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村上春樹 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)2017・新潮社-その1・哀しみとユーモアと

2024年04月09日 | 村上春樹を読む

 2017年春のブログです

     *  

 村上さんの 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)(2017・新潮社)を読みました。

 これからも読後感や印象がどんどん変化すると予想するのですが、第1報をとりあえず書いてみます。

 まずは、とてもおもしろかったです。

 じーじのこころの準備不足のせいか、エンジンのかかるのが少し遅かったのですが、途中から物語に引き込まれて、土日月の3日間で読んでしまいました(もったいない!)。

 テーマは重層的で深いです。

 あまり詳しくは書きませんが、善と悪、戦争、人殺し、死者と対象喪失、こころから哀しむこと、信ずること、その他もろもろ。

 偶然でしょうが、対象喪失とこころから哀しむことのテーマが出てきました(と、いっても、じーじがそう感じているだけで、普遍的なものとはいえないのかもしれませんが…、最近、そのようなことを考えている私にとっては、意味のある偶然です)。

 まだ読んでないかたも多いと思いますので、あらすじもあえて書きません(もっとも、村上さんの小説の場合、あらすじよりは、何を感じるか、のほうが大切な気がしますが…)。

 印象としては、ねじまき鳥と海辺のカフカの延長線上にあるような感じで、深く、重い内容ですが、カフカに出てくるホシノくんのユーモアのようなものにところどころ包まれているような印象を受けます。

 深く、重い物語を少しのユーモアが救ってくれるかのようです。

 われわれの人生は死や哀しみを避けられないものですが、しかし、ユーモアや信ずるということによってなんとか生き残っていけるのかもしれません。

 さらに、読みこんでいきたいと思います。    (2017.3 記)

     *

 2023年6月の追記です

 哀しみや別れや死は人生において避けられないですが、それを受け容れるためには、少しのゆとりやユーモアなどが大切なのでしょうね。

 そうすることで、逃げることなく、人生のわからないことにも耐えて、生きていけるのかもしれません。

 そして、それがこころの成熟ということなのかもしれませんね。     (2023.6 記)

 


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2 コメント

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初めまして (峰野裕二郎)
2017-11-13 16:12:24
仕事柄、長年に渡り思春期の子供たちと接してきたことから、子供の心の問題は気になるところです。
勉強させていただきたく、読者登録させていただきました。
こちらこそよろしくお願いします (どさんこじーじ)
2017-11-13 18:13:25
こちらこそよろしくお願いいたします。
いろいろなかたのブログを読んで、学ぶことやこころがふ~となることがたくさんあります。
じーじですが、くたびれない程度に頑張っていきたい思っています。

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