『ドリームハイ』第13話(3) | アラベスク&チャイムのブログ

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「ドリームハイ」

第13話(3)

 

 

 

自分の祝賀パティー会場に 

父親から花輪が贈られて

嬉しくて仕方が無い 

可愛い素直な息子のグクは

晩に実家の門の前で父を待っていた。

(実家には婚外子のグクは

 入れないのだろう。可哀そうに!)

 

 

 

そして運転手付きの車で父が帰宅し

グクが近づいて「こんばんは、お父さん。」

と言ってお辞儀をする。

「何の用だ?」と、無愛想な父親に

「今日は 花輪をありがとうございました。」

とグクは言う。すると、父親は

バツの悪そうな顔をして

「キム室長が気を回したな。」

と誤魔化すのだが、

運転手も兼任している室長が

「昨日 会長がご指示を・・・」

と本当のことを言ってしまい

咳払いをする父親に微笑むグクだった。

そして「お父さん、絶対に

がっかりさせないから。」と言うのだった。

「大口を叩いて・・・」と言って 

家の中に入ろうとして

玄関チャイムを鳴らす父の手に

自分のプレゼントした金の腕時計を見つけ

ちゃんと身につけてくれているんだと

グクはまた幸せな顔で微笑むのだった。

 

 

 

「お父さん。お父さんを応援してるよ!!

 来週の選挙、頑張って!!」

グクは父にそう言うと

礼儀正しくお辞儀をして去って行く。

実の子なのに施設から貰い受けた子だと

世間に広めた酷い父親に対しても 

グクはなんて優しい孝行息子なのだろう。

そんなグクを泣きそうな顔で見送る父だった。

 

 

 

 

 

 

オヒョクの家では姉(魔女)

マフラーを手に溜息をついていた。

酔っぱらって、若い美男子から

貸してもらったマフラーだと 

思いこんでいたのに、なんと実は

マ社長のマフラーだったなんて・・・。

魔女は素敵な夢が覚めてしまった 

虚しさを味わっている。

ヘミが歯を磨きながら降りて来て

「サムドンはまだ?」と聞いた。

それに魔女は答えず

「ミン・ドンシクでもない。

 ムン・テソンでもない。

なぜよりによって・・・

 マ・ドゥシクなのかしら!!」

そう言って号泣しだす魔女。 (爆)

ヘミは歯ブラシを口から出して苦笑いする。

 

 

 

するとヘミの携帯が鳴って

出て見ればグクだった。

ヘミはグクに呼び出され門の外へ出てみる。

するとグクが背を向けて立っていたので

肩を叩いていきなりクラッカーを鳴らした。

「何だよ!」と驚くグクに

「1位おめでとう!!

ネットで映像も見たわ。」とヘミは言った。

それでもグクは「めでたくなさそうだぞ。」

とヘミに文句を言う。

 


 
「これが私の めでたい顔なの!」と

ヘミは無表情で言う。 (笑)

「俺がソロで1位になって 

 嫉妬してるんだろう?」とグク。

 するとヘミはムキになって

「嫉妬じゃない!!」と叫んでから

「・・・羨ましいだけよ。」と 

素直にグクに言うのだった。

「少しは笑えよ。

 父さんも花輪をくれたんだ。」 

 久し振りにヘミに会えて 

嬉しい報告を祝ってもらいたいグクだった。

「あなたのお父さんが?花輪を?」

ヘミは初めて嬉しそうな顔をした。

グクも心から嬉しくて「ああ。」と微笑む。

「本当?」とヘミ。「本当だ。」

そう言うグクにヘミは今度は可愛い笑顔で 

またクラッカーをパン!と鳴らして

「おめでとう!」と言った。

 

 

 

「もう1個あったのか?」グクはまた驚いた。

「予備だもん。」そう言って笑うヘミの

頬っぺたをグクは両手でつねった。

「何するの?」「これは夢じゃないよな。」

とヘミに笑うグクに

「自分の頬っぺたを使ってよ!」と

ヘミはお返しで両手でグクの頬っぺたを 

思いっきりつまむ。

お互いにお互いの頬っぺたを 

両手でつまみあう仲の良い恋人同士。

「放せ!」「あなたから!」

「じゃあ1,2,3で放そう!」

「1,2,3!」と数えて

グクはヘミから手を放したのに 

ヘミはまだグクをつねったままだった。

 

 

グクが苦しがっていると 

サムドンが帰ってくる。

「サムドン!」グクが先に 

サムドンに気がついた。

サムドンと名前を聞いて 

ヘミはパッとグクから手を放して

サムドンの方を見た。

その反応にグクは違和感を持った。

 

 

「サムドン。お帰り。」

と言うヘミを無視して

サムドンはグクに
 「おめでとう!1位だってな。」

とお祝いを言った。

「ああ、ありがとう。

・・・でも、お前は大丈夫か?

