オスグッド病の原因に新たな発見
小学生から中学生の成長期によくある症状で、オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)といわれる膝の痛みがあります。
発症する年齢が成長期と重なるため、成長痛ともよばれています。
当院はオスグッド治療が得意であり、治療5回以内で治らなければ以降の治療費無料をうたっています。
日進月歩を忘れず日々精進しておりますが、オスグッドについて、また新たな発見をしたのでブログにまとめました。
1.一般的なオスグッド病とは
まず最初に世間一般的にいわれているオスグッド病を詳しくまとめてみました。
A.一般的にいわれる概要
膝のお皿の下辺りに痛みが出ます。
患部が出っ張っていて、重症の場合はしゃがむ事もできないほど痛みが出ます。
10歳から16歳くらいの成長期に発症するため、成長痛ともいわれます。
ジャンプ、ダッシュ、キックなど、膝に負担をかけるスポーツに発症しやすい傾向があります。
圧倒的に男の子に多い症状ですが、稀に女の子のケースもあります。
B.一般的な診断
整形外科でレントゲンを撮ってもらうと患部の骨がはがれているように映ります。
年齢や習慣としているスポーツ、痛みの出方、出ている場所も判断材料となります。
C.一般的な治療
電気治療や超音波、温熱治療などの機械で治療をしたあと、湿布を貼って安静にするよう指示されます。
痛みが多少落ち着いてきたらストレッチなどのリハビリを指導されます。
D.一般的にいわれる原因
大腿四頭筋と呼ばれる太もも前面の筋肉に膝下部分が引っ張られて、まだ柔らかい成長期の骨がはがされるからといわれています。
以上、上記はすべて一般的という言葉を使用しています。
何故かというと当院の考えとあまりにも違うからです。
2.当院が考えるオスグッド病とは
A.当院が考える概要
ほぼ同じですが、膝下部分に出っ張りがなくてもオスグッドと判断するケースもあります。
逆に膝下に出っ張りがあっても痛みがない、オスグッドの症状がない子供もたくさんいます。
B.当院でおこなう診断
当院にX線機器はございませんのでレントゲンは撮りません。
押して痛いなど、問診と触診で判断します。
そもそもオスグッド病という病名にこだわりはありません。
ひざ下が痛いから痛みをとる、そういった理念で治療にあたっています。
C.当院がおこなう治療
機械での治療は、意味や効果がないと考え使いません。
手技にて早期にオスグッドを治します。
また湿布は処方しません。
安静を指示することもありません。
ストレッチは意味がないどころか逆効果です。
D.当院が考える原因
「骨がはがれているからオスグッド」
これもまったく違う考えです。
以前は疑問に思いながらも確信はありませんでした。
しかし、先日、者さんに見せていただいたレントゲン写真で疑問が確信に変わりました。
オスグッドとはがれた骨は、やはり関係なかったのです。
3.痛くない膝にもオスグッドの症状
以下は、実際に整形外科で「骨がはがれているからオスグッド」と診断され、当院へ来た小学生の左膝のレントゲン写真です。
矢印で指している膝の脛骨粗面と呼ばれる骨が、はがれて出っ張っているように見えます。
実際、膝を曲げたり、脛骨粗面を押すと痛みがありましたので、間違いなくオスグッド病でしょう。
次の写真は、同じ日に撮影した反対側の右足の写真なのですが、しばらく前に骨折をした脛骨がまだ完治していなかったので経過観察のために撮影したものです。
ピンクで丸印を付けた場所が骨折した場所、確かに脛骨の修復がまだ完全では無いように見えます。
しかし、注目してもらいたいのは左上、脛骨粗面の部分です。
分かりやすく緑で丸印を付けました。
あれ?見覚えがございませんか?
ん?骨がはがれて出っ張ってる?
そうです!
分かりやすく両足を並べてみると…
両膝ともオスグッド!?
そう思いませんか?
しかし、右膝には一切の痛みがなく、オスグッド病の症状はありません。
さらに、オスグッドと診断された側の左の脛骨粗面は、レントゲンでは出っ張っているように見えますが、外見はまったく出っ張っていません。
それなのに痛いのです。
4.はがれている骨の正体
実は上のレントゲン写真ではがれている様に見えるのは「骨端核」と呼ばれるもので、成長期の骨には必ず存在します。
つまり、オスグッド病は、はがれて出っ張った骨が原因で痛みが出ているのではありません。
実際にオスグッドで出っ張った骨を削る手術を2回もしたのに治らなかった患者さんもいらっしゃいました。
出っ張った骨を削ったり引っ込めても、オスグッドは完治はしないのです。
また大腿四頭筋が引っ張っているというのがオスグッドになる要因ともいわれていますが、こちらも大きな間違いです。
例えばその説に従い大腿四頭筋を緩めたとしても、ほとんど意味がありません。
一般的にいわれているオスグッドの常識は間違いがとても多いのです。
5.オスグッドの本当の原因は筋膜
オスグッドで痛みを出している組織は、骨ではなくて脛骨粗面の「筋膜」です。
そもそも骨には痛点がないので、骨が痛みを出すはずがありませんが…
そうなると、治療は脛骨粗面の筋膜を調整しましょうとなりますが、脛骨粗面付近の筋膜を調整しても治らないオスグッドもあります。
その場合、痛みが取れたとしてもその時だけで、のちのち再発します。
そういったケースのオスグッドは、施術してはぶり返し、施術してはぶり返しの繰り返しになってしまいます。
難治のオスグッド、本当の意味でオスグッドを完治させるには
「何故、その脛骨粗面の部分に負担がかかり痛みが出ているのか?」
を注意深く考えなくてはいけません。
6.脛骨粗面の筋膜につながる筋膜
一般的によくいわれている「大腿四頭筋腱が引っ張っているからオスグッド病になる」なんて考えはもうやめましょう。
先ほど申しましたが、大腿四頭筋を緩めてもほとんど意味はありませんし、ましてや大腿四頭筋のストレッチなんて意味が無いどころか逆効果です。
やった事があるお子さんなら分かると思いますが、痛くて上手くできません。
それでもリハビリの先生に指導を受けたのだから「無理してでもやるべき!」などと続けていたら、別の場所に支障をきたしてしまうでしょう。
そもそも痛がっているのは、大腿四頭筋の腱でも脛骨粗面の骨でもなく脛骨粗面の筋膜です。
さらにいえば、その脛骨粗面の筋膜につながっている別の場所の筋膜です。
7.まとめ
当院は恐らく年間50〜60人、今現在まで延べ人数で1000人以上のオスグッド病を施術完治させてきました。
その間、仮説と検証を繰り返していくうちに、いくつかの原因部分を見つけました。
それでもやはり、体格や筋肉のつき方、受傷時の状況などの個人差があり、「オスグッドの治し方はこれ!」とは簡単には言えません。
ただ、はっきりと言えるのは
「出っ張っているから痛いのではない!」
「大腿四頭筋は緩めても意味はない!」
「患部だけ施術しても治らない!」
この3つです。
この考えをベースに、治療の精度はかなり上がっています。
オスグッド完治率100%を目指してこれからも仮説と検証は続きます。
もし現在通っている院でのオスグッド治療に少しでも疑問を持ちましたら、セカンドオピニオンをおすすめします。
オスグッドで手術(体にメスを入れる)なんて無駄で意味のない行為です。
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