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身近な生き物:イノシシを追う

2019-02-20 06:32:27 | 日記
超人的な能力

 地域の案内書に目を引く告知がありました。
<趣旨に賛同いただける皆様の積極的な参加をお願いします。>と結ばれるその文章は、
<有害鳥獣から作物を守るために、>ではじまります。
イノシシ、ニホンジカを対象にした勢子猟を今月末に行うので勢子として参加する方を募集
します、と書かれていました。
 何?何の資格も持たない一般人が猟に参加できる?
珍しいもの、新しいものにはすぐ飛びつきたくなる私は、俄然興味を覚えました。

 調べると「勢子猟」は「巻き猟」とも呼ばれています。
<中世から行われている猟で、シカやイノシシが生息する狩場を大人数で四方から取り囲み、
獲物を追い詰めて射止める大規模な狩猟。
追い立てる者を勢子と呼ぶ。>(Wikipedia より)
 実際の手順はこんな具合に進むそうです。
<獣道や足跡の向きを調べて獲物の潜む場所を見当付ける。
これを「見切り」と呼ぶ。
メンバー全員で打ち合わせをした後、射手が「タツマを張る」
これは配置につく事の業界用語。
勢子は犬を入れる場所で待機し、無線の指示で犬を放つ。>(目指せ!狩りガール より)

 犬に追われたイノシシが逃げるのは「通い」と呼ばれる獣道。
それが何本もあるのでどこで待ち伏せするかの判断が狩りの成果に直結します。
だから見切りはベテラン猟師の腕の見せ所。
 一方追い込みをかける仕事は一番キツイ役割となります。
<勢子は山ひとつ越えて追う事もあるので、体力と山の歩き方などの知識が必要。>
(ハンター日記 より)
 今回の募集案内には<猟友会の皆さんの指示で、間隔を開けてグループで山中を移動
しながら大声・鳴り物等で獣を驚かせ、追い出す作業をします。>と書かれていました。
 割と簡単そうに思えますが、ベテラン勢子の実力は超人的だと言います。
<普通の人間だったらしがみ付いただけで足がつりそうな急斜面をひょいひょいと身軽に登っていく。
ヤマの中の植生や獣道の様子を知り尽くしている。>(食料捕獲作戦! より)
 それでも雪の無い時期に10人ほどで4~5回行って成果が1匹、勢子猟はかなり
厳しい猟の様です。(狩猟への誘い より)

束の間の興奮

 狩猟に対しては様々な意見があります。
命を奪うのだから当然です。
 でも生き物の存在は尊重しながら、むやみに交わらない工夫は大切です。
うっかりと接近遭遇すれば重大な事故に繋がりかねません。
動物たちに人間の住む場所との境界線を知らせる点で、勢子猟は意味のある大事な催しに思えます。
だから勢子に加えてもらおうと決めました。
 そうしてカレンダーに目を移すと、猟が行われる日には別の予定が既に書きこまれています。
普段できない体験を期待した私は束の間舞い上がった挙句、何事も無かったかのように日常生活に
戻るのでした。

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