歳だからは関係ない！歩くのが遅くなって外出がおっくうになった高齢者の治療。

お爺ちゃんの元気がない

小学生の女の子。

バスケで膝を痛めて通院していたが、本人は数回の施術ですっかり良くなった。

すると...

「先生、おじいちゃん歩くのが大変なの！」

「それで最近すっかり元気が無くなっちゃった...」

詳しく聞いてみると、特に痛みがある訳ではないが、歩くのがとても遅くなってしまい、あまり外に出なくなってしまったらしい。

その為か、以前よりも無口になってしまったとのこと。

施術で改善する旨を伝えると、後日、お爺ちゃんと一緒にいらっしゃいました。

歩きづらい理由とは

歩くのがツラくなったり脚が重くなると、外へ出掛けるのがおっくうになります。

すると気分も落ち込んで、さらに外出しなくなり、使わなくなった脚はますます悪くなるという、負のスパイラルに陥ってしまいます。

さっそく、歩き方を見てみると...

①太ももが上がらない

②後ろ脚を蹴り出せていない

③腕の振りが無い

などの特徴が目につきました。

それらの問題点をひとつずつ紐解いていきましょう。

一番の原因は「力が入らない」

自覚症状は少ないのですが、筋肉の動きが悪く力が入らない状態です。

力がうまく入らないから歩きが遅くなるのです。

しかも、本人は痛みは感じていませんが、実際に触ってみると痛い部分がいくつかありました。

触って痛いと言う事は、硬くなっているということです。

筋肉は縮んで硬くなるのが仕事です。

例えば腕の力こぶの筋肉は、上腕二頭筋が縮んで硬くなる事で、肘を曲げるという動きが発生します。

しかし、上腕二頭筋が硬くなっていたら、縮めることが困難となり、肘を曲げる力が弱くなってしまいます。

筋肉は緩んでいるからこそ、縮んで硬くなる事ができるのです。

なので、しっかり歩くためには、歩くという動作の中で働くべき筋肉が緩んでいる必要があるのです。

それらを基に治療方針を考えていきます。

①太ももが上がらない

基本的に太ももを上げる時に使う筋肉は、「お腹の筋肉」と「太もも前側の筋肉」です。

もう少し踏み込むと、太ももを上げる時には「腰の筋肉」に力が入る必要があります。

実際に仰向けになり、片膝を立ててもう一方の脚を上げると、腰の筋肉にグッと力が入るのがわかります。

よって、太ももを上げやすくするには、「お腹の筋肉」「太もも前側の筋肉」「腰の筋肉」の調整が必要です。

②後ろ脚を蹴り出せていない

逆に脚を後ろに持っていく筋肉は、主に「お尻の筋肉」と「太もも裏」の筋肉です。

そこはもちろん大事ですが、当院は普段から膝が曲がらないという症状をたくさん診てているので、その観点からも診ていきます。

少しややこしい話になりますが、例えば右脚をついた後に左脚を前に持って来るには、左の膝が曲がらないとスムーズに歩けません。

仮にその時、左膝が曲がらないと、上半身を右に倒さなければ左脚をうまく前に持って来られません。

つまり、ちゃんと後ろ足を蹴りだして歩く為には、反対側の膝が曲がる必要があるということです。

以上より、「お尻の筋肉」「太ももの裏」「膝を曲げやすくする」の調整をおこないます。

③腕の振りが無い

歩く時には、当然ですが腕を振ります。

「脚が悪いから歩けない」と考えがちですが、「腕が悪くて上手く歩けない」ケースも多々あります。

両手に重たい荷物を持っていると、ちゃんと歩けないと感じませんか？

それは腕が上手く振れていないからです。

歩く時に腕を振る筋肉は、腕では無く肩にあります。

なので「肩の筋肉」を調整すると、腕がうまく振れるようになり、歩きやすくなります。

施術開始

上記の考えを基に施術していきました。

試行錯誤を重ねて施術すること数回。

結構かかりました涙

だんだんスムーズに歩けるようになって来ました。

最初は無口な患者さんでしたが、十回を超えたころには「だいぶ軽くなった」と喜んでもらえました。

さらには「一生通おうかな笑」とまで言ってもらえました。

これから更に動きが軽くなれば、気持ちも変わっていき、免疫力も上がって病気にもなりにくくなるのではないでしょうか。

久々に一緒に来たお孫さんの女の子からも「じいちゃんが生き返った！」と喜んでもらえました。

あれ？

もしかしたら「若返った！」と言いたかったのかもしれませんね^^

まとめ

たまに高齢者が段差につまづいて負傷するアクシデントがあります。

病院へ行くと「歳で筋肉が弱っているからねぇ」などと言わるのではないでしょうか。

そして初めから決まってるかのようなテンプレ、

「筋トレしなさい」

「ウォーキングしなさい」

今回のように、脚に力が入らなくて歩くのがつらい時に、筋トレやウォーキングを強要するのは非常に酷ですし無意味です。

それで改善するのか疑問ですし、むしろ悪化するのではないでしょうか。

歳をとったから筋肉が弱って動きが悪い、あるいは痛い。

もっともらしい言い分ですが、実際に施術してみるとそうでないケースが多々あるのです。

運動することは良いことだと思いますが、すべての原因が、運動やストレッチで解決するような物言いは、どうなのかなと思います。

高齢者の場合は、特によく耳にしますし、もっともらしく聞こえますよね。

歩きづらい、膝が痛い、肩が痛い、高齢であっても施術で改善します。

歳だからと決して諦めないでください。

施術で改善することはたくさんあります。