『ドリームハイ』第13話(2) | アラベスク&チャイムのブログ

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「ドリームハイ」

第13話(2)

 

 

 

 

  サムドンはヘミに同情で

  心配されていると思い辛かった。

 ヘミからもらった音叉を 

 指ではじいて音を聞きながら

 サムドンは電気もつけずに 

 暗い自分の部屋で悩んでいた。

 

 

 

 

 ”ヘミを心配させたくない!!

 ヘミに同情されるのは嫌だ!!"

 本当はヘミに愛されたいと

 心から願っているサムドン。

 

 

 

 これから自分はどうしたらいいのか

 ・・・それは・・・

 この耳の障害を克服するしかない!!

 そしてヘミを安心させて

 自分に自信が持てたなら

 また、正面からヘミと向き合おう。

 そう心に誓うサムドンがいた。

 

 

 

 

 

 ショーケースを終えたキリン芸校では

ギョンジン先生の音楽授業の教室で

グランドピアノを中心に 

生徒が輪になって並んでいる。

ギョンジンが鍵盤で和音を鳴らす。

 「この和音は 何だか分かる?」

 ピルスクがすかさず手をあげて答えた。

「B2 D3 G3です!」(シレソの和音)

 ギョンジンは満足そうに笑って、

 「じゃあ この音は?」と言って 

ペンでコップを叩いて見せた。

 「分かるわけないだろう。」

ジェイソンが呆れて言った。

 しかし、ピルスクは

「G5だと思います。(高いソ)」と答える。

 するとギョンジンは嬉しそうに興奮して

 「見たでしょ?これが絶対音感よ!!」と 

 ビルスクを指差して言った。

 

 

 

 サムドンはピルスクをじっと見つめる。

 「神が与えた才能ね。」

ギョンジュンはピルスクの耳を褒めた。

ジェイソンは嬉しそうにピルスクを見ている。

ヘミは不満そうに「ありえない。」と口にした。

ギョンジンは言う。「それがあるのよ。

でも、心配しないで、ラベル、シューマン、

ワーグナー、絶対音感がなくても音楽はできるわ。

必要なのは むしろ相対音感ね。」

「相対音感?」とジェイソン。

「音と音の関係を把握する能力のことよ。

 これがドなら ラは?」

 ギョンジンは鍵盤のドを鳴らして 

 生徒にラの音を尋ねた。

 みんなはすぐに「ラ~」と 

 正しい音で発声した。

 「そのとおり!!」

ギョンジンは 満足げだ。

 「基準の音に対して 

他の音を合わせられればいいのよ。」

 

 

 

 

そう言うギョンジンにサムドンは質問した。

「絶対音感はどうしたら鍛えられますか?」

それに対して ギョンジンは笑って言った。

「鍛える方法はないわ。

 絶対音感は天性のものよ。」

 そのやりとりをヘミは横で

 心配そうに見つめている。

 「絶対音感は 

  大衆音楽をやるうえでは邪魔になるわ。」

 そうギョンジンは言うのだが

 サムドンは必死だ。

 「それでも人によっては

  必要な時もあるのではないですか?」

 

 


 
 サムドンの質問に彼の耳のことなど

 何も知らないギョンジンは 

 「私にはないと思うけど。」と 

 笑って言うのだった。

 サムドンは困った顔で 

 それ以上は言葉が出なかった。

 

 

 

 ギョンジンの授業が終わり

 教室を出るなり

 サムドンはピルスクに声をかける。

 「ピルスク!放課後に時間 あるか?」

 「あるけど?」とピルスク。

 「5時に入試クラスで会おう。」

 サムドンがそう言った。

 「いいけど、何の用?」とピルスク。

 「聞きたいことがあるんだ。」

 サムドンはそう言うだけだったが

 「分かった。あとでね!」と 

ピルスクは心良くOKしてサムドンと別れた。

 

 

 

それを見ていたジェイソンはサムドンに

「なぜ入試クラスで会うんだ?

