区分所有法第17(共用部分の変更)のうち「その形状

又は効用の著しい変更を伴わないもの」を除いた変更に

ついて第17条が適用されると規定している。

 

この規定は平成14年に改正されるまでは

「共用部分の変更(改良を目的としかつ、著しく多額の

費用を要しないものを除く)は、区分所有者及び

議決権の各3/4以上の多数による集会の決議で決する」と

されていました。

 

大規模修繕工事は多額の費用を要する場合が多いので

区分所有者及び議決権の各3/4以上で議決する特別決議が

必要とされていましたが、平成14年の改正法施行後は

敷地及び共用部分の著しい変更を伴わない場合は

出席者の議決権の過半数で決することができる

普通決議で大規模修繕を実施できると考えられます。

 

このように区分所有法第171項本文改正の趣旨は

定期的に行う大規模修繕工事の円滑な実施を図ることに

あります。

 

・効用の著しい変更を伴う工事とは

標準管理規約第47条関連のコメントでは基本的には

各工事の具多的な内容に基づく

 

個別の判断によることを踏まえて次のように

コメントが記載されています。

 

・バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的

構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段に

スロープを併設し、手摺りを追加する工事は

普通決議により、

 

階段室部分を改造したり、建物の外壁部分に新たに

外付けしたりしてエレベーターを設置する工事は

特別決議により実施可能と考えられます。

 

・耐震改修工事に関し、柱や梁に炭素繊維シートや

鉄板を巻きつけて補修する工事や、構造躯体に壁や

筋かいなどの耐震部材を設置する工事で基本的

構造部分への加工が小さいものは普通決議で

実施可能と考えられます。

 

・防犯化工事では、オートロック設備を設置する際

配線を、空き管、路内に通したり、建物の外周に設置

したりするなど共用部分の加工程度が小さい工事や

防犯カメラ、防犯灯の設置工事は普通決議により

工事可能と考えられます。

 

特別決議を必要とする修繕、普通決議で良い修繕に

ついては、専門家を交えて検討されることが大事です。

 

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