あがり症だと聞いたぞ。」

と、グクはサムドンに言った。

サムドンは えっ?という顔をして

ヘミがグクにも自分の耳の病気を

言ってないのだと知る。

 

 

そしてヘミをチラリと見てから

「ああ・・・心配することはない。」

とグクに言い、ヘミに向かって

2人の邪魔はしないというように 

「先に帰ってるから。」

そうさりげなく言うと

サムドンは家に入って行った。

ヘミは「うん。」と言って 

去ってゆくサムドンを目で追いかける。

(このヘミの心境もちょっと複雑!)

 

 

 

 

するとグクの携帯電話が鳴り

グクが「もしもし」と出ると

それはグクの父親の付き人の

室長からの電話だった。

「そんな記事は嫌だ!」と 

グクは室長に向かって強い口調で言い

「社長と直接話しますから。」

そう言って電話を切った。

ヘミが心配そうに「何かあったの?」と聞くと

「社長が俺のPRに父さんを使おうとしてる。」

とグクが言い「本当?」とヘミが怒ると

「話せば分かるさ。」と言うグクだった。 
「じゃあ行ってきて。」「じゃあな。」

そう言ってヘミとグクは別れた。

車に乗り込むグクは 

ヘミに笑顔で手を振ったが、

ヘミは笑ってグクを見送れなかった。

芸能界に身を置くということは 

大変なことなんだ・・・

ヘミはそう思っていたのか?もしくは・・・

グクがまた傷つくことがなければいいと

優しいヘミは心配したのかもしれない。

 

 

 

 

 


 一方、ベクヒはどうにか盗作の件を

許してもらえないかと事務所の廊下で 

社長に電話をかけていた。

「社長ですか?ベクヒです。

 話があるんですが、

 社長室にいらっしゃいますか?

 今から伺います。」そう言って

 決心したようにベクヒは社長室へ向かう。

 


 


 その晩。

 オヒョクの部屋に魔女が飛び込んで来て
 「オヒョク、起きて!!」と弟を起こした。

 オヒョクが寝ぼけて起きあがると

 魔女は言った。

 「デスクから電話があったの。

  グクが暴行事件を起こしたって。」

 「なに?」オヒョクは訳が分からない。

 オヒョクが慌てて警察へ向かうと 

 大勢の報道陣が集まっていた。

 「こちらは江南警察署前です。

トップ企画のユン代表を暴行した容疑で

  ヒョン・シヒョクが逮捕されました。」

 そうTV局のアナウンサーが 

カメラに向かって話している。

 

 

 

 

オヒョクは緊張して警察署の中へ入ってゆく。

「キリン芸高の教師ですが

 シヒョクはどこにいますか?」

 オヒョクが尋ねると

「刑事課で取り調べ中です。」と言われるが

 その人がグクに気がついて

「来ましたよ!」と、教えてくれる。

グクは俯いて腕を刑事に掴まれて歩いていた。

「グク!」オヒョクが叫んで傍に近寄った。

するとグクは顔をあげて

オヒョクの顔を見て「先生・・・。」と

泣きそうな瞳で言うのだった。警察官は言う。

「保護者と連絡が取れず、保釈ができません。」

オヒョクは「私が引き受けます!」と即答した。

グクは有難くて嬉しい気持ちと 

申し訳ない気持ちで胸が一杯だ。

「先生でしたね。では身元引受証にご記入を。

追加調査があるので、後日出頭を願います。」

警察官の指示に、グクは自分が

犯罪者なのだと悲しくなった。

オヒョクは心配そうにグクを見つめている。


 

 


こうして逮捕されたグクは

オヒョクに連れられて警察を出る。

しかし、詰めかけた大勢の報道人に囲まれ

「暴行事件は本当ですか?」「理由は?」

「今の心境は?」「ヒョン会長は何と?」

「和解は?」「今後の活動は?」

「一言ください!!」と 

凄まじい取材攻撃に遭ってしまう。

 