 もう今は芸術クラスなのに。」 

 怪訝そうな顔でそう聞くのだが

「知らなくていい。」とだけ言うサムドン。

 そして去ろうとするサムドンの腕を 

 今度はヘミが引っ張って

 「お昼は?」と尋ねる。

 振り向いたサムドンは

 「約束があるんだ。先に食べろ。」

そう言ってサムドンは去ってゆく。

 きっと今までは 

 いつもヘミはサムドンと一緒に

  お昼を仲良く食べていたのだろう。

 1人ぼっちになったヘミは 

 少しつまらない顔をした。

 そんなヘミにジェイソンが言う。

「サムドンがピルスクに何の用だ?」

 機嫌の悪いヘミは「自分で聞けば?」

 とだけ言って去ってゆく。

 ジェイソンは恋しいピルスクを

 サムドンが呼び出した訳が

 どうしても気になって仕方が無かった。

 

 

 

 


 お昼の学食ではベクヒが

 みんなから仲間はずれにされていた。

 ショーケースで盗作を歌い

 結果めちゃくちゃな舞台になった

 ベクヒを学生たちは内心嘲笑い

 嫌っていたのだ。

 ベクヒが食事を取ろうとテーブルにつくと

 同じテーブルの学生は 

 その場を離れて行った。

 アジョンがやって来て 

「話聞いた?ベクヒがオリジナルと言ってた

 曲はプロの曲を盗作したんだってさ。

いい恥さらしよ。」と話している。

 「汚い女!事務所は放っておくの?」

そう聞かれて アジョンは

 「もうすぐクビになるってさ。

他の事務所も取ってくれないわ。」」と 

 ベクヒに聞こえるように言った。

(友人だったはずのアジョンは意地が悪い!)

 

 

 ベクヒはじっと耐えながら食事をしている。

 その隣にヘミが来て座った。

そして耳にした片方のイヤフォンを外して 

ベクヒの耳に差し込んで食事を食べ始めた。

そのイヤフォンをベクヒは怪訝そうに外して

 「何も聞こえないわ。」

 と、文句を言うのだが

 「いいから付けて。」とだけ言って 

ヘミは黙々と食べている。

 仕方なく、ベクヒはまた

 イヤフォンをつけてヘミに言った。

 「私はまだ終わりじゃないわ。」

ヘミは 下を向いたまま

 「分かってる。」と言う。

ベクヒは「諦めないわ。」強い口調で言った。

 それでも「分かってる。」

ヘミは食べながら優しくつぶやいた。

その言葉に泣きそうになりながら 

ベクヒは自分も食事を口に運ぶのだった。

ベクヒはヘミの思いやりが嬉しかったに違いない。

グクの「お前の味方はヘミだ!」という言葉は 

真実だったと悟ったベクヒだっただろう。

 

 

 

 


 ベクヒは舞台の控室の鏡の前で、

 ショーケースの失態を思い出していた。

 そして何て自分は馬鹿だったのだろうと思い 

 深く溜息をつく。

 するとギョンジンがやって来て

「家に帰らないの?」と言った。ベクヒは

「ちょっと考え事をしていて。」と言った。

「何を考えていたのか当ててみようか?」

 ギョンジンは腕組みをして言った。

「きっとショーケースのことね。

あんなに練習したのになぜ失敗したのか。 

どう?図星でしょ?」

しかしベクヒは「いいえ。

ハズレです。」と言う。

ギョンジンはえっ?と言う顔をして言う。

「そう?じゃあ何を考えてたの?」

ベクヒは溜息をついて言うのだった。

「なぜ失敗したかは 分かります。

 あのまま反則を続けていたら 

 本当に私は終わりだわ。だから

 ユン社長に もう一度頼んでみます。

 機会が与えられたら

 今度は正々堂々、頑張ります。」

 ギョンジンは「じゃあ機会が

 与えられなければ?」と聞いた。

 ベクヒは辛そうに言う。

「その時はまた1からスタートですね。

 反則は使わないから

 辛くて長い道のりになりますよね?」

 ギョンジンは頷く。

 「そんな時は先生が力になってください。」

 泣きそうな顔で言うベクヒの肩に手を置いて 

 ギョンジンは「いいわ。絶対に頑張って!」

そう言ってベクヒの頬を撫でた。

ベクヒは嬉しそうにギョンジンを見つめた。

  

