ひさかたの天つしるしと水無し川へだてておきし神代し恨めし

七夕伝説が日本に伝わったのは奈良時代といわれる。ちなみにこれが日本元来の「棚機津女」伝説と習合した結果、七夕を「たなばた」と言うようになった。さて、万葉集では七夕伝説の影響をもろに受けている。巻十の「秋雑歌」はのっけから百首弱もの七夕歌が採られている。古今集ではこれが1/10程度に減ってしまうのだから、万葉集における関心の高さが伺えるだろう。ところが内容といえば今日の様に『天のしるしとして、水無し川(天の川)で隔てた神代が恨めしい』と、内容をそのままなぞらえた単純なものが多く、たいして面白くない。

(日めくりめく一首)

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