モヤモヤ、ボォーッとする)

2の頭痛には警告頭痛に分類されるケースもあります。

警告頭痛とは?

激しい頭痛が出現する前に起こる頭痛のこと。痛みは比較的軽度だが、突然に生じるくも膜下出血に先んじて起こる微小出血によるもの。特異的所見ではないため、これのみでくも膜下出血を疑うのは臨床的に難しいが、やはり些細な頭痛でも見逃し厳禁だ。

くも膜下出血を予防するには?

脳ドックMRI

前項の前兆症状が継続している場合は要注意です。特に頭痛を主訴に受診して調べてみたら脳動脈瘤が見つかったというケースも少なくありません。頭痛などの前兆症状に悩まされているならば思い切って受診してみましょう。

脳ドックを受けよう

脳ドックに含まれる頭部MRA検査により脳動脈を撮影することで、動脈瘤の有無や大きさの程度、血管の奇形や狭窄、脳動静脈奇形による血管の塊の有無を調べることができます。

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生活習慣を改善しよう

喫煙、高血圧、過度の飲酒は絶対にダメ。

とにかく生活習慣の見直しがとても重要となります。高血圧や脂質異常症などで指摘されている方はそれらの治療を積極的に行い、血管へのストレスを減らしましょう。あと外傷を伴うような激しいスポーツ以外は積極的に行うべきです。特にジョギングなどの有酸素運動が効果的です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

とにかく、くも膜下出血の原因となる動脈瘤は遺伝しやすいです。身内で発症した人がいる場合は問答無用で今すぐ脳ドックを受けにいくべきです。

保有している動脈瘤がいつ破裂するかは誰にもわかりません。ただ脳ドックにより動脈瘤の有無を知るだけでも価値はあります。知っていれば破裂を未然に防ぐことができるからです。

くも膜下出血は3分の1が死亡する非常に危険な病気です。生き残ったとしても後遺症により社会復帰が困難なケースも多いです。それほど危険な病気の発症を未然に防ぐことができるのならば、全国民が脳ドックを受けても良いくらい。と、個人的には思います。