 

グクが一番心を痛めたのは 

選挙が間近の父親のことだった。

自分のしでかした事件で 

さぞや困っているだろうと・・・

孝行息子のはずのグクは 

改めて事の重大さを思い知った。

オヒョクはグクをひたすら庇い

グクは無言のまま歩いた。

そしてオヒョクが報道陣から

グクをかくまおうと連れて来た場所は 

昔のグクのアジトだった。

「売りに出したビルをマ社長が買い取った。」

そうオヒョクは言った。

グクは久し振りのアジトが懐かしいより

今、自分のおかれた現実に 

打ちのめされていた。

うなだれるグクに 

オヒョクは初めてグクに尋ねた。

「何があった?事情があったんだろ?」

 しかしグクは 口をつぐんだままだ。

 

 

 

「言えないのか?」「すみません。」

グクの様子を伺っていたオヒョクは 

もうそれ以上聞かなかった。

オヒョクはグクを信頼していたから

グクが何も言わないのには

それなりの理由があるのだろうと察したのだ。

「腹減っただろう?」そう言って笑って

オヒョクは食べ物を買いに

アジトから出て行った。

グクは、そんなオヒョクの存在が嬉しかった。

そして・・・父のことを思い

自分の将来を思った。

せっかくソロデビューを果たし

しかも全チャートNo.1に登り詰めたというのに

グクに果てしない不安が襲いかかった。

「地下に逆戻りか。」そうグクはつぶやいた。

 

 


 
翌日の朝。オヒョクの家の前では 

取材陣が貼りこんでいた。

オヒョクに連れられて

グクがやって来ていると思っているらしい。

登校しようと下へ降りて来たサムドンは 

TVにかじりついているヘミを見て

そしてそのTV報道に驚いた。

「ヒョン君は昨夜11時頃

 トップ企画の事務所で

ユン代表を暴行した容疑が持たれています。

取り調べでヒョン君は容疑を認め・・・」

サムドンがヘミに近づき

「何だこれ?」とヘミに尋ねる。

 

 

 

 

TVの画面には警察に連行される

グクの姿が映し出されたいた。

「一時調査を終え、保釈されました。」

そしてTV画面は暴行された

ユン代表のインタビューが続く。

「あごの骨にひびが入り、腰と首を痛めて

 当分は車椅子が必要です。

 折れたのは骨だけではない。

心が・・・彼を信じていたこの心が!」

そう言って、顔を包帯で巻かれた

ユン代表は泣いている。

 

 

 

そして今度は

事務所の隠しカメラの映像がTVに映る。

グクが代表を廊下に引きずり出して 

頬を殴った映像だ。

「警察は取り調べを続け

容疑が固まり次第、送検する予定です。」

グクが何度も殴るシーンを繰り返す

TVのスイッチを切ったのはオヒョクだった。

TVの前で並んで座って見ていたサムドンと

ヘミはオヒョクを見て立ちあがる。

「グクは?今どこなの?」と

 真っ先にヘミが尋ねた。

オヒョクが、ひとまずアジトにいると言うと

「理由は何だって?」とサムドン。

「話そうとしない。」とオヒョク。

ヘミはその理由が何なのか・・・

なぜ話さないのか不思議に思う。

 

 


 
一方、グクの父親の選挙事務所でも

 TV画面に釘付けの父がいた。

 TVを見る父親の腕には 

グクがプレゼントした金の腕時計があった。

 「ヒョン君の暴行事件と関連し

ヒョニャン・グループのヒョン会長は

沈黙を貫いていいます。

高陽市長選に立候補したヒョン会長は

ヒョン君の養父として・・・」

途中で、キム室長がTVを消した。

「記事になるのを防ごうとしましたが

 手遅れで・・・」と室長。

 父親は無念そうに目を閉じた。

「意図的に事を大きくしたようです。」

 室長はそう言った。

 

 

それは選挙妨害を兼ねて

相手の候補者がユン代表を

金で丸めこんだのかもしれなかった。

父が息子の居場所を室長に尋ねると

室長はオヒョクが引き取ったと言い

今、父親のヒョン会長が動くのは

逆効果だとアドバイスする。

グクの父は深く溜息をついた。

なぜあの優しい息子が??

