今日は朝から仕事で顧客の家に行った。


猫を2匹飼っているこの顧客の家には、至るところに猫用のおもちゃが転がっている。


そして猫が自由に出入りできるように、アルフレスコに通じるガラスドアを常に15センチほど開けてある。


で、しばらく仕事をしていると、いつものようにネズミ型のおもちゃが目に入った。


邪魔なので、足でちょっと蹴って退けようと思った私。


しかし、何かが違うような気がする。。。


なんか、どエラく精巧にできてへん???


尻尾の長さといい、毛の感じといい。。。


でも目がプラスチックっぽいし、何やら飛び出た感じに付いてる。


尻尾もゴムっぽいし、手も足もゴムっぽい。


毛も、まぁぬいぐるみっぽい気がする。


この顧客、医者と看護師のシニア層カップル。


看護師って言っても上の方の偉いさんレベルの人らしく、ベンツ2台にアウディの4WD、ハーレーを所有している。


もちろん家も、ものすごい高級住宅街にある。


家の中のキッチンも家具類も全てめちゃめちゃ高い物ばっかり。


油絵やらなんやら、高そうな物があちこちに飾ってある。


猫命ってカップルなので、またしょうもないモンにお金かけはったんやなって思いつつ、仕事用の使い捨てゴム手袋をした手で、尻尾を持ち上げてみた。


そこそこ重い。


耳に持ち替えてみた。


やっぱりゴムというか、ソフト人形っぽい。


でもめちゃくちゃ精巧にできてる。


胴体をちょっと触ってみた。


割としっかりしている。


猫が咥えて運ぶのにちょうど良さそうな重さとしっかり感。


猫命の金持ちシニアが考えることはわからんな。


そんなことを考えつつポイっと放り投げ、仕事を続行。


そして仕事ももう終わりって頃に、また別のネズミ型おもちゃを発見。


2つも。


で、ふと思った。


この2つ、バリバリ安モンやがな(多分)。


どこからどう見ても、いかにも作りモンって様相。


しかもここのカップル、床に死んだGブリが転がってても、猫が捕まえてきたであろうトカゲの尻尾やら、そのものが乾燥した物とかが転がってても、特に気にならない様子の2人。


さっきのネズミのリアルさがまた気になり始めた。


とりあえず仕事を終わらせ、MJにメッセージを送ってみる。


「普通、家の床に死んだネズミが転がってるなんてありえへんよね?死んでるっていうか、かなりリアルなおもちゃなだけかもしれんけど。」


これまでの50年近い人生、死んだネズミなんか見たことがない私。


生きてる物にしたって、見た事があるのはせいぜいペットショップのハムスターぐらい。


しかしここはオーストラリア。


日本とは勝手が違う。


しかもこの家は常に外に通じるドアが開いている。


MJの返事は、


「無いと思うけど、どうだろう、わかんないなぁ。でも本物に見えるなら捨てちゃえば?」


って。。。


捨てちゃえばって簡単に言うけども。。。


さっき尻尾や耳やらをつまんで持ち上げた自分に慄く。


とりあえずもう一度、床に転がるリアルなネズミを見に行く。


ハエが2匹たかってるゲッソリ


しかしハエは別に「ガッツリたかる」って勢いでも無い感じに見えた私。(具体的にどんな感じかは説明できません)


で、どうしても目が作り物に見えてしょうがない私は、手袋をした手でもう一度尻尾を持ち上げてみた。


手足にちっちゃい爪があるがなチーンチーンチーン


本物やと思うチーンチーンチーン


MJにメッセージを送る。


「変に重いし、手にちっちゃい爪がありよる!!!」


OH, MY, GOD !!!!!


目にした限り放置もできないので、ゴミ袋に入れて外に置いてあるゴミ箱に捨てたけど、仕事中に自分がどこを触ったか思い出しながら殺菌シートであちこち拭きまくったチーン


病気になってもここの医者と看護師の世話にはならないようにしたいと思う。