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堀江敏幸『いつか王子駅で』2006・新潮文庫-ゆったりと時が流れる懐かしさを感じる物語

2023年04月16日 | 小説を読む

 2019年夏のブログです

     *

 またまた堀江敏幸さんの小説を読んでしまいました。

 ゆったりと時が流れるさまが心地よくて、旅先でのんびりしているせいもあってか、すっかりはまってしまいました。

 今回は『いつか王子駅で』(2006・新潮文庫)。

 こちらもなんだか懐かしい感じのするいい小説です。

 あらすじはあえて書きませんし、たいして大きな事件が起こるわけでもないのですが、日常のささいなできごとをていねいに描きます。

 少しだけユーモラスな感じも…。

 文章がいいです。

 ほっこりします。

 あえていうと、長嶋有さんの小説をセピア色にしたような感じ。

 それで伝わるでしょうか?(長嶋有さんの小説を知らない人には、なんのこっちゃ?と思われるでしょうが…)。

 何かを読みとる小説というよりは、何かを感じる小説。

 読み終えると、何かが少しだけ変わっているような、変わっていないような、そんな感じ。

 そんな中で主人公が家庭教師として教えている女子中学生の輝きがいいです。

 自分にもこんな時代があったかな?と反省させられます。

 そして、孫娘たちにはぜひこんな中学時代を送ってほしいな、と思います。

 輝きと落ちつき。

 ゆったりとした時の中で、確かなものが続いていく物語です。(2019.8 記)

 


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2 コメント

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Unknown (h_tutiya)
2021-05-05 01:27:35
堀江敏幸も好き
コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2021-05-05 04:43:36
堀江さん、いいですよね。
忙しい時に読むと、本当に落ち着けます。
大切ですよね、このリズムと雰囲気。

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