グクの父親はその訳を知りたかった。

 

 

 

 
キリン芸高でもグクの暴行事件は

大騒ぎになっていた。

学生たちがPCのネット映像を見て笑っている。

 ”暴力王 ヒョン・シヒョク

””今 殴りに行きます”

 ”ヤクザみたいなシヒョク”

”暴力の中に”すべて映画のパロディで

グクの顔にすり替えてポスターが作られている。

その中でアジョンが意地悪そうに言う。

 「トップシークレットがあるんだけど・・・。

昔、グクとベクヒがデュエットしたでしょ?

あの時、ベクヒが目に星を描いてた・・・。

あれもグクに殴られて

アザを隠すためだったのよ。」

そんなアジョンの作り話に 

本気になっている学生を

離れて見ていたグクの昔からの親友の

インソンはいたたまれなくなり

彼らの覗いていたノートPCの蓋を閉じて

「めったなことを言うな!!」

と怒鳴って去ってゆく。

 


   


グループKの楽屋でも 

意地悪なリアがヒソヒソ喋っている。

「あの噂聞いた?

グクの実の父親はヤクザだって。」

「私も聞いたわ。

背中に竜の入れ墨があるとか・・・」

「見た?」「あいつの背中 

見たことないな。」と言う先輩。

離れて聞いていたベクヒは 

その噂話に驚きを隠せない。

「本当なのね!」

「入れ墨なんて怖いわ!!」

とリア達が騒ぐ。するとジェイソンが

バンと鏡台を叩いて「うるさいぞ!!」

と英語で怒って楽屋を出て行った。

(ジェイソンは帰国子弟なので

 興奮すると英語になる。笑)

 

 

 

ジャエイソンに叱られたメンバーも

支度を終えて楽屋から出た。

ただ1人、着替えの為のカーテンの中に

隠れていたベクヒは

メンバーのグクに対する態度に困惑して 

泣きそうな顔になっている。

そして”どうしよう”と悩んでいる様子。

どうやらグクの暴行事件の真相は 

ベクヒが知っているようだ。

 

 

 


そしてグクはオヒョクに連れられて

オヒョクの家に戻って来た。

深夜遅いのか、報道陣もいなかった。

「大丈夫。誰もいない。」

オヒョクがグクを促して 

門をくぐるとヘミとサムドンが

壁に貼り付けられた”暴力大好き!”

などの野次のポスターを 

2人で剥がしていた。

 

 

グクを見て「お帰り。」

とヘミが優しく声をかる。

グクは壁のポスターを見て辛くなるが

「よく来たな。」と言うサムドンや

ヘミの顔を見て心が救われ微笑むのだった。

 ”ああ、俺を信頼してくれる

友達がここにいた!”

グクはオヒョクやヘミ達のいる 

この家が心のアジトだったに違いない。

 

 

 

 

魔女も大好きなグクのために料理を振る舞う。

 「牛骨湯よ。食べると体が温まるわ。」

 「ありがとう。でも、食欲がなくて。」

とグクが言う。(あの大食感のグクが

食欲がない??よっぽど凹んでいるのね。)

 「よっぽど悔しかったのね。

言いたいことがあるのに言えないからよ。

この私を信じて打ち明けてごらん。」

そう言って魔女は

ボイスレコーダーをテーブルに置いた。

「姉さん!」「お姉さん!」

「おばさん!!」とオヒョク、ヘミ

ヘソンに責められる魔女だった。 (笑)

 しかし、グクは深刻な顔をして

ただ食卓の前で黙っていた。

 

 

 

そこへグクの父親が

オヒョクの家を訪ねて来た。

サムドンが気を効かせて

グクと父は2人きりになって

男子の部屋で向き合っていた。

 

 

 

父は息子に言った。「ユン代表側は

和解には応じないそうだ。

今度、私が説得するが

お前の話も聞こう。お前は理由も無く 

人を殴るような子じゃない。

ユン代表に何をされたんだ?」

息子を信じて質問してくれる父親が 

グクは嬉しかった。しかし

「何もされていません。僕が軽率だった。」

そうグクは言った。

「言え!何を隠してるんだ?」

父が立ち上がってグクに言う。

「このままでは 私もお前も

すべてを失うぞ!」

 グクの頬に涙が流れた。「すみません。

がっかりさせないと言ったのに。」

グクは父を困らせている自分が悔しくて

悲しかった。

 

 

「これがお前の言う応援か?

お前の夢はこの程度のものなのか?」

グクの涙は止まらない。

そして父の前でグクは土下座をして

「すみません。お父さん!