 


 
(ベクヒとギョンジュンの会話は

 放課後のようだから・・・)

時は遡る。

サムドンはヘミと別れてから昼休みに

 音楽室のピアノの前にいた。

 

 

 

 ファの鍵盤に指を置いて

「ア~」と声を出してから

 自分の声とピアノの音が同じか試していた。

 そして、「確かに難しいな。」とつぶやいた。

 またファの音を弾いて その音程に合わせて

 サムドンが「ア~」と声を出していると

 オヒョクが部屋にやって来て

「音感の練習か?」と聞いた。

「はい、先生。」

 と答えるサムドンにオヒョクは言う。

 「絶対音感は訓練で身に付くものじゃない。」

 「知ってます。だけど道を探ってみたいんです。

 絶対音感があれば

 舞台で耳鳴りがしても歌えます。」

 サムドンは希望を見いだそうと必死で 

 そうオヒョクに言った。

 しかし、オヒョクは言いにくそうに言った。

「お前の病気は薬が聞けば

 聴力はこれ以上落ちない。

 問題は耳鳴りだ。お前が歌うのを諦めて 

 作曲に専念すれば病気は問題にならない。

 絶対音感を・・・」

 そこまで聞いてサムドンは

 キッパリ「嫌です!」と言って

 オヒョクの言葉を遮った。

 「僕は歌を諦めません!」と言うサムドン。

 

 

 

 驚くオヒョクにサムドンは宣言する。

 「弱点は、克服してみせます!!」

 頑なに夢を追いかけようと頑張る 

 まっすぐなサムドンに 

 オヒョクはそれ以上何も言えなかった。

 サムドンの目の前の譜面台には 

 ヘミからもらった音叉が置いてある。

 (私は思う。ヘミからもらった音叉は 

 生涯サムドンのお守りとなるんだろうな。)


 

 

 


  そして時計の針は5時半を回った。
 学校の図書館で

  CDを視聴しているジェイソンは

 ヘッドフォンをしながら 

 心は入試クラスで会っている

 ピルスクとサムドンのことが

 気になって仕方がない。

 

 

 

 イライラしながら 

 何度も同じ曲を聞いているのだろう。

 後ろには長蛇の列が出来ている。

 様子を見に行こうかと 

 ヘッドフォンを外してみせると

 後ろの学生はやっと自分の順番かと思うが

 迷っているジェイソンは 

 またヘッドフォンをつけたり外したり・・・

 「教室なんていくらでもあるのに

 なんで入試クラスなんだ??」

 と独り言を言うジェイソン。

 「関係ないさ!音楽に集中しろ!!

  ジェイソン!!」と自分を戒めて 

 また音楽を聞くジェイソンだが

 やはり集中できなくて

「ああ!!イライラする!!」と叫ぶ。

 後ろのインソンは「こっちの台詞だ!!

 行列が出来てるぞ!!」と怒るのだが

その言葉に「よし!今行くぞ!!」

ジェイソンはやっと心を決めて

恋するピルスクの元へ走るのだった。(笑)


 


 


そして、入試クラスにいるピルスクは 

サムドンに「あ~♫」と声を出して

「これがAよ。」と言い、音叉で確認させる。

サムドンが音叉を鳴らしてみれば

間違いなくピルスクの出した声はAの音だ。

「うん。合ってる。」と感心するサムドンに

「私の場合聞こえる音は耳で判断するけど

 出す声は声帯で分かる。」

とピルスクは説明した。

「声帯で?」と言って、

サムドンは自分の喉に手を触れた。

 ピルスクは続ける。

「何て言うか、あ~!!

