好き、嫌い
嬉しい、悲しい
怒り、憎しみ
美しい、醜い
善、悪
苦、楽
これらの正体は命
愛の正体も命
価値は命から生まれ派生する
生きる上での都合
その場に立って時計と反対に
光速で回転すると過去に行けるらしい
パタリロがそう言ってた
随分と過去へ来た
文明らしき物も見当たらない
人々は闇を恐れている
闇では目が見えないから
いつ獣に襲われるか分からない
危険だ
闇の恐怖は死と直結している
生きていたい、死にたくない
寝ている間に殺されたらどうしよう
怖い
夜明けが待ち遠しい
そして夜明け太陽にホッとする
朝のキラキラとした光に皆が笑顔になる
見えない闇の恐怖から解放される
見える事の「素晴らしさ」
晴れ晴れとした気持ち
光のなんと有り難いことか
美しさの根元がここにある
光は
嬉しい、美しい、安心する、
闇はその反対
もし人間の目が闇でしか見えないものだったら
闇が
嬉しく、美しく、安心できたのだろう
感情も元を辿れば死活問題
光の下では目がくらんで何も見えないのなら
光に恐怖を覚えていただろう
光は悪魔の如く
光にネガティブな価値を付けただろう
生きて行く事に都合が適えば
ポジティブな価値を与える
太陽が出てホッとしたけれど
それでも危険な動物が沢山いる
遠くに見えるのはネアンデルタール人
あんなでかい奴らに襲われたら死んでしまう
タイマンでもやられてしまう
仲間を作って数で勝つしかない
仲間割れは命取り
仲良くするのは生きる為に都合がいい
親密さにポジティブな感情を得た
沢山の友達が出来た
これで安全だ
沢山の友達の中でも特別な仲良しを作る
一人よりペアで群れの中にいた方が心強い
人が人を欲する本能
さらには愛
仲良くするのが好き
生きていける
ひとりぼっちが嫌い
生きていけない
親密になる事は生に適う事だとプログラムされる
生に適えば肯定し
死に向かうものは否定する
共存して生に適う行動をすれば
偉いねと褒められる
和を乱し生に危険な行動は叱られる
全ての個人が自分勝手をすれば群れは崩壊する
皆が少しずつの我慢をして秩序を保つ
そして秩序を守る為のルールを作る
秩序は個人にとっての縛りになるけれど
その縛りに守られて安全に暮らす事が出来る
仲間同士が奉仕し合えば絆は強くなる
誰かの為に何かをする事が
気持ち良く感じるプログラムが組み込まれた
共存が仲間を守り自分を守る
誰かにプレゼントする事に喜びを感じる
奉仕精神の根源は自己保存
利他は利己の範疇にある
自己犠牲は仲間を守り
仲間の中に自分も含まれる
群れを維持するのも死活問題
とても大切な仲間たち
時に
仲間を生かす為
自らが死を選ぶまでに強固な意志となる
自己犠牲の発端は自己保存の為の共存
人間が群れで生きない種であれば
愛を知る事はなかったのかもしれない
仲間で役割分担をする
狩りをする者、水を汲む者、家を造る者
これらも効率よく生に適うこと
共存は生存戦略
好き、嬉しい、美しい、善、楽、満腹、安全、、
これらは生に適う
生に適うから心地の良いプラスの気持ちになる
嫌い、悲しい、怒り、憎しみ、
醜い、悪、苦、空腹、危険、、
生に不都合なものを不快に感じるようになった
生きたい気持ちを生存欲求と呼び
欲は煩悩だと位置付ければ
愛も煩悩で仏教的にも悪となるのだろう
一般的には生きる為に不都合な事を悪と呼んだ
万引きは悪であり、殺人が悪である理由
ルールを破る存在は群れにとって危険な存在
万引きが悪な理由は
群れに守られている私の生を脅かすから
どうして万引きがいけないのですか？
人の物を勝手に取るのはいけないからです
どうして勝手に取ってはいけないのですか？
人々が好き勝手に他人の物を奪うと
秩序が乱れるからです
どうして秩序が乱れてはいけないのですか？
共存して生きていけないからです
どうして共存しないといけないのですか？
私が安全に生きていきたいからです
どうして人を殺してはいけないのですか？
さぁ？
愛は素晴らしい？
素晴らしいって何？
「素晴らしい」ってどういう意味？
どうしてそれを素晴らしいと思うのかの理由を
さっきのように潜って追いかけてみればいい
神懸かりな理想だけを見ていると
世に矛盾を撒き散らしてしまう
煩悩でも悪でもいい
それを知った上で
愛が大切ならそれでいい
そうあって欲しい
私は現実を見ない理想が生む理不尽が嫌いだ