 本当にごめんなさい!」

そう言って泣き崩れるのだった。

 1階では「何か聞こえる?」

とボイスレコーダーを片手に魔女。

グクを心配して立っていたオヒョクと

ヘミやヘソンは階段の下で呆れた。 

 

 


 

 

 

そして、真相を知っているベクヒ。

小さな万屋を営む実家に帰宅すると

母が喜んでいた。事務所の社長から

贈り物が届いたと言って箱を開けると

中から立派なアワビが沢山入っている。

大喜びの母。しかし、ベクヒは

涙をためて「返そう。」と母をたしなめた。

盆や正月でもないのに変だと思いながらも

ベクヒの母は

「せっかくいただいたのに!!」と 

アワビの箱を放さなかった。

「冷蔵庫に入れれば3カ月は持つわ。」

と喜ぶ母親に「ママ!!」と

大声で怒鳴るベクヒは

「お願いだから返そう。」

と泣いて懇願して走って出て行った。

娘の様子に驚く母だけが 

店に取り残されるのだった。

 

 

 


そしてグクの父が去ったその晩。

サムドンが部屋に入って

「お前のパンツ履いたぞ。」

とグクに声をかけるのだが

グクはふさぎこんで無反応だった。

そんなグクにサムドンは

「ああ、つまらないな。

これじゃゲームにならない。」と言う。

グクはゲームと言われてサムドンを見た。

 サムドンは言う。

「人生はこれまでと思うのか?

 この世で自分が一番 不幸か?」

 グクは「寝かせてくれ。」と 

サムドンの言葉に耳を貸そうとしない。

「賭けるか?どっちが不幸か。」

サムドンはシツコク喋っている。

グクは聞きたくないと布団を頭から被った。

それでもサムドンはグクに話しかける。

(グクを立ち直らせようと 

  サムドンは必死だ。)

 

 

 

 

 「お前は母親がいない。

俺は父親がいない。まずは引きわけだ。」

それを聞いたグクは怒って

布団をはいで起き上がる。

「やめろ!」とサムドンに言うのだが

サムドンはやめない。 (笑)

「お前は歌手でチャート1位。

俺はデビューも出来ない。

どうだ?俺の方が不幸だろ?」

グクは聞いていられないという風に 

部屋を出て行こうとする。

そのグクの腕を掴んで振り向かせて

サムドンは言う。「最後まで聞け!」

この時のサムドンは勇ましい!!

 

 

 

「お前は人を殴ってイメージが地に落ちた。」

サムドンのその言葉に 

グクは我慢できずにサムドンの胸ぐらを掴んで

「やめないか!」と本気で睨んだ。

しかし、ひるまずにサムドンは続ける。

 

 

 

「だが、俺はその上を行く。

デカイのがある。・・・耳が壊れた!」

グクの目をまっすぐ見つめて 

真面目にサムドンは言った。

グクは驚く。「なに?」

意味が分からないからだ。

本当は同情されたくない

プライドの高いサムドンだが

知られたくなかった真実を 

正直に彼は告白した。

「時々耳鳴りがして何も聞こえなくなる。

ショーケースの日も・・・

あがり症なんかじゃない。」

グクはサムドンを掴んでいた手を放した。

「どうだ?俺も負けてないだろ?」

グクは何も言えなかった。

「だけど、こうして気張っている。
 耳が聞こえなくても歌えるように・・・。

 何でか分かるか?」

 グクはサムドンを見つめた。

 

 

 

 

サムドンはグクに素直に語った。

 「お前に勝ちたい。」

そう言われて驚くグク。「俺に勝つだと?」

サムドンはまっすぐグクの瞳を見て宣言した。

「そうだ!同情なんか吹き飛ぶほど 

 カッコよくなってみせる。 そして堂々と

お前と男同士の勝負をする!!」
  「・・・ヘミのことか?」グクが尋ねた。

 するとサムドンは「頭のいい奴め。」

と笑って言うのだった。

 そしてサムドンは言う。

「長くは待てないぞ。早く立ち直れ!」


 

 


 男同士の勝負!! 

そんな風にサムドンに励まされるとは 

夢にも思っていなかったグクは 

改めてサムドンの存在が

自分にとっていかに大事なものなのか

ズッシリ心に響いたはずだ。

 (いいなぁ、男同士って~!!笑

 あ!!すみません!!まだ終わらず・・・)

 

      つづく

 

 


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