 ここで声帯がこの程度で震えるなら

 この辺の音だろうって・・・

 体が覚えてるというか・・・。

 分かりにくいでしょ?」

 それでも、サムドンは

「いいや。何となく分かる気がする。」

 と前向きに答えた。

そんなサムドンにピルスクは質問する。

「どうして絶対音感が欲しいの?」

 それには口ごもって

「ちょっと訳ありでな。」と答えるサムドン。

その様子を教室の外で見ていたヘミは 

微笑んで去ろうとした。

サムドンがピルスクと待ち合わせしていたのが 

ヘミも気になって教室を覗いてみたが

サムドンは必死で耳の障害を克服しようと

頑張ってるんだ・・・そう思って

ヘミは嬉しかったのだろう。

そこへジェイソンがコソコソやって来る。(笑)

 「ここで何してるの?」とヘミに聞かれ

 「図書館に行こうとして 迷ったようだ。」

 と誤魔化すジェイソンにヘミは言う。

 「私もちょうど図書館に行くの。

 一緒に行こう!」

 ジェイソンの心のうちを知っていながら 

 意地悪でわざとそう言った。

(サムドンの邪魔をさせたくないし!笑)

ジェイソンの腕を持って

 「向こうよ。」とヘミはどんどん歩きだす。

 困ったジェイソンは 

 慌ててどこかへ去ってゆくのだが

 そんなジェイソンに微笑んで

 ヘミも入試クラスから離れるのだった。

 

 

 

 

 
 そして場面は来賓室だろうか?

 闇金やクラブ経営から足を洗って

 芸能プロダクションの社長となったマ社長が 

 ショーケースを見学した後日に 

 校長を訪ねていた。

 部屋には校長の他にコン先生とメン先生

 そしてジンマンの4人がマ社長を囲んでいる。

 

 

 

 「コ・ヘミとキム・ピルスクを

  スカウトしたい?」

 校長が驚いてマ社長に尋ねている。

 「はい。」と答えるマ社長。

「実力はショーケースで確認済みなのでしょう。

 ここではその他の注意点をお知らせします。」

 にやにや笑いながら校長は

 メン先生に発言を求める。

 メン先生は「まずピルスクですが

 過去の太っていた時の写真が

 問題になります。」そう言って 

 デブのピルスクの写真を見せた。

 「デビュー後、明らかになると 

 本人も傷つきます。歌唱力より 

 顔の大きさが話題に上がってしまいます。

  それが現実ですから。」

 そうメン先生が言うと

 ジンマンが怒って「顔がすべてか?

 顔が歌を歌うのか??みんな酷過ぎる!!」

 そう食ってかかった。 (笑)

 (実は自分が芸能デビューをしたかった

  ジンマンなのだ!笑)

 校長が興奮するジンマンをたしなめて

 「次はコ・ヘミについて。」

 今度はコン先生に発言を求めればこうだ。

 「彼女の最大の問題点は人間性です。

 忍耐力に欠け、無礼で攻撃的です。

 友達の物を盗んだ経歴まであります。

 なのでデビュー後が心配な学生です。

 生放送への出演は避けるべきかと思います。」

 それらを聞いてジンマンはコン先生に

 「ヘミの性格はそこまで悪くないよ!」

 とヘミを庇った。「たとえば?」と聞かれ

 よくよく考えてみれば

 挨拶も我慢強さも礼儀も 

 イマイチだった・・・と思うジンマン。

 「何かないかな?」

 と必死で考えるが思いつかない。(爆)

 そして校長に黙りなさいと 

 合図されうなだれるジンマンだった。

 「ユニークな人選ですね。」

 と、嫌みな校長は言う。

 「よりによってこんな問題児ばかり・・・」

 そこまで言われて、マ社長は想像してみた。

 ヘミとビルスクが

 ラジオの生放送で仕事をしている。

 

 

 

 司会者から自己紹介を促され

 ピルスクは明るく振る舞うが

 ヘミは物凄く無愛想な態度だ。

 そしてリスナーからの電話で 

 メンバーの1人が体重82キロで

 脂肪吸引をしたのねという

 意地悪なことを言われ激怒するヘミ。

 「あんた、バレてるよ。リアでしょ?

  ラジオを使うなんて卑怯よ!!」

 とマイクに向かって怒鳴る。

 「ヘミさん。これは生放送で・・・」

 とタジタジの司会者。

 「ピルスクのことじゃないのに。」

 と言うリスナーに

 ヘミは益々興奮して怒鳴る。

 「ピルスクじゃなかったら、私なの??!!

  それにこの子は

 脂肪吸引なんかしてないの!!

 殺すわよ!!」そう怒鳴るヘミに 

 困り果てるピルスクの姿があった。(笑)


       

 

 

 そんな想像をマ社長はして

 先生方の意見に納得してしまい(笑)

 オヒョクのところへ行き 

 腕組みしながら

 「周りが指名しないのには 

  訳があるんだよな。」と言うのだった。

 オヒョクは困って言う。

 「今更、迷わなくても。」

 しかしマ社長は

 「全財産を投資するのだから 

  慎重に進めたい。これからは 

  商売人の視点で見ないと。」と言うのだ。

 ジンマンも「そうですよね。

 義理と人情ではやっていけませんからね。」

 とマ社長に同意する。

 

 

 しかしオヒョクは違った。

「がっかりです。マ社長だけは違うと思った。

 金を稼ぐために歌手を作るにではなく

 歌手を作るために

 金を稼ぐ方だと思ってました。」

 そうオヒョクが言うと

 ジンマンは掌を返すように

 「私もそう思ってたのに!」と叫ぶ。 (笑)

 「金のために芸能事務所を開いたのですか?」

 とオヒョク。

 「そうじゃないですよね?

 それならがっかりだ!」とジンマン。

  2人に圧倒されて 困るマ社長は

 「そういうわけではないけれど・・・」

 と口ごもっていると

 「それなら 答えは出ましたね。」

 とオヒョクに言われ うっかり

 「はい。」と返事をしてしまい

 「えっ?」と叫ぶマ社長がいた。

 「口車に乗せられた!」とマ社長が言えば 

 また掌をジンマンは返して

 「私も散々痛い目に遭いました!

  あの口車で・・・」とマ社長にささやく。

 しかし「特別講義が終わったら 

 デビューの準備をしましょう。」

 とオヒョクに促され

 「はい。」と答えるマ社長。そして

 「芋男は指名を受けられなかったんですか?」

 とオヒョクに聞いた。

 (芋男とは サムドンのこと!

  ・・・まったく失礼だな!!)

 「あいつはあがり症だったんです。

  相対音感はいいのに

  舞台では音程が乱れるんです。」

 とジンマンが言った。

 それを聞いたオヒョクが

 「相対音感か?」と聞き返し

 「ジンマン、ありがとう!」と言って 

 慌てて部屋を出て行く。

 なんのことだか分からず

 驚くジンマンとマ社長だった。

 

 

 

 


 

 オヒョクはサムドンのところへ

 飛んで行ったのだ。

 音叉を鳴らして

 サムドンの耳に当てて言う。

 「他の音はいいから この音だけ覚えろ!!

  この音程を声帯に覚えさせるんだ!!」

 それを聞いたサムドンは

 「覚えたらどうなるんですか?」

 と聞く。するとオヒョクは明るい声で

 「お前は 相対音感が優れている。

  だからこの音を基準にすれば

  他の音はおのずとつかめるはずだ。」

 サムドンにそう説明するのだった。

 

 

 

 サムドンも納得して

 「なるほど!」と微笑んだ。

 「だから絶対音感がなくても大丈夫だ。」

 とオヒョクに言われ

 サムドンは音叉を自分で鳴らして

 耳に近づけて音叉が発する

 Aの音に集中するのだった。

(ヘミがサムドンに音叉を与えたのは

 元々そういうつもりだったと思うのに!

 まぁこれで、サムドンにはヘミの音叉が 

 正真正銘に一生の宝物になったことには 

 間違いない。)
 